セミ爆弾のトラウマ
はじめまして。夏ですね、入道雲は好きですが、セミの死骸だけはどうしても苦手な土佐です。
今年はまだ死骸を見ていませんが、思い出しては震えるトラウマがあるで、当時書いた日記を再掲します。
〜〜〜
我が家は森の近くの、七階建ての集合住宅の四階にあって、建物の左右に階段、左のみにエレベーターがあります。
初夏は蜘蛛が大きな巣を作ったりもするのですが、あいつらは飛ばないので、巣に引っかからないように歩けば、虫嫌いの土佐さんも問題ないわけです。
問題は真夏の夜の蝉爆弾です。
あいつらは優れた演技力で死んだふりをしていますが、横を通ろうとした瞬間に、ジジ!!ジジジジジ!!とのたうちまわって、人を驚かせ、嫌がらせしてくるのです。
地上に出てたった一週間の命。とにかく自己顕示欲が凄いわけです。
足を閉じてたら本当に死んでる、と聞きますが、全員足が開いているので足での判断はできません。
裏返っていても関係ありません。
土佐さんは疑心暗鬼になってきてて、羽と体がもげもげの蝉に対しても全力で警戒しています。
今日の出来事をお伝えします。
朝、私は母から、〜号室の横がヤバい、と聞いてその部屋の周辺を警戒しつつ(勿論常に全神経を研ぎ澄まして警戒してる)廊下を歩きました。〜号室を無事通過して、少し気が緩んだところで爆発したので、「うい〜!!」などと叫びながら走ってエレベーターに飛び乗ったわけです。
後から家を出た妹は一つも食らわなかったらしく、「やはり君の叫び声だったか」と涼しい顔をされました。
夜も厳重警戒体制です。
私は今朝の〜号室を通過したあたりで、道のど真ん中に一体堂々と死んだふりをしている輩を発見しました。
しばらく動けず、地団駄を踏んで見たりしても反応がなく、かといって死んでるとも思えず愕然としていました。
すると突然頭に何かがあたり、そいつはジジジジジ!!!と頭上を飛び回ったのです。
もう一体いたのです。
緻密に計算され、よくできた罠でした。
下のやつに意識が集中してるところを、もう一体が攻撃してくるなんて、なんたる不覚。
私は発狂してエレベーターホールまで戻りました。
これでメンタルがボロボロになったわけです。
しばらくしてから、再び意を決して、おずおずと三歩ほど進んだところで、ジジーという音を聞いて、私は(スカートだったにも関わらず)大開脚で後方にすっ飛び転倒しました。
よくよく考えると、ガスのメーターの音だったことに気がつきます。
アメリカ人も驚きのオーバーリアクションでしたが、要はそれほど土佐さんのメンタルがボロボロというわけです。
私はエレベーターホールに戻り、妹にLINEで助けを求めました。
〜号室からお兄さんが出てきてスムーズにエレベーターに乗っておりてゆきました。不思議でなりませんでした。エレベーターホールの隅にも一匹瀕死の蝉がいて時々鳴くのがとても怖かったです。
妹の助言をもとに、五階へ迂回して、反対側の階段を下りて、自分の家に回ることにしました。
五階は綺麗で、一箇所蛍光灯にぶつかりまくる蝉がいる以外、一体もいませんでした。
ぶつかりまくる蝉は、しばらく見てるうちに見失って、いなくなったようなので、…でも突然出てきたりもするので十分に警戒しつつ駆け抜けて反対側の階段まで辿り着きました。
小さい虫にびびって階段から滑り落ちました。
反対側の階段から家までは以前確認した死んだ蝉しかいなかったので、駆け抜けて家に飛び入りました。
二週間程前に、バスを降りる時天井にドゴンと頭をぶつけ、下駄が滑って転倒し足を擦りむいた不運な一日があったのですが、今日もなかなか心身共にやられる日でした。
その時の擦り傷がようやく治ったのに、階段の転倒で再び擦りむいてしまいました。
許すまじ蝉爆弾です。
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