【一口馬主向け】厩舎論。個人馬主向き?クラブ馬向き?

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では本題です。一口馬主のブログやTwitterを見ていると「〇〇厩舎は個人馬主向き(クラブ馬は不向き)」みたいな発言を見ることがありますが、みなさんは考えることはありますでしょうか?


もちろん考えることもあると思いますし、これまでの出資馬でのご経験も様々でしょうしいろいろな考え方があってよいと思っています。

”いろいろな考え方があってよい”と筆者も考えているのですが、この「【一口馬主向け】調教師(厩舎)分析」を編集していて気づきがあったのでそのあたりを今回は書いていこうと思います。データを積み重ねたり、厩舎毎に時系列で分析していったり、そういった編集作業をしていたからこそ気づけたことをお届けしたいと思います。

では早速「【一口馬主向け】厩舎論。個人馬主向き?クラブ馬向き?」に進めてまいります。

筆者の結論「個人馬主向き?クラブ馬向き?」

最初に結論からです。
筆者は「厩舎が個人馬主向き?クラブ馬向き?」というのはあまり考える必要はないのではないか、というのが現時点での結論です。
特に筆者が会員であるキャロット・シルクのような社台グループ系クラブの預託先厩舎は考える必要はないと考えています。

いくつか理由があるのですがお金周りのことと事例も含めて示すのがわかりやすいと思います。

お金周りのこと(預託料)

預託料を受け取る調教師側からすると、預託料の取りっぱぐれの不安が少ないクラブ馬は大事な顧客だろうと推測しています。また、そもそもの預託料取り決めもクラブ馬であれば過剰な割引もしないで済むのではないかと思います。

筆者自身、仕事で委託先(委託を受け、お金をいただく側)になった経験があるので共感するところですが、委託料を決める交渉はやはり難しいですし、決まった委託料の請求書を届けるときもけっこうドキドキしたりします。お客様によっては毎月、何らかのことを持ち出して決まった委託料から割引要求するようなお客様もいたりしました。

筆者自身は一介のクラブ会員ですので、競走馬の世界でのお金周りの実態は推測の範囲になります。とはいえ委託業務、それもスポット業務ではなくて継続的な委託業務でのお金周りの難しさは経験から共感するところではあります。

こう考えるとクラブ馬は厩舎経営において大切な存在(顧客)なのだろうと思っています。つまりクラブを大事にしないわけがないということです。

※クラブ自体も経営不安に陥ることはあるとは思いますが、比較的取りっぱぐれの不安は少ないという意味合いです。

事例①国枝厩舎

続いては「厩舎が個人馬主向き?クラブ馬向き?」というのはあまり考える必要はないことを示す事例です。

アーモンドアイが出現した今となっては誰も言わないですが、国枝厩舎でさえも以前は一口馬主から「個人馬主向き」とネット上で言われていた時期がありました。実際、筆者も「国枝厩舎はクラブ馬向きではない」という声を直接聞いたこともあります。

余談ですが、筆者は当noteで公開している「厩舎アーニング・インデックス」を作成していたので当時も国枝厩舎には注目していました。結果、シルク入会第1号の出資馬(2013年産)は国枝厩舎となりました。該当出資馬は準OPまで勝ち進んでくれましたし、厩舎アーニング・インデックス通りに良い成果がでたと思います。(ただし、2015年産募集時にアーモンドアイには見向きもしなかったのはご愛敬ということでw)

話を国枝厩舎に戻します。国枝厩舎のようにクラブ馬の成功馬がでていなかったのは”巡り合わせ”くらいに解釈することでよいのではないかと筆者は思っています。ただし、数値的な根拠など何らかの根拠は必要だと思います。
参考までに国枝厩舎分析レポートページのリンクです。

事例②友道厩舎と池江厩舎の比較

筆者の個人的な印象ですが、友道厩舎は一口馬主から絶大人気にはなっていないと感じています。友道厩舎は一流ステーブルですし、社台系クラブなら一次募集で満口にはなると思いますが超絶人気というわけではないと思います。
一方の池江厩舎、こちらは筆者が会員のキャロット・シルクでも毎年超絶人気です。

この微妙な人気の差がどこにあるのかのヒントがクラブ預託馬の馬質(馬価格)にありそうです。

一口馬主DBより引用しております。友道厩舎の募集価格順の1ページ目です。注目は一番下の25番目です。(引用元:https://www.umadb.com/umalist/t656/?o=3)

20200702‗1友道厩舎

友道厩舎の募集価格25番目は3,000万円です。

対する池江厩舎。こちらも注目は一番下の25番目です。(引用元:https://www.umadb.com/umalist/t1364/?o=3)

20200702‗2池江厩舎

池江厩舎の募集価格25番目は8,000万円でした。

友道厩舎:3,000万円
池江厩舎:8,000万円

こういう預託馬の馬質(馬価格)の違いも人気の差の原因のひとつではないかと思っています。ちなみに友道厩舎にもここ最近でクラブ高額馬が預託されつつあります。今後の友道厩舎クラブ馬の活躍に期待したいです。
参考までに友道厩舎・池江厩舎分析レポートページのリンクです。

ここまでのまとめ

・「厩舎が個人馬主向き?クラブ馬向き?」というのはほとんど考える必要はないと思われる。特に社台グループ系クラブの預託先厩舎は考える必要はない。
・国枝厩舎のように数値的根拠があればクラブ馬でのホームランがいずれ出現する。
・友道厩舎と池江厩舎の比較で見たようにクラブ預託馬の質(馬価格)の違いも考慮したい。仮に友道厩舎に池江厩舎のような高額預託馬が続々預託されたら、友道厩舎からもクラブ馬ホームランがポンポン出現する可能性もありそう。

大事だと思うので繰り返しますが、社台グループ系クラブの預託先厩舎であれば「厩舎が個人馬主向き?クラブ馬向き?」というのはほとんど考える必要はないということだと思います。


さて、ここまで”社台グループ系クラブの預託先厩舎であれば”という枕詞を付けてきたのにも意味があります。社台グループ系クラブの預託先厩舎はだいたいがリーディングで真ん中より上が多いと思います。リーディング下位厩舎はほとんどないと思います。(若手厩舎以外のリーディング下位厩舎という意味です。)

このリーディング下位厩舎の場合、「厩舎が個人馬主向き?クラブ馬向き?」というのが発生しそう、というのを「【一口馬主向け】調教師(厩舎)分析」を編集していて気づいたのでここからはその点についてを書いていこうと思います。

ここから先は少し過激なことも書いてあるので、ご了承のうえでお読みください。また、ここからは有料記事とします。社台グループ系クラブ会員さんは読まなくて良いと思いますが、リーディング下位厩舎が関係するクラブ会員さんは興味あれば購読してみてください。(エビデンスとして粕谷厩舎を事例としてだしますので、粕谷厩舎のレポートを個別購入されている方も読まなくても良いと思います。)


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