文体模写の模写日記:村上春樹編⑤
雇用主である君が僕に黒染めをさせようとしている事実について、僕は何も興味を持っていなし、何かいう権利もない。歩行者信号の待ち時間を眺めるようにただ見ているだけだ。
勝手にマニュアルとやらを突き立てればいいし、同調圧力に任せてしばらく放っておけばいい。その間、君が何を考えようが自由だ。少なくとも、ピアプレッシャーにより、苦しまざるを得ない自分がそこにいる。望もうと望むまいとにかかわらず。
店長に直接働きかけるよう仕向ければいいし、同僚に陰口を叩かせてもいい。お客の退屈な話に耳を傾けたっていい。それも悪くない選択だ。結局のところ、僕が染めればいいのだ。それ以上でもそれでも以下ない。
ただ、一つだけ言えることがある。
完璧な黒髪は存在しない。完璧なブリーチが存在しないようにね。
村上春樹編はこれで終わりにします。次からはコナン・ドイル編にします。
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