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第63回東京優駿【1996年】

転機を迎えた一戦、日本ダービー

今でもそうであるが、枠順発表前、どの馬がどの馬と同枠に組むのか?を事前に考えるのだが、この年の日本ダービーは、フサイチコンコルド、ビワハイジ、メイショウジュニエの3頭が7枠に配置されるのではないか?と考えていた。
当時、今のようにインターネットはないので、GIレースの枠順発表をいち早く知るには、金曜日の朝10時に専用ダイヤルに電話をするしかなかった。
1996年の5月31日(金)の朝10時、仕事での外出中であったが、枠順を早く知りたく、公衆電話で枠順を確認したのを今でも覚えている。(どこの電話ボックスかも)
ペンとメモ帳を取り、いつものような緊張の瞬間。

『第63回日本ダービーの確定枠順をお知らせいたします』のアナウンス。

『1枠1番オンワードアテゥ、1枠2番アドマイヤビゴール・・・・・』

フサイチはいつでてくる? ビワは?とドキドキしながらメモを取る。

『7枠13番フサイチコンコルド、7枠14番ビワハイジ、7枠15番メイショウジェニ・・・』

身体が振るった。
まさか、想像通り7枠に3頭が配置されるとは。

1着フサイチコンコルド、2着ダンスインザダーク

皐月賞の否定がテーマ

当時の読みは、皐月賞がイシノサンデーとロイヤルタッチのゾロ目で【1着馬を空洞化】したことにより≪皐月賞組は否定≫されるというもの。
注目点の一つはメイショウジェニエがどの馬とどう枠になるか?というもの。

メイショウジェニエの戦歴

メイショウジェニエは、皐月賞3着馬。
この時代は皐月賞4着まで優先出走権が付与されており、そのまま直行で出走可能な馬。
それが、わざわざ青葉賞を使い5着に敗退しているのである。

この年の日本ダービーで求められるものは、皐月賞の力関係を引きずらない戦歴馬であり、まさにメイショウジェニエは『皐月賞の優先出走権の切符を無駄にしてきましたよ』という馬なのだ。

出走取消前の覇者(仮)はどの馬か?

実はこの年の日本ダービーには、ダービー馬に相応しい覇者は不在だった。
出走取消前の覇者候補カッコ仮は、14番に配置されたビワハイジだったはずだ。

ビワハイジの戦歴

当サイト会員なら、ビワハイジが出走取消前の覇者(仮)というのは理解できるだろう。
【GIの日本ダービー】ではまさか勝てるはずもなく、だからカッコ仮なのである。
また、≪皐月賞の否定≫には桜花賞からの直行馬はピッタリというわけだ。

2戦2勝の無敗馬フサイチコンコルド

フサイチコンコルドの戦歴

フサイチコンコルドは2戦2勝の無敗馬。
この馬もまた≪皐月賞の否定≫にピッタリと言えるだろう。

17番カシマドリームの出走取消

ビワハイジがダービー馬になるはずもなく、出走取消待ちであったが、17番のカシマドリームが出走取消となった。
フサイチコンコルドの日本ダービー馬説が確信に変わった瞬間。

この年の日本ダービーの枠順をカシマドリームを除いて組み立ててみる。
8枠を1枠とすると、1枠1番チアズサイレンス、1枠2番ミナモトマリノス、2枠3番メイショウジュニエ、2枠4番ビワハイジ、3枠5番フサイチコンコルド、3枠6番ロイヤルタッチ・・・・。

『フサイチコンコルドとロイヤルタッチが隠れ同枠となる』

これが決め手だ。

ロイヤルタッチの戦歴

≪皐月賞の否定≫がテーマだから直接連対はできない馬だが、私にはピカピカ光って見える戦歴馬。
ビワハイジとメイショウジェニエの同枠のフサイチコンコルド、ロイヤルタッチの同枠のフサイコンコルド、『これはやるしかない!』と。

相手はダンスインザダーク!

ダンスインザダークの戦歴

ダンスインザダークは弥生賞1着の後、皐月賞不出走。
そしてこの年から新設されたプリンシパルS1着。
≪皐月賞の否定≫がテーマとしたら、こんな完璧な戦歴馬はいないだろう。
どう考えても外れない。
『弥生賞を勝っているのに皐月賞には出走しないって・・・』

1点勝負だ!

当時、サイン読みで情報交換していた仲間に1点予想をFAXした。
周りはフサイコンコルドに否定的な意見が大半だった。

『日本ダービーはベテランジョッキーしか勝てない』
『キャリア2戦では勝てない』

そういう過去の常識などいつかはぶっ壊してくると思っていたので、私は持論を信じて勝負した。
結果は1着フサイチコンコルド、2着ダンスインザダークで馬連3,420円。

N氏に勝ったか!?

レース後、しばらくの間、放心状態だった。

『これが完璧に読み切るということか・・・』

サイン読みでは味わえない身震いする程の感動。
恐らく、N氏は外しているだろうなと思ったが、次の号では「いつものように」的中となっていた。
数年後に、この日本ダービーの講演会に出ていた方から聞いたが、N氏の覇者指名はサクラスピードオーだったらしい。(あくまで聞いた話)

『やはりウソだったか』

サクラスピードオーの戦歴

当時、サクラスピードオーの戦歴など一切みていなかったが、今みると『なるほど』と思う戦歴馬。
何が不足かも明確に言い切れるが、フサイチコンコルドの対角(逆番)に配置されていたのも納得の戦歴馬と言える。
まあ、N氏もダンスインザダークが絶対の連軸なはずなので、そこから流せばフサイチコンコルドは拾えた可能性はあるが1点で読み切っていないだろう。
当時は、『N氏超え』を一つの目標でやっていたので、この年の日本ダービーに関しては、『N氏に勝った』と確信したのであった。

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