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七草にちかには才能が無い! #STIO2022 発表資料


アイマスのお話を15分間プレゼンする「アイマス学会」、今回はオンラインで「#STIO2022」として行われました。そこに参加してきましたので、その発表資料と台本を提示させて頂きます。
今回はそちらの関する記事です。動画はこちらから!


初めましてシャニマスでは風野灯織、七草にちか担当プロデューサーのJ@Qと申します、今回は「七草にちかは本当に『才能』は無いんですか???」という内容でお話をさせて頂きます。


本日のポイントはこちらです。それでは話していきます。

まず、才能とは一体何を指すのでしょうか?調べた結果、このような結果が出ました。「物事を巧みになしうる生まれつきの能力。」ですね。今回はこちらの意味を「才能」という言葉の定義とさせて頂きます。

さて、定義も終わった所で今日のお話の結論を早速出すのですが、「七草にちかには『才能』は無い」と断言させて頂きます。色んな意見があると思いますが、私が行きついた結論はこれです。そうしましたら、今回の発表はこちらについて詳しくお話します。

まず、七草にちかのプロフィールです。
歳は16歳で高校生、普段からアイドルが好きでその知識を活かしてタワーレコードのようなCD販売ショップにてアルバイトをしています。家族構成として、姉は事務員の七草はづきさん、父は亡くなり母は病院で療養中、その他祖父や祖母、伯父が家にいた時があったそうですが今は居ないという事が明かされています。
そんな訳で姉と二人暮らしの七草家は家事を分担しているためににちかも料理などの家事が得意になっています。しかし、アイドルになりたいと考えた彼女は姉から交換条件としてW.I.N.G.での優勝を突き付けられ・・・!というのが彼女の基本プロフィールです。

そんなにちかは何故アイドルを目指したのかといえば、20年前に現在283プロダクションの社長である天井努がプロデュースしており、突然の失踪という形で電撃的な引退をした「八雲なみ」という伝説のアイドルへの憧れがきっかけとなっています。
彼女に対する思いは相当なもので、周りが20年前の伝説として彼女の事を忘れかけている中でもダンスレッスンで彼女のステップをマネするくらいの入れ込みようです。
しかし、憧れだけではアイドルになる事の了承を姉から得られず反対されてしまいます。
結果、追い込まれた彼女は脅迫という手段を選びました。この辺りの話はアイドルの過去を描くS.T.E.P編で補完が入りそうですが、16歳という年齢はある程度の自由がある高校生でありつつ、受験や就職が遠い為にいいタイミングでありラストチャンスでもあると彼女は考えてアタックしたのでは無いでしょうか?


さて、にちかは結果としてアイドル研修生として合格を勝ち取りますが、本人は事あるごとに自信の無さを露呈し、加えてアイドルとしてのスタイルを八雲なみへ依存するようになります。
こちらの台詞は実際にオーディションを勝ち取った際の台詞ですが、自分のスタイルよりもなみちゃんのスタイルをマネをすることを意識しているのが分かります。勿論、目標にする事は素晴らしい取り組みですが、伝説である八雲なみに対する憧れが強いからこそ、自分がアイドルとしてやれるという自信は無く、自分のスタイルよりも彼女をコピーするような振舞いになってしまう、というのがW.I.N.G.編での彼女の最も大きな問題でしょう。

ここでシャニPがにちかをプロデュースするにあたっての目標と課題を整理しましょう。
まず一つは、はづきさんとの約束である「優勝」を勝ち取る事。二つ目は「にちかがアイドルを続ける事」。そして最後に「七草にちかを取り戻す事」です。
彼女は一つ目の目標である優勝に向かって勝ち上がりますが、何度も言うように、にちか自身がなみちゃんのマネで勝ち上がっている事を見れば、今のままでは七草にちか自身がアイドルとして歩んでいるとは言えないでしょう。

では、他の誰でもない七草にちか自身がアイドルとして進むためにどうするべきかシャニPが考えた結果、優勝できず、例え短い期間で引退してしまっても、にちかがアイドルであった時間を覚えていられるようなプロデュースをする事を決断します。
この辺りは結果を優先した天井社長によるなみちゃんのプロデュースと、シャニPのアイドル個人の輝きを磨くことを優先するプロデュースの対比構造がハッキリしていると感じます。

さて、話は戻りましてにちかの特性の話をしていこうと思います。
先程から話していた取り戻したい「七草にちか」の本質は何処にあるのでしょうか?私は殊勝な献身性と努力だと思います。この二つを統合すれば「頑張り屋」という言葉になって非常に平凡な様に感じますが、この彼女の特性はすさまじいものです。
シャニPと初めて会った時に平凡と評されたダンスが、憧れたアイドルと同じステップを踏めるようになるまで成長したのはただただダンスレッスンをこなした結果のみではなく、彼女の知識を活かしたアイドル研究の賜物でもあります。
それ以外にも必要に駆られれば家事をこなしバイトをこなし、この「必要だと感じたものに対してガムシャラに取り組む努力」こそが彼女の特筆すべき点だと感じます。このように物凄い事をしているのですが、この凄さを彼女は自覚していません。
その理由としては①優秀過ぎる姉がいる事、②本人が「自分に出来ることは誰でもできる」と思ってしまっている事、③何かが足らない自分が「頑張る」事は当然で、むしろ何かしなければ何も得られない と考えているからではないでしょうか。

そうして努力の結果、にちかは優勝を勝ち取ります。しかし、アイドルに取り組む事の緊張はすさまじいもので、決勝が終わった後には自分で息が出来なくなるほどでした。
その後、ゆうひの丘で自らを振り返る際になみちゃんの曲の歌詞を思い返します。自らを連れて行く靴という歌詞に疑念を抱きつつ自分に言い聞かせるような歌詞が、不安に駆られながらなみちゃんに頼ったにちかの姿に重なります。
やり遂げた結果、見えてきたのはなみちゃんの苦悩と自らの境遇に対する感傷でした。

ここまでが七草にちかのW.I.N.G.に対する私の見解になります。この話をしなければにちかの話が難しかったために、長い説明をご了承いただければ幸いです。

では、ここからは結論フェイズに入っていきます。

まず姉の七草はづきに関する話です。
なぜ彼女は「優勝」をアイドルの続ける条件としたのでしょうか?
私が考えるのは一つ目に厳しい条件で諦めを付けさせる事と、二つ目に敢えて突き放して姉としての情けをかけているような意識をさせない事、そして三つ目ににちかに火を点ける事です。
諦めを付けさせるというのは、はづきさんが事務員としてアイドルの厳しさを見ている存在であるからこそ、挑戦させてきっぱりと諦めがつく形にさせようとしているのではないかと考えます。
次に突き放すという点ですが、にちかは察する力が良くも悪くも強く、仮に「優勝しなくても良いよ」なんて言葉を言えば「思い出作りで頑張りな」という意味に捉えられかねない危険性があると私は考えます。
最後に火を点けるというのは、にちかが目的意識が無い限り少し自堕落になってしまう所がある、というのを理解しているからではないかと考えています。「一億回目くらいの、その夏」というカードで描写される夏休みのにちかの過ごし方を見る限り、目的に対してコツコツタイプ、というよりはやる気がある時に一気に頑張るタイプである事が分かります。厳しく、しかしどこかでにちかの本気を引き出して挑戦させる姉の期待が伺えます。

次にシャニP、こちらは先程まで多くを話したので詳細は省きますが、敢えて言えば今回のにちかのプロデュースに関して小さな成功を一つ一つ積ませることを自信に繋げているのではないか、と考えています。テレビ出演後のコミュから分かる通り例えにちかが大きな達成感を感じているものでは無くてもしっかりと褒める事で次の仕事の自信へと繋げようとしている事が伺えます。自分を信じていないからこそ、成功体験を重ねる事で否が応でも「自分ってダメダメだけど実績はついてきているし、案外やれてるのでは?」と考えられる方向へ関心を向けさせようとしているプロデュースに私は頭が上がりません。

そして最後になみちゃんです。
敢えて言いますが、にちかが見ているなみちゃんは動画の中の存在です。つまり綺麗でカッコいい憧れのなみちゃんの姿しか見えていません。レッスンで苦しんでいる姿や彼女がどういったプライベートでの生活をしていたのかは明らかになっていません。
彼女が本当はどんな気持ちでアイドルを続けていたのか、いずれ本人の口や天井社長から明かされる事はあるのでしょうか?にちかの思っているなみちゃんの才能は本当に才能だったのでしょうか?いつかなみちゃんがにちかを見て何を思うのか話を聞いてみたいものです。

それではまとめに入ります。
私がここまで話した七草にちか像をまとめます。
・努力家である
・必要に駆られればどんな事もする
・理想が高く、自分を認められない
・自分が出来ることは全く自慢しない
・自らのスタイルを見つけていない
こんな所でしょうか。

さて、私は改めて七草にちかに「才能が無い」と考えます。
というのも、七草にちかは努力と根性で全てを身に着けてきました。これを産まれてから身についていたものと位置づけるのは、私は彼女に失礼ではないか、と考えたからです。彼女の努力で身に着けた実力、結果、そして評判と仲間は決して彼女が生まれついて身に着けていたものではありません。様々なものに必死に抗い、苦しみ、乗り越えて手に入れた実力です。
私はこれが才能なんかよりも、よっぽど価値があるように思えます。あとは彼女がその素晴らしさを認識出来るような大きなステージで結果を残してもらうだけです。
何が言いたいか、と言えば、彼女の努力を私はより多くの皆さんから褒めてあげて欲しいのです。本人がそれを望んでいなくても、彼女は褒められるべき存在です、私はもっともっと彼女に自信を持って欲しいのです。何より、自分が好きな人が自分を認めていない事が一番寂しいですから。

さて、ここまでの話は殆どW.I.N.G.の話に終始しています。にちかが加入する前のはづきさんとの姉妹の絆の物語、大事なパートナーである緋田美琴さんとの調和の物語、ライバルにあたる斑鳩ルカさんへの挑戦の物語、そして彼女が大きな自信を得るまでの物語には今日の話では全く足りません。貴方も七草にちかを共にプロデュースして、貴方自身の七草にちかのスタイルを探してみませんか?今後はそういった話で共に盛り上がる事が出来れば幸いです。

最後に、改めて七草にちかの頑張りを是非褒めてあげてください。最初は嫌がるかもですが、照れ隠しが下手な所も可愛いですから。ご清聴ありがとうございました。


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