文体模写の模写日記:太宰治編③
宣誓します。宣誓します。私はいつも自分で正直にいながら、周囲と妥協していきます。このままでは、お得意のおべっかを使うこともままなりません。自分を抑圧することに耐えかね、私は日頃思っていることを出鱈目に言いました。
これはダメ。
これは好き。
これは気持ち悪い。
うわっはっは、と私は可笑しくなりました。これは真っ当な人間の言動ではありません。
私は賭けに出て、一番言ってはいけないことを言いました。友人の泣いた顔がありました。
友人は、まず大切にしなければなりません。私に立ちはだかったこの敢然たる事実は、私を謝罪へと向かわせました。
気まずい雰囲気の中で口火を切り、勇気を振り絞って、言葉を紡ぐ。そうれ、俺ならできる。自分で自分を鼓舞しながら、私は謝罪の言葉を告げました。
私に謝罪する資格があるのでしょうか。きっと、あるのです。あるはずなのです。
「許してくれ」
そう思いながら、私は友人に詫びました。
付き合いの長い友人。
都合の良い謝罪をした後で、二人の人間と向き合い言葉を交わす。
友人が吐いた言葉の塊が顔に当たって、
気持ちが通じたのさ。
どうにか、なる。
太宰治編は⑤まで続くと思われます。
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