朝日杯FSへ出走数の多い厩舎(2022年版)~マクロ環境に注目~

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今回は「朝日杯FSへ出走数の多い厩舎(2022年版)~マクロ環境に注目~」です。

厩舎の最新の傾向を知るために、今年を含む直近5年での朝日杯FSへ出走数の多い厩舎を調べるものです。最新の厩舎傾向(今回で言えば2歳牡馬マイル路線に強い厩舎)を知り、次世代での出資戦略の参考になればという考え方です。
あえてですが、5年前より前データは思いきって入れないようにしています。厩舎にも浮き沈みや取引先変化(生産牧場やオーナーなど)もあるので、「今年を含む直近5年」で区切って最新の傾向を把握するという見方をしています。

仮の話ですが、早期始動できそうな牡馬募集馬への出資検討をする際に、今回の「朝日杯FSへ出走数の多い厩舎」が預託予定であれば積極的に出資検討していくようなイメージで活用いただければ幸いです。(※朝日杯FSへはメス馬も出走資格がありますが、現状の実態を考慮して「牡馬」という表現を用いています。ご了承ください。)

では本題に入っていきましょう。
まずは今年を含む直近5年の出走厩舎一覧です。

続いて、上記一覧を纏め、直近5年で計3頭以上出走させている厩舎のみを抽出したものが以下です。

上記にランクインしている厩舎名を覚えておいて出資検討の際に活用するのもよいのですが、今回は少し大枠の話であるマクロ環境の話をしていきたいと思います。

朝日杯FSマクロ環境(1)出走厩舎の大きなトレンドの転換点

直近数年の朝日杯FSというレースは、定年引退予定が迫っている厩舎が多く出走させてきていた経緯があります。
このため、現時点(2022年時点)は、朝日杯FS出走厩舎の大きなトレンドの転換点(以下引用記事内では「地殻変動」と表現)の真っ只中の時期にあることをまず認識を持ちたいレースだと考えています。その内容については2年前記事である2020年版で指摘をしていますので2020年版から該当箇所を引用します。

2024年の朝日杯FSでは、朝日杯FSへの出走を得意としている3厩舎(藤沢和厩舎・安田隆厩舎・加用厩舎)からの出走がゼロになります。その分、他の厩舎にパイ(出走枠)が回ってくることになります。つまり、数年後には(朝日杯FSへの出走を得意とする)厩舎の顔ぶれがガラリと変わるような”地殻変動”の可能性もあるわけです。

もう少し細かく書きますと、
・来年メインで募集される2020年産の朝日杯FS(2022年開催)※藤沢和厩舎からの出走がない世代
・さらに先で2022年産の朝日杯FS(2024年開催)※安田隆厩舎・加用厩舎からの出走がない世代
という区切りが発生しますので、ここでチャンスを掴む(朝日杯の出走枠を掴む)厩舎をどう想像していくかが私たち一口馬主側が問われるところだと思います。

地殻変動はゆっくり進行するもので最中には気づきにくいものだと思います。ただ、地殻変動が終わった後で知っても遅いと思います。これから(特に来年以降の)2歳牡馬戦線は慎重に注意を払って見ていきたいと感じます。

今年の朝日杯FSへも、上記文中で登場する安田隆行厩舎からの出走馬(ダノンタッチダウン)がありますが、その安田隆行厩舎からの朝日杯FSへの出走可能性も来年(2023年)開催がラストです。
逆の言い方をすれば、2024年開催(2022年産での朝日杯FS)からは安田隆行厩舎が握っていたパイ(出走枠)が市場に開放されることになります。2022年産は来年(2023年)のメイン募集世代でもありますし、出資馬で朝日杯FS出走を目標にしたい一口馬主さんは、市場に開放されるパイを掴み取る厩舎がどこになりそうなのかも考えつつ、今から虎視眈々と準備を重ねていきたいところだと思います。

※定年引退予定が迫っている厩舎がこれまで朝日杯FSに多く出走させてきていた経緯については、2020年版だけでなく2021年版も併せて読んでくださると幸いです。

朝日杯FSマクロ環境(2)朝日杯スプリングボード厩舎を探せ!

続いては、マクロ環境についての2点目の話題です。
朝日杯FSというレースは2017年以降、連続してフルゲートに満たない出走頭数でここまで(2022年まで)施行されてきています。このフルゲート割れが続いているという事実は今の朝日杯FSを考えるうえで重要なポイントではないかと思います。

少し振り返りますと朝日杯FSが阪神開催に移動した2014年、そして2016年ではフルゲート(18頭)で施行されていました。しかし、「2017年」以降でフルゲート割れへとトレンドが転換しています。

その2017年、何があったかと言いますと、ホープフルSがG1に昇格した年でして、その影響でG1出走希望の牡馬が朝日杯FS・ホープフルSの2レースに分散してフルゲートに満たない出走頭数でここまできているものと推測しています。(そのホープフルSも2017年~2021年までフルゲートに満たない出走頭数で推移しています。)
別な表現をすれば、(多少の条件はつくものの)朝日杯FSは出走意志があれば出走しやすいG1競走という見方もできると思います。

このように出走枠に比較的入ることがしやすい特殊なG1である朝日杯FSは、G1未実績厩舎の飛躍のきっかけになるスプリングボードにもなりうるレースとして筆者は注目しています。

事実、そのトレンド転換年である2017年朝日杯FS優勝厩舎は、当時4年目、朝日杯FSでG1初優勝を飾った中内田充正厩舎でした。その後の中内田充正厩舎はG1優勝を積み重ねていることはみなさまもご存知だと思いますし、2017年当時20馬房だった馬房数も、2022年は26馬房となっています。まさに、朝日杯FS出走&優勝をスプリングボードに大規模厩舎に飛躍した良い事例だと思います。

こういった良い事例もあることですから、私たち一口馬主としては、次なる朝日杯スプリングボード厩舎を探す目線というのも良いのではないかと思っています。

未来のことなのでどの厩舎が朝日杯FSをスプリングボードにして飛躍するかを予見するのは難しいので複数の厩舎に目星をつけて見ていくのが良いと筆者は思っていますが、現時点では西村真幸厩舎に注目をしていきたいと考えています。
西村真幸厩舎は当記事作成時点でG1未勝利というG1未実績厩舎である一方、直近5年(2018~2022年)の朝日杯FSに所属馬を4頭も出走させてきています。出走枠に比較的入ることがしやすい朝日杯FSにしっかりと出走馬を送り込む姿勢には好感を持てますし、こういった出走経験がいずれ実を結ぶときがきてもおかしくないとも感じています。
西村真幸厩舎募集馬を出資検討する際にはもちろん、出資有無を別にしても当記事をきっかけにウオッチを継続していくと(中内田充正厩舎事例のように)厩舎飛躍の初動を感じ取ることができるのではないかと期待しています。


今回はマクロの環境変化に着目した記事にしてみました。
筆者自身「マクロ環境を自分なりにどう理解するか」はかなり大事にしていまして、マクロ→ミクロの順で物事を捉えることで「木を見て森を見ず」にならないよう注意しています。特に出資ドラフト時期に突入してしまうと、個別の出資馬情報(ミクロ情報)に没頭しがちでもあり、ドラフト時期の前までにマクロ環境を押さえることを強く意識しています。

当記事はあくまで筆者なりのマクロ分析ですのでこれが正しいかどうかはわかりません。とはいえ、正しい正しくないは別としても最初の思考の一歩を踏み出すことが次なる思考につながるものと思っています。
当記事が朝日杯FSを楽しむ一助に、読んでくださるみなさまのマクロ環境理解の一助になることを願っています。

以上です!
みなさまにとっても楽しい朝日杯FSデーになることを願っています♪

今回はここまでです。最後まで読んでくださりありがとうございました!
良い調教師(厩舎)とのご縁、みなさまの愛馬の成績向上、次世代産駒での良縁があることを願っています!

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