<こびないナビ> 勤務医が誰にも媚びずに本音で語るCOVID-19 #1-2 5歳から11歳のmRNAワクチンの効果や副反応について教えて下さい。②副反応

次に副反応について見ていきます。(発症予防効果、重症化予防効果については「#1-2 5歳から11歳のmRNAワクチンの効果や副反応について教えて下さい。①」をご覧ください。)

小児科学会HP「5~11歳小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方(*1)」では小児の副反応について以下のように説明されています。

『米国では、2021年11月3日~12月19日までに5~11歳の小児に約870万回のファイザー社製ワクチンが接種され、42,504人が自発的な健康状況調査(v-safe)に登録されました。2回接種後、局所反応が57.5%、全身反応が40.9%に認められ、発熱は1回目接種後7.9%、2回目接種後13.4%に認められました。上記と同期間に、米国の予防接種安全性監視システム(VAERS)には、4,249件の副反応疑い報告がありました。このうち97.6%(4,149件)が非重篤でした。重篤として報告された100件(2.4%) の中で最も多かったのが発熱(29件)でした。11件が心筋炎と判断されましたが、全員が回復しました。5~11歳の小児では16~25歳の人と比べて一般的に接種後の副反応症状の出現頻度は低かったと報告されています。』

VAERS = Vaccine Adverse Event Reporting System(ワクチン有害事象報告システム)は、米国においてのワクチン接種後の安全性を監視するシステムです。医療関係者のみならず、一般市民も自身で報告することができます(*2)。https://vaers.hhs.gov/index.html

v-safeは米国においてwebアンケート等を通じてコロナワクチン接種後の有害事象を監視する、任意登録制のシステムです(*3)。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/safety/vsafe.html

これらの報告は、米国における2021年11月3日~12月19日という短期間のみのものです。そしてこのVAERSは自己申告制のため実数の一部しか報告されていないと考えられ、1%しか反映されていない(*4)とも言われていますがそのことは言及されていません。また、米国の大手保険会社の12〜39歳の2回目接種者(146785人)に対する調査により、心筋心膜炎のリスクは100万人あたり95.4人と、2021年米国諮問委員会に報告された発生率よりも著しく高いと推定され(*5)、つまり心筋炎のリスクが過小評価されている可能性があると報告されています。

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よって、上記の重篤な有害事象の発生率や、約870万接種のうち心筋炎を発症した小児は11人であったとの報告(*6)も、実情を現していない可能性が高いのです。https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/wr/mm705152a1.htm

以下のグラフは2021年11月3日~12月19日にv-safeに登録した42,504人(うち、29,899人が2回目も登録)の計72,403例の接種について報告された有害事象の詳細です。全体の37%に、倦怠感や頭痛、筋肉痛など、何らかの全身性の異常が出現しています。そして、全体の6.1%が日常生活に支障があり、9.1%が学校を欠席したと報告されています(*6)。https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/wr/mm705152a1.htm

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また、厚労省に報告のあった有害事象のデータをまとめた有志の方によるサイト(*7)によると、12-19歳において有害事象はファイザー1167件モデルナ532件、そのうち、因果関係あり、重篤であるものがファイザー221件うち未回復41件)、モデルナ60件うち未回復5件)、接種後死亡はファイザー5件モデルナ1件報告されています(2022.4.21)。こちらは医師による申告ですが、VAERSと同様に実際はこの件数を大幅に上回る有害事象が存在していると考えられます。

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厚労省に報告されていない具体例としては、接種後、半年以上学校に行くことができておらず、慢性疲労症候群と診断された10代の方がいるそうです。原発性副腎不全パターンでしたが、副腎腫瘍、副腎結核等他疾患否定的であり、ワクチンによる影響も疑われました。最初の担当医師はワクチンの影響である可能性も十分に考えていましたが、副反応報告はされていませんでした。国が救済に積極的になれば、報告を検討するということだったそうです。

また、接種後に胸部の痛みや重苦しさが続いていた30代男性が、自身ではワクチンの副反応を疑ってはいたものの、そのうち良くなるだろうと、日常生活を送りながら様子を見ていたところ、1ヶ月後、運動時に意識消失して倒れ、それでも医療機関を受診することなく経過を見ていたという例もあります。

mRNAワクチン接種後に体調不良をきたしていても、副反応を軽視する社会の空気のために我慢してしまったり、医療機関を受診しても「異常ない」「気持ちの問題」とされ、必要な医療を受けることができていない方が多くいることを、私達は日常の診療の中で感じています。

接種後短期間の有害事象は、報告されているだけでも無視することのできない数である上、これまで考えられ、解説されてきたよりも多く存在することが考えられます。また、中長期の影響については、使い始めたばかりなのですからわかるはずもありません。小児科学会でも、『より詳細なデータが出た時点で、接種に対する考え方について随時検討する予定です。(*1)』と、まだ検討段階であると最後に述べています。

明らかに有効性が低くなってきている武漢型mRNAワクチンを、重症化予防のために重症化しない小児に対して接種することの意義はきわめて小さく、接種によって得られるベネフィットよりも前述のような接種のリスクの方が大きく上回ると考えられるのではないでしょうか。

岸田総理も「本人と保護者が有効性と安全性を理解して希望する場合に接種するのが何よりも重要」との見解を述べられています。国が勧めているのではなく、あくまで「保護者の希望」であり、国は接種できる環境を準備しているだけという気持ちが溢れています。

国も学会も、責任をとるつもりのある発言は一切していません。子供達へ接種するかどうかの決断を迫られているのは保護者の方です。厚労省も「研究結果は様々」であると言っています。保護者の選択を尊重するのであれば、保護者が賛否両論理解した上で選択すべき問題です。今後、様々な視点から私達の見解を示していく予定ですので、理解の一助になればと思います。

(*1)5~11歳小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方(2022年3月28日改訂)、(*2)VAERS = Vaccine Adverse Event Reporting System(ワクチン有害事象報告システム)、(*3)v-safe、(*4)Electronic Support for Public Health–Vaccine Adverse Event Reporting System (ESP:VAERS)、(*5)Pharmacoepidemiol Drug Saf.2022;1–5.、(*6)MMVR Weekly / December 31, 2021 / 70(5152);1755–1760、(*7)コロナワクチン副反応データベース検索


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