
【WEB版】『ディープインパクト誕生の裏に隠されたシナリオ』(20)
制度・システム導入オペレーションとはなにか


ここで制度・システム導入についてのオペレーションを説明しよう。結論を先に言うと、制度・システム導入の前と当該年で連続連対馬(枠)を必ず出すオペレーションのこと。新しいルールが構築される際に旧ルールとの変化を示さなければ、私たち競馬ファンはどう変わったのかがわからないので、主催者がそれを教えてくれるのだ。
まず、制度導入の代表的なものとして、何度も取り上げているグレード制導入がある。制度導入前年には三冠馬ミスターシービーを、制度導入年にシンボリルドルフを誕生させたのはわかりやすい事例だろう。これにより、前と後でどう変化したかを示しているのだ。
同様に指定戦導入は、同年に三冠馬ナリタブライアンを、その翌年タヤスツヨシを誕生させた。タヤスツヨシは皐月賞2着、ダービー1着、そして菊花賞では6着に敗れたものの、2着馬トウカイパレスの同枠。つまりすべて連対枠に入ったことになる。

タヤスツヨシはトウカイパレスの同枠に組まれる
そのほかの制度と言えば、報奨金(ボーナス)制度があげられる。内容は、平成12年から同一年度に天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念の3戦すべて勝った場合、特別報奨金(外国産馬1億円、内国産馬2億円)が交付されるようになった。また、翌年には、皐月賞、ダービー、菊花賞のすべてに優勝した内国産馬に対して、新たに報奨金(ボーナス)1億円が交付されるようにした。
まず、平成11年の報奨金制度導入前年にはスペシャルウィークが天皇賞(秋)1着、ジャパンカップ1着、有馬記念2着と3戦すべて連対を果たし、翌年市テイエムオペラオーが天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念の3戦すべてを勝利し、導入年にいきなり報奨金を手に入れた。


次にクラシック三冠レースを見ると、報奨金制度導入前年にはエアシャカールが皐月賞1着、ダービー2着、菊花賞1着と三冠レースすべて連対を果たし、翌年の導入年にはダンツフレームが皐月賞2着、ダービー2着のあと、菊花賞では2着マイネルデスポットの同枠馬として、すべて2着枠に入ったのである。



ダンツフレームは2着マイネルデスポットの同枠に組まれる

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