神奈川の七不思議

神奈川県の一部の町には、
古くから伝えられる七不思議がある。

一つは、
そこで寝ると、
天国に行く夢を見れると言われている、
「座標A」

一つは、
代々一族超幸運の持ち主を輩出し、
寝ているだけで巨万の富を築き上げた、
「古井家」

一つは、
食べれば不老不死の肉体を持つことが出来る、
「今色鳥」

などなど、公にはなっていないが
オカルトマニアの間では絶大な支持を得ている
神奈川七不思議だ。

今回フューチャーするのは、
七不思議の一つ、絶対に入れない「お城」だ。

そのお城は森の深い亜浪山の頂上に佇んでいるが、
いつ、誰が建てたのか不明で、
所有者も分かっておらず、謎に包まれている。

そんなお城を面白がり、お城を目指して亜浪山を登るが、行方不明になった人数、
159人。
ヘリで直接頂上に行こうとすると、
途端に操縦が利かなくなり、不時着した数、
12機。

遠目からは目視でき、確実に在るのに
中を見たという人が一人もいないことから、
いつしか七不思議として言い伝えられて来た。

そんな中、一人の男がお城を目指し、歩を進めようとしていた。

その男の名は、「古井 アホウ」 29歳。

彼は偏差値30にも関わらず、
鉛筆の面に番号を割り振り、転がして出た番号を頼りに東大に合格。
宝くじは100発100中で兆という金額を動かす。
高校生の時、100m完走するのに30秒以上かかるも、
県大会で当日アホウ以外の選手が極度の下痢だった為に優勝を飾った。

そう、彼は神奈川七不思議の一つである、
超幸運一家の「古井家」の男だ。

アホウは明日で30歳の誕生日を控えていたが、
何でも思い通りになるつまらない人生に飽き飽きしていた。
20代の最後に何か一発思い出に残せる事をしようと考えて、七不思議の言い伝えを思い出し、
今、亜浪山の麓まで足を伸ばした。

今回はそんな、
七不思議と七不思議が真っ向から立ち向かう、
奇妙な物語である。



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