オークスへ出走数の多い厩舎(2023年版)

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今回は「オークスへ出走数の多い厩舎(2023年版)」です。

厩舎の最新の傾向を知るために、今年を含む直近5年でのオークスへ出走数の多い厩舎を調べるものです。最新の厩舎傾向(今回で言えば3歳牝馬路線に強い厩舎)を知り、次世代での出資戦略の参考になればという考え方です。
あえてですが、5年前より前データは思いきって入れないようにしています。厩舎にも浮き沈みや取引先変化(生産牧場やオーナーなど)もあるので、「今年を含む直近5年」で区切って最新の傾向を把握するという見方をしています。

仮の話ですが、メス馬高素質募集馬への出資検討をする際に、今回の「オークスへ出走数の多い厩舎」が預託予定であれば積極的に出資検討していくようなイメージで活用いただければ幸いです。

では本題に入っていきましょう。
まずは今年を含む直近5年の出走厩舎一覧です。

続いて、上記一覧を纏め、直近5年で計3頭以上出走させている厩舎のみを抽出したものが以下です。

まず上記にランクインしている厩舎についてです。
桜花賞版(2023年4月記事)と比較をしていただきたいのですが、「桜花賞へ出走数の多い厩舎(2023年版)」と「オークスへ出走数の多い厩舎(2023年版)」で両方にランクインしている現役厩舎は、国枝厩舎・中内田厩舎・高野厩舎の3厩舎となっています。

2023年の現時点では、この3厩舎(国枝厩舎・中内田厩舎・高野厩舎)がメス馬に強い厩舎と言ってよいと思いますので、この事実は次世代出資ドラフト時にうまく取り込んでいきたい事項だと思います。
※国枝厩舎についてです。定年解散時期(2026年2月末)を考慮すると国枝厩舎出資馬でクラシックを目指すなら2022年産までです。

逆に3厩舎以外は顔ぶれが異なる点にも注意したいです。マルっと「メス馬得意厩舎」とまとめるのではなくて、「桜花賞寄り」なのか「オークス寄り」なのかといったあたりも出資馬検討の際には意識していくといいのかなと思ったりしています。


ここからは、「オークスへ出走数の多い厩舎(2023年版)」でランクインしている中内田厩舎・木村厩舎・安田翔厩舎のミニ解説をお届けしたいと思います。

中内田充正厩舎
中内田厩舎の注目は「芝二千超(芝二千を超える距離)でいつブレイクスルーするか」だと思っています。

これまでの中内田厩舎は芝二千以下を得意としている成績が見られます。一方で、芝二千超(芝二千を超える距離)での実績が薄い点も中内田厩舎の特徴のひとつと言えるかもしれません。
ただ、トップステーブルは課題をクリアし続けるからこそトップを継続できるのだとも思います。

その芝二千超においては、特別戦勝ちですと勝ち鞍は2022年1月の茶臼山高原特別(芝二二 優勝ロードプレジール)が厩舎として初めてのことでした。中内田厩舎は、2022年1月に厩舎として芝二千超攻略の取っ掛かりを掴み始めたと言ってもよさそうな状況で、中内田厩舎が芝二千超でいつブレイクスルーするかを考えるにはちょうど良い時期に入ってきていると思います。

さらに、重賞レースでの芝二千超の成績を確認してみますと、重賞の芝二千超での勝ち鞍は当記事作成時点でまだなくて、2着までに止まっています。ただ、そこはトップステーブル中内田厩舎です、少しずつ芝二千超にアジャストしてきているようにも見えます。

中内田厩舎 芝二千超の重賞着度数
2014年 芝二千超重賞へ出走なし(※開業初年度)
2015年 芝二千超重賞へ出走なし
2016年 0-0-0-1-0/2
2017年 芝二千超重賞へ出走なし
2018年 0-0-0-0-0/2
2019年 0-1-2-0-1/6 日本ダービー(3着ヴェロックス)・神戸新聞杯(2着ヴェロックス)・菊花賞(3着ヴェロックス)
2020年 0-0-0-1-0/3
2021年 0-0-0-0-0/1
2022年 0-1-0-0-0/3 青葉賞(2着ロードレゼル)
2023年 0-1-0-0-0/1 京都新聞杯(2着ダノントルネード)

2019年の日本ダービーで厩舎として初めて芝二千超重賞で3着内に入ると、その後も芝二千超重賞のなかでもかなりハイレベルなレースで2~3着を積み重ねてきています。おそらく、厩舎としても、芝二千超の壁をクリアすべく様々な試行錯誤をされているのだと思います。この流れで迎える2023年オークスで出走予定のリバティアイランドがどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみです。

木村哲也厩舎
2023年オークスの木村厩舎からの出走馬は社台F生産ヒップホップソウルです。
「社台F×木村厩舎」でのJRAのG1出走は今回が初となります。「社台F×木村厩舎」というタイムリーな話題ということで、木村厩舎については、新たな取引先(預託関係)の広がりを取り上げたいと思います。

2019年産においては預託馬がほぼノーザンF系クラブ馬で占められていた木村厩舎ですが、2020年産ではティファニードンナ(個人馬主三木正浩氏からの預託馬)のような新たな取引関係を確認することができます。また、馬主だけでなく生産者においても広がりが見られまして、2020年産ではヒダカF(コンフィズリー)、下河辺牧場(エルフレスアリー)、三嶋牧場(ティファニードンナ)、社台F(ヒップホップソウル)など非ノーザンF生産馬の預託関係も確認することができます。

また、今年デビューを迎える2021年産では、追分F生産馬(スキャットレディビーダンシング2021)が東京TCで木村厩舎募集馬として登場しています。また、ノースヒルズ(前田幸治氏名義)からの預託馬フィールドメジャー2021も早期特例登録馬として確認することができます。

個人馬主さんとの取引の広がりは厩舎経営上のポートフォリオという観点で言えばプラスだと思いますし、非ノーザンF生産馬の預託馬ですと外厩もいろいろだと思います。これまでの「ノーザンF天栄×木村厩舎」に対する、「ほかの外厩×木村厩舎」という馬も複数出現しそうで、そのあたりで成績にどのように反映されていくのかも注目だと思います。

木村厩舎×非ノーザンF系のG1出走歴
2013年エリザベス女王杯(4着)トーセンアルニカ エスティF
2015年天皇賞春(13着)トーセンアルニカ エスティF
2020年皐月賞(6着)ダーリントンホール 英国産ゴドルフィン
2020年日本ダービー(13着)ダーリントンホール 英国産ゴドルフィン
2021年マイルCS(7着)ダーリントンホール 英国産ゴドルフィン
2023年オークス(??着)ヒップホップソウル 社台F

安田翔伍厩舎

2021年オークス エンスージアズム(デビュー戦420㌔)
2022年オークス ホウオウバニラ(デビュー戦428㌔)
2023年オークス イングランドアイズ(デビュー戦432㌔)

安田翔伍厩舎は上記のように3年連続でのオークス出走となります。今後のオークス戦線で注目していきたい厩舎のひとつです。
そして注目したいのが、安田翔伍厩舎オークス出走馬3頭の馬体重です。3頭すべてが小型馬でして、小型牝馬の育成に長けている可能性を感じます。一般的に小型牝馬は募集時のマイナスファクターになりやすいですが、安田翔伍厩舎であればマイナス材料視する必要はないかもしれません。

もう一点が、ホウオウバニラとイングランドアイズについてです。2頭はともに1勝馬で抽選を通ってのオークス出走枠入りです。抽選運があるということでオークス運を持っている厩舎とも言ってよさそうですし、抽選とは言え出走することでオークスの戦い方の経験値を積み上げている点は覚えておきたいです。

以上です!
みなさまにとっても楽しいオークスデーになることを願っています♪

今回はここまでです。最後まで読んでくださりありがとうございました!
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