開業時戦力分析(森一誠厩舎・矢嶋大樹厩舎・千葉直人厩舎)

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上記記事のつづきということで、2024年新規開業厩舎についての預託関係(馬主・生産牧場などのライン)を中心に一口馬主的視点も交えて深掘りしていきたいと思います。なお、当記事では森一誠厩舎・矢嶋大樹厩舎・千葉直人厩舎を取り上げます。(上記記事のつづきになっていますので、お手数ですが上記記事もご確認いただけると嬉しいです。また、他の2024年開業厩舎は別記事で取り上げています。)

では本題へ進めていきましょう。


森一誠厩舎

森一誠厩舎です。
まず、師の経歴を確認します。(JRAホームページより引用しています。)

2004年4月 JRA競馬学校 厩務員課程入学
2004年7月 厩務員(美浦・堀宣行厩舎
2004年10月 調教厩務員(美浦・堀宣行厩舎
2010年7月 厩務員(美浦・堀宣行厩舎
2010年10月 調教厩務員(美浦・堀宣行厩舎
2011年2月 調教助手(美浦・堀宣行厩舎
2012年4月 厩務員(美浦・堀宣行厩舎
2012年8月 調教助手(美浦・堀宣行厩舎
2023年1月 調教師免許取得

上記のとおり堀厩舎で一貫してキャリアを重ねてきています。
堀厩舎の初出走が2003年3月ですので、堀厩舎開業の約1年後という堀厩舎黎明期から携わってきたことになります。(堀厩舎は今ではトップステーブルの位置にいますが、重賞初優勝は2006年のことでした。)
つまり、森一誠師は、堀厩舎の黎明期を体験されているはずで、さらにそこからドゥラメンテ・モーリス・タスティエーラなどの名馬をつくりあげていく過程も体験されていると思われます。
強い堀厩舎での経験はもちろん、黎明期の堀厩舎も経験されていることは、おそらく森一誠師の強みのひとつだと思います。

開業後の森一誠厩舎については、堀厩舎に近いスタイルを踏襲するのかに注目だと思います。他にも、「国枝調教師のファン目線を大事にしファンに信頼される人柄を見習いたい」と師が仰っていることから、ファン向け、またはクラブ会員向けの情報発信についても注目したいです。
https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/520233.html

そして、預託関係の注目ラインは「ノーザンF関連」と「堀厩舎ライン」です。

3/7時点のノーザンF関連×森一誠厩舎(9頭)
アイリッシュパール…栗田徹厩舎から転入、サンデーR
スティルディマーレ…国枝厩舎から転入、キャロットF
フラミニア…国枝厩舎から転入、シルクR
ライラスター…木村厩舎から転入、キャロットF
マイクロモザイク…木村厩舎から転入、馬主吉田和美氏
フスカル…池添学厩舎から転入、外国産馬でノーザンFしがらきを利用した履歴あり
スペキオサレジーナ…安田隆厩舎から転入
ダノンアーリー…安田隆厩舎から転入
ビーストアタック…安田隆厩舎から転入、レイクヴィラF生産

3/7時点の登録馬全23頭のうち9頭と、ノーザンF関連馬が一定以上のシェアを占めていることがわかります。ノーザンF系クラブ馬もサンデー・キャロット・シルクと各クラブから入ってきています。また、ノーザンF天栄とノーザンFしがらきの両方から転厩(転入)馬がいることも興味深い点です。厩舎稼働開始後にどちらの外厩をメインで利用するのかも含め注目していきたいと思います。
いずれにしても、ノーザンF系クラブ会員さんは注目の厩舎でしょう。

もう一点の注目は「堀厩舎ライン」です。

フォルコメン…堀厩舎からの転入、社台RH
サトノアイ…堀厩舎と預託関係ある馬主里見治氏

こちらは2頭なので頭数規模は大きくないですが、堀厩舎ラインを感じさせる馬が入ってきています。この堀厩舎ラインが今後広がりを見せるのかはわからないですが、可能性を感じるラインなので今年の2歳世代(2022年産)の預託馬も含め確認をしていくといいかなと思います。

矢嶋大樹厩舎

矢嶋大樹厩舎の3/7時点預託馬を以下のように分類して確認してみたいと思います。

3/7時点 矢嶋厩舎預託馬の前所属厩舎(全21頭)
10頭…(引退)中野栄治厩舎からの転入馬
3頭…(引退)高橋裕厩舎からの転入馬
3頭…手塚厩舎からの転入馬(コースタルテラス、ヴァーンフリート、レッドバレンティア)
2頭…宮田厩舎からの転入馬(セラフィナイト、クーデメイン)
1頭…鹿戸雄厩舎からの転入馬(レッドセニョール)
1頭…斎藤誠厩舎からの転入馬
1頭…鈴木慎厩舎からの転入馬

上記のなかで具体的に馬名を挙げている馬(計6頭)をさらに分類したものが以下です。

馬主吉田勝己氏…コースタルテラス、クーデメイン
馬主東京HR…レッドバレンティア、レッドセニョール
馬主キャロットF…ヴァーンフリート
馬主シルクR…セラフィナイト

このようにクラブ馬(&オーナーズ)が既存厩舎(非引退厩舎)から転入していることは注目だと思います。また、吉田勝己氏・東京HR・キャロットF・シルクRは、師が所属していた手塚厩舎との取引関係もある馬主でもあり、手塚厩舎ラインを意識させる馬主は今後も注目だと思います。(今回は名前があがりませんでしたが、手塚厩舎で取引関係があるラフィアンやウイン、サンデーなども今後の矢嶋厩舎で取引関係がでてくるのか注目だと思います。)

他では、キーワードとして「慶応」と「群馬県」を挙げたいです。(慶応大は矢嶋師の出身大学、群馬県は出身県なので)
慶応出身者は牧場関係者にもいらっしゃると思いますし、クラブ関係者や個人馬主さんにもいらっしゃると思います。
群馬県関連では地元紙上毛新聞に以下見出しで記事が出ています。

千葉直人厩舎

千葉調教師についてはマスメディア報道から注目点をピックしたいと思います。
まずはこちらのスポニチ記事です。

(一部引用)
千葉師「騎手の時から私ならこういう調教をしたい、こういうレースを使いたいという思いがあって調教師の道を目指してきました」

もうひとつは東スポ記事から。

(一部引用)
千葉師「運動の要となるのは有酸素運動ではないかなと感じておりますので、角馬場を長めに乗って馬をリラックスさせてあげて、そこから馬場に出る流れを取っていきたいなと思っております」

千葉師は、騎手時代から調教師を目指していたようです。また、やっていきたい調教トレーニングのイメージも持っているようで「運動の要となるのは有酸素運動ではないかな」と仰っています。
トレーニングメニューが(他厩舎と比較して)独特のものになるのかまでは現時点ではわかりませんが、千葉厩舎のトレーニングメニューで成績が出やすいカテゴリーが出てくる可能性は考えておきたいです。(例えば、「芝が得意orダートが得意」「短距離が得意or中長距離が得意」のように、千葉厩舎のトレーニングメニューで成果が出やすいカテゴリーが出現する可能性です。)

預託関係からは個人馬主さん預託馬が多くなりそうな感じがします。(3/7時点登録馬21頭のうちクラブ馬は1頭のみ(ネバーレインズ・ライオンRH)です。)
その個人馬主さんのなかでも冠テソーロさん(馬主了德寺健二HD)は注目だと思います。

3/7時点 了德寺健二HD×千葉厩舎
ルーパステソーロ…加藤士厩舎から転入
タフトテソーロ…高木厩舎から転入
ブッシュテソーロ…畠山吉厩舎から転入

上記の東スポ記事にも以下のような発言を確認できます。

(一部引用)
千葉師「技術調教師時代にウシュバテソーロ号のドバイワールドCやブリーダーズCクラシックに帯同させていただきましたので、海外レースを見据えていければなと思います」
https://tospo-keiba.jp/breaking_news/42764

テソーロさんは今、とても勢いのある大馬主さんだと思います。そのテソーロさん預託馬でしっかり成績を出すことができれば厩舎としても一段上に行くことになりそうで、そのあたりを(一口馬主とは遠い話題ではありますが)注目したいと思っています。

今回はここまでです。最後まで読んでくださりありがとうございました!
良い調教師(厩舎)とのご縁、みなさまの愛馬の成績向上、次世代産駒での良縁があることを願っています!

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