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JPB夜間動物病院を設立した理由

会社概要

JPB株式会社 代表取締役の張本和貴です。
このJPB Readers Boardでは、社内の新しい取り組みやペット業界の問題点、社内戦略などを公開することでJPB社内だけではなく、これから獣医さん、看護師を目指す学生さんや今悩みがある方の成長のヒントになればと思い投稿しております。


JPB夜間動物病院とは

JPB夜間動物病院のサービスを開始したのは、2021年8月からとなり、約3年が経過しています。
このサービスは地域医療格差を無くすための戦略であり、現在は千葉県の3地点で行われております。
このサービスの最大の特徴は、お昼に運営している動物病院を夜に借りるというサービスです。
夜間時間帯に医療格差が出てしまうのは容易に想像できると思います。
その場所場所に夜間専門動物病院を立てていってしまうと、ただでさえ少ない経営資源が枯渇してしまいます。
だけど、この問題を正確に迅速に解決したい。
この想いがJPB夜間動物病院を発足させました。

新しいサービスを創る時に意識すること

どのサービスを開始するときも、
動機⇒動力⇒動作の順で考えるようにしています。
これは、以前老犬ホーム設立の記事でもあるような、
目的⇒戦略⇒戦術の考え方に似ています。

・動作
なんの為にやるのか
・動力
どういう仕組みで行うのか
・動作
どうやってやるのか
この順番で考えると、考える時間が極端にすっきりしますのでお勧めです。

肌感覚で感じた地域医療格差

私自身2018年から分院長として、臨床獣医師を行っていました。
スタートは獣医師1人、スタッフ3人と小規模病院でした。
それでも休みの日は入院管理や勉強と休んだ記憶はありませんでした。
出来る事は提供し、出来ないことは人が多い中核病院や2次診療施設へ紹介していました。
そんな中、夜間の時間帯に体調を崩す患者様が多く、その多くが夜間病院に到着するまでの車の2時間弱の間に息を引き取ってしまっていました。。
この時私は、『なんて弱いんだ』『ここまで時間を使って向き合っても救う事はできない』と心が折れる音が聞こえてきたことを覚えています。
ここで悩みの森に入った私は、
・一人で24時間やろう
・夜中見てくれる獣医師を採用すればよい
そんな戦術、動作ばかり考える日々でした。
これは昔から私のルーティンですが、『考える』ではなく『悩む』ことをしてしまった場合、本を10冊程読むことにしています。
そうすると解決の糸口が見えてくるのです。

この時に、動機⇒動力⇒動作という言葉に出会い、それから大切にしています。

夜間動物病院を成立させる仕組みづくり

動機は十分『地域医療格差を無くす』、動作も考えまくっている。
私に必要なのは、動力(仕組み)作りでした。
6大経営資源というものがあり、経営資源というと難しく聞こえますが、『リソース』という言葉が聞きなじみある方がいるかもしれません。
その6つが『ヒト・モノ・カネ・時間・情報・知的財産』です。
なぜ、動力(仕組み)や戦略が必要かというと、
どの会社も『常に経営資源は足りないから』です。
カネもヒトもモノも無限にあれば、戦略なんていちいち考えなくで、全軍突撃で勝利することができるでしょう。
しかし限られた経営資源を勝つために十分な量を適切に投下するために、戦略というものは必要不可欠になるのです。
その制約の中私が考えた戦略、動力(仕組み)が
・昼に営業している動物病院に対して賃料を支払い夜間動物病院として営業する
・そこで働く勤務と業務委託契約を結び、診療代金の%を高報酬として渡す
ということでした。
これであれば、経営資源をあまりかけず、『夜間行くのにに2時間もかけなくて済む』『地域医療格差を無くす』という目的に近づくことができると考えました。
本部の役割は電話のカスタマーサポートを置き、トリアージして、提携先病院に連絡、決裁システムを導入するというサービスを展開することができました。
3年の間に7000件以上の救急疾患を診察してきました。
この数字は一人では絶対に達成できなかったですし、その中でも救えなかった患者さんもいます。
これからどういう仕組みをアップデートしていくのか。
日本全国に『地域医療格差を無くす』仕組みはどうするのか。
が私の課題だと思っています。


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