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詩人へのインタビューや往復書簡など。
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2017年9月の記事一覧

森山至貴 x 四元康祐 往復書簡「詩と音楽と社会的現実と」:第四回

森山至貴 x 四元康祐 往復書簡「詩と音楽と社会的現実と」:第四回

vol.7 from Y to M: 

なんだか難しい話になってきたなあ。 

現代詩における詩と散文と、現代音楽における言葉と音楽。それぞれの分離と融解。 

僕は難しく考えるのは詩人の特権で、音楽家はもっと感覚に身を委ねて、それこそ歌うようにおおらかに生きているのかと思っていましたが、どうやら十九世紀的な時代錯誤の誤解だったようです。「旗」のなかに「長7度の擬態」が隠されていたとは! 森山さ

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三宅勇介インタビュー:AIはどこまで詩に近づけるか(その4)

三宅勇介インタビュー:AIはどこまで詩に近づけるか(その4)

四元:三宅さんもRoger Penrose (1931年英国生まれの数学者、宇宙物理学者。量子力学の理論を脳内情報処理の仮説に応用した「量子脳理論」を提唱している)読まれてたんですか!実は僕もいま読んでいるところなんです。昨年の夏、意識の成り立ちについて調べていたら、オーストラリアの哲学者David J. Chalmersという人の The Conscious Mindという本にぶつかり、そこか

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三宅勇介インタビュー:AI編(その3)

三宅勇介インタビュー:AI編(その3)

(前項より続く)

四元:「すべての詩の文章を『引用』で作った自由詩」、もう実際に書かれていますよ。たとえば谷川俊太郎の「日本語のカタログ」。ちまたに氾濫する日本語の断片をカタログ化して並べた作品です。最近の例では山田亮太の『オバマ・グーグル』。表題作はGoogleで「オバマ」を検索した結果表示された上位100件のウェブページからの引用だけでできた40ページ近い長編詩です。この詩集には、ほかにも雑

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