国境を超える中国Z世代の可能性
中国清朝末期の政治家である梁啓超の散文に登場した一部の内容に「少年強則国強 (子どもが優れていれば、国も優れる)」という言葉が中国で広く知られています。
5月上旬にBilibiliが手掛けた動画「後浪」がウェブで約180万回いいね、21万回シェアの数字で拡散されてました。Bilibiliのユーザー平均年齢は18歳〜22歳で、「後浪」はその若者たちのことを指します。中国では「長江の後浪は前浪を推す」ということわざがあります。若者の力を小さくみてはならないということです。今回のコロナウィルスでは前線で戦っている医療従事者も90後、95後の若者ばかりでした。この動画はまさに中国若者のこれからの可能性を世界へ伝えていると思います。
中国ではミレニアム世代のことを80後(1980年〜1989年生まれ)、90後(1990年〜1999年)と呼んでいます。80年代から改革開放を実施してから、著しく変化してきた社会の中で生まれた子供たちをさらに世代のジェネレーションを分けています。
ジェネレーションとは、時代によって、その時の環境や文化の下で生まれた価値観による行動と考え方の違いだというのが私の考えです。
下記のデータを見ると、年代別で違う時代に生まれている人はそれぞれの当時の社会影響を受け、消費動向も違っていることがわかります。
今の中国では一番の消費者層は30歳〜35歳の85後と90後ですが、Z世代も著しく成長しています。短期的な目標として、消費力の中心である85後と90後以外に、長期的に考えると多くの企業やブランドがZ世代へフォーカスしはじめています。
Z世代は中国全国の13%、10年後は消費比率世界の33%となる見込みであり、中国ではすでに消費比率が33%となっています。では、Z世代はどういったものを好んでいて、刺さるポイントはどこでしょうか?今回は彼らの成長背景を見ながら、解説していきたいと思います。
中国のZ世代(1995年〜2009年生まれ)の人口数はは約2.6億人です。1998年からインターネットの急成長と中国「改革開放」政策による中国社会経済急成長の下で生まれている彼らはインターネットの「原住民」と呼ばれています。小さい頃からウェブ依存しているため、多くのZ世代はオタクと言われています。
「個人の特徴が鮮明化されていて、独立しているけど、孤独ではない、娯楽を最高な人生追求として生きる!」というのが生き方をしています。
オタクとはいえ、彼らはただ単に自分の世界を生きることではなく、ウェブで自己表現の場を探し、最高な人生を追求しているのです。
自分の興味のあることに集中し、実際の友達との交流より、ネット上での交流、あるいはSNSアカウントのフォロワーとのコミニュケーションが多く、さらに自己の特別感を求めるために、自己表現の場として披露していき、その価値観を見ず知らずの人に共有し、自己承認を得られ、さらにその価値感を共感できるネット友と集まり、コミュニティーを作っていきます。彼らは特有の自己主張の方法で世界とコミニュケーションをとっています。
また、インターネットが普及している中で大人になっているZ世代は大量な情報量をハイスピードで受け入れられている一方、選択肢が多いことで新しいものを試したい傾向であり、飽きっぽい特徴もある一方、商品の選択肢が多いからこそ、特別感を出していくこいとが自己主張のポイントです。つまり、限定品やコラボ商品に非常に弱い世代となっています。
小さい頃から海外への渡航が多くなっている中国の子供たちは小さい頃から海外文化に多く接している中、多文化の影響が多く、また中国の発展とともに、中国市場を狙っている国内外の商品が中国市場に集まり、商品の選択肢が多いほど、常に新商品を試したいという商品移りしやすい世代となっています。
それに、Z世代は中国ひとりっ子政策の中に生まれています。中国のGDP成長により、自由に消費できるお金が多くなっている関係で、親から受けられる金銭面の支援もミレニアム世代より多くなっています。つまり、給料≠消費できる所得。また、持ち家が多いため、ひとり暮らしでも、親が持っている家に住んでいる場合があるので、給料=使えるお金の場合が多いです。
上記に伸べた内容をまとめると、複雑な社会環境で成長してきたZ世代はミレニアム世代と違って、わかりやすいブランドよりダイバーシティとインクルージョンをもった個人化としている商品に興味を持っていることがわかります。つまり、商品本来の役割以外に刺さるストーリーの訴求ポイントが重要になってきます。
まとめると
1,細かい市場分析--インターネット商業化の中で、商品、ブランドへの接触方法が多く、国境を超えた交流が増えています。
ここでは、通常の市場分析、あるいは地域、年齢、購買動機などの分析だとターゲットとなる消費者を見つけることができない。価値観、体験談からさらに好きなアイドルから細かく分析してくことが必要。
また、飽きっぽい彼らに対し、定期的に振り替え、細分化を更新していく。
2,特別さを強調する--特別な体験、オーダーメイド式な商品を求めます。
商品の市場価値を決め、”唯一無二”を作る。商品の唯一性をどう伝えるを考える。
3,体験から商品の価値を感じてもらう--店舗体験の上、どう体験を業務のコアに融合していくかを考えます。
買い物を何かしらの体験にシフトしていき、消費者との連動を増やしていく。(ポップアップや異業種の融合など)
4,消費者コミュニティー--SNSによる”友達”また有名人に影響されやすいです。
ウェブプラットフォームを利用し、大きく宣伝活動を行い、フォロワーを集めていきます。さらに消費者向けに交流できる場(コミュニティーや話題)を作っていく
5,SNSの影響--家庭の影響より、同世代かの間でお互いに真似し合い、影響を与えています。
SNS上のフォロワーの基数がとても大事なポイントです。SNS上のフォロワー連動、オンライン・オフラインの連動、またP2Pマーケティング戦略による消費者自主的な推薦行動に繋がっていくことが最も重要である。
6,社会貢献によるブランドイメージの良好化−−宣伝の内容の真実さ、また企業の社会信頼度が消費者の購入意欲に繋がります。
Z世代はブランドへの要求が高いため、企業のサプライヤーがさらに雇用制度などについて調べることも多く、その結果によってブランドへの忠誠度が変わってきます。ブランドが大きいければ大きいほどブランドの理念や価値観を社員まで浸透し、長期的にブランドイメージを作っていくことがポイント。
7,明確なブランドストーリー−−差別化をはかるために、ブランド自身の市場の立場とポジションニングが明確していくことが必要です。
明確な主旨を決め、内部と外部からブランドストーリーを広く物語っていく方法を考えていく。
情報の多い時代だからこそ、マーケティングの難しさと重要さを認識しなければなりません。ダイバーシティとインクルージョンを考えながら消費者へ正しい情報を発信し、ブランド本来である価値観を共有していただけることが一番の近道だと思います。
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