開業時戦力分析(福永祐一厩舎・小椋研介厩舎)

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上記記事のつづきということで、2024年新規開業厩舎についての預託関係(馬主・生産牧場などのライン)を中心に一口馬主的視点も交えて深掘りしていきたいと思います。なお、当記事では福永祐一厩舎小椋研介厩舎を取り上げます。(上記記事のつづきになっていますので、お手数ですが上記記事もご確認いただけると嬉しいです。また、他の2024年開業厩舎は別記事で取り上げます。)

では本題へ進めていきましょう。


福永祐一厩舎

福永厩舎についてはすでに多くのマスメディア報道がありますので、そこから個人的に気になった記事をピックしていきたいと思います。まずは以下のサンスポ記事です。

↑この記事で登場するのが今年デビュー予定の2022年産です。

アイムオールレディセクシー2022(父キタサンブラック、社台F生産、税別29,000万円、購買者廣崎利洋HD)
アルテリテ2022(父キタサンブラック、ノーザンF生産、税別8,800万円、購買者藤田晋氏)

↑次に確認するのは日刊スポーツ記事でこちらも2022年産。

Malibu Pier2022(米国産、現地購買額32万5,000ドル(約4,712万円)、DMMバヌーシー募集馬)

↑もうひとつの日刊スポーツ記事からは来年デビュー予定となる2023年産の話題です。

コンヴィクションⅡ2023(父コントレイル、ノーザンF生産、税別52,000万円、購買者ノースヒルズ)

↑そして、日刊スポーツからはふたつめの2023年産の話題で以下が登場。

ピクシーホロウ2023(父エピファネイア、ノーザンF生産、税別33,000万円、購買者藤田晋氏)
スティールパス2023(父サートゥルナーリア、千代田牧場生産、税別8,200万円、購買者DMM)

ここまでで取り上げてきた馬はすべて今年・来年デビューの2022年産・2023年産です。高額馬が揃っていますし、購買者名を確認してもビッグネームの大馬主さんが揃っていることを確認できます。巷で言われるように、福永厩舎への預託希望が殺到している様相を感じますし、供給サイド(預託希望者)と需要サイド(預託を受ける厩舎)の状況からも買い手市場になっていることを感じます。

さて、ここからは一口馬主視点で少し考えてみたいと思います。
仮に筆者が感じているように、福永厩舎を巡る状況が買い手市場になっているとするのであれば、供給サイドの立ち位置である私たちクラブ会員としては、取引関係として(一般的には)有利ではない状況下にあることは認識しておきたい前提条件になると思います。
ただ、一方で、買い手市場のなかで預託が成立した馬に関しては、一定以上の厳しい選考過程を経ての預託成立であることも推測できると思います。そういう意味では、福永厩舎預託予定募集馬には素直に順張りする姿勢で行くのもアリかもしれません。

もう一点、想像を膨らませていきたいのが、出資馬が福永厩舎同世代預託馬のなかでどのような序列のなかにありそうなのか、という点です。
今年メイン募集世代となる2023年産であれば、福永厩舎にはすでに5.2億円馬(コンヴィクションⅡ2023)、3.3億円馬(ピクシーホロウ2023)、非ノーザンF生産のメス馬で8千万円の値がついた馬(スティールパス2023)がすでに預託予定との報道が出ています。(これ以外にも筆者がフォローしきれていないだけで他の高素質馬も預託内定馬がいるかもしれません。)

福永厩舎預託予定の2023年産募集馬は上記の序列のなかに入っていくことになります。競走馬の能力は価格だけで決まるわけではないものの、高額馬の方がより高素質馬である可能性は否定できないわけで、仮に出資検討するのであれば、出資検討対象馬が福永厩舎内でどのような序列位置にありそうかは想像しておくとよさそうかなと思います。

馬価格の話題が出ましたので付随する回収率の話題で締めたいと思います。
これだけの高額馬預託の報道が出ている福永厩舎なので、クラブ募集馬に関しても回収率狙いで行くのは無理がありそうな気配だと思います。このため、回収率狙い以外のゴール(目的)を設計できるかどうかが出資検討時のポイントになりそうだと今は感じています。
具体的な事例を出すのが難しいところではありますが、福永師のインタビュー記事などを読んでいると、筆者の感覚的なものですが「(点ではなく)線で考えることができるクレバー」な印象を感じます。このクレバーさとベクトルが合致するような設計…、例えば母馬優先権のあるクラブで福永厩舎募集のメス馬に出資して、数年後のそのメス馬産駒を狙っていくような中長期的な設計は面白いかなと思います。そういう意味では、師がセレクションに加わったであろうメス馬(Malibu Pier2022)の今後の動向には個人的にも注目していきたいと思っています。
※DMMであれば将来的にも2,000口募集になる可能性が高そうで、母馬優先権有無は考えずに「メス馬出資も&非出資も→そのメス馬産駒への出資」という中長期設計も可能だと思い、ひとつの注目したい事例馬として挙げています。ただし、今回の記事は個々の募集馬を推奨もしくは非推奨するものではありません。実際の募集馬については、募集馬個々を精査し、馬体面や血統配合面、サイズ感、価格など各種ファクターを総合的に考えて検討して行きましょう。

小椋研介厩舎

小椋研介厩舎は3/7時点の登録馬が、今回の新規開業厩舎のなかで最多の30頭となっています。各馬の状況にもよりますが、18馬房をフルに使っていけそうな戦力数だと思いますし、厩舎運営は比較的やりやすい頭数規模でのスタートではないかと思います。
一方の戦力の質においては、3歳未勝利クラス(10頭)・古馬1勝クラス(14頭)と、現時点での最下級クラス所属馬が多くを占める戦力層となっています。このため、今年の年末時点での厩舎成績を確認する際には(重賞成績や収得賞金よりも)勝数や勝ち上がり頭数など、下級条件でのパフォーマンスに注目するとよいのかなと思います。

また、開業時点ではオープンクラス在籍馬がゼロで、おそらくマスメディアでの掲載も目立つものにはならないことが予想されます。このため、一口馬主プレイヤーからの注目度も高くはならないと思います。しかし、逆に言えば、地道に下級条件でのパフォーマンスに注目していくことで、厩舎特徴を把握して出資チャンスを見出すこともできる可能性を秘めているとも言えそうです。丹念に見ていくことで一口馬主的にはチャンスありそうな厩舎という見方ができると思うので、注目度が高くはないうちからしっかり見ていきたいと思います。

そして下級条件でのパフォーマンス以外では、どのチームや外厩との連携で成績を出していくのかも筆者的には注目したいポイントです。
なぜなら、3/7時点の登録馬30頭のなかにクラブ馬も多数含まれているからです。

(3/7時点の小椋厩舎クラブ登録馬)
ロードHC…フライングバレル、ティフォーザ、ロードジャスティス
サンデーR…マンクスホップ、エレアイム
シルクR…ベルシャンブル、アンクローシュ
キャロットF…ハートループ
G1R…メリオルヴィータ
社台RH…ソルセルリ
東京HR…レッドマーレ
ノルマンディーTR…プリンスノット
ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン…カリナンラホーヤ
京都HR…ラートリー

開業時点でかなり多くのクラブとの取引関係を確認できます。もちろん、この全てのクラブで今後も取引関係が継続するのかはわからないです。ただ、このなかから取引関係が拡大するクラブも出現すると思います。どのクラブ?どの生産牧場?どの外厩?いろいろな視点でウオッチしていくと面白いかなと思います。

今回はここまでです。最後まで読んでくださりありがとうございました!
良い調教師(厩舎)とのご縁、みなさまの愛馬の成績向上、次世代産駒での良縁があることを願っています!

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