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ハーグ市立美術館(2021年9月16日)

ICOMメンバーになったので早速、美術館へ!と思っていたのですが、学校がはじまりバタバタ。ようやく少し落ち着いたので、ハーグ市立美術館Kunstmuseum Den Haag)に行ってきました!今日は授業が休みでゆっくり時間をとって美術館に行くことができるので、大きな美術館に行くことにしました!

オンラインで予約をするとメールでEチケットがもらえるので受付でみせるだけ!荷物をロッカーに預けて展示へ向かいます!

ハーグ市立美術館は基本的に写真撮影OKなので、写真撮影が好きな方も安心して撮影できます。詳細は美術館のウェブサイトで確認できます。(ウェブサイトは英語とオランダ語のみの表示です。)

【ハーグ市立美術館について】

まず最初に、ハーグ市立美術館についてざっくり要点を絞って紹介します。

ハーグ市立美術館は近代美術館でオランダの建築家ヘンドリク・ペトルス・ベルラーへ (Hendrik Petrus Berlage)によってデザインされ、1935に完成された建物です。*美術館の建築に関するストーリーや背景を紹介する企画展 ' A Dream of a Museum' も2021年11月7日まで開催されています。

オランダ出身の画家ピエト・モンドリアン(Piet Mondrian)の多くの作品が保管・展示されています。中でも有名なのが彼の最後の作品であるVictory Boogie Woogie(1944)です。他にも睡蓮で有名な印象派のクロード・モネ(Claude Monet)、抽象絵画が有名なワシリー・カンディンスキー(Vassily Kandinsky)、大胆で奇妙な作品で有名な20世紀の画家フランシス・ベーコン(Francis Bacon)の作品なども展示されています。

【私が勝手におすすめする常設展示の見どころ】

おそらく常設展示の見どころは超有名作品だとモンドリアンやモネゴッホなどかと思いますが、せっかくなので、私が個人的にゾクゾクした(知られすぎていない)2作品を紹介します。*写真は著作権等の都合上載せられませんがリンクを貼っておいたので開いてみてください!

フォルケアート・デ・ヨング(Folkert de Jong) の Doctrine of Salvation (2015) *写真はこちらです

この作品には奇妙な生活感と実験室のような緊張感がありどんな人がいたのかを想像するととても興奮しました。The presence of absence (不在の存在)というのはとても面白いもので、誰もいないこの部屋そのものが誰かがいた痕跡であるということが想像力を掻き立ててくれます。また、小学生の時にとっとこハム太郎と約20匹の仲間達の指人形を彼らの家ではなく家をひっくり返したところにあるマス目に1匹ずつ住まわせて、姉と共に監視したりたまに餌をやったりしていたことを思い出し、鳥肌が立ちました笑

ルイーズ・ブルジョワ(Louise Bourgeois) のCell XXVI (2003)      *写真はこちらです

彼女は巨大なクモの像 ’ママン’ が有名で、ハーグ市立美術館にも六本木ヒルズタワーにもソウルにもオタワにもニューヨークにも世界中にいます。Cell XXVI では細胞はあらゆるものが配置された檻のようなものであり、細胞を覗き込むことは記憶や内部の空間に入ることであると説明されていました。私自身は最近、心理学の授業で生物を久しぶりに学びましたが、このスパイラルがDNAの二重らせん構造のように見えました。この染色体が鏡に反射して複製されたようにも見えました。檻の中にあるモノは遺伝子の個性でしょうか。作品の説明は読みすぎずにまず勝手に解釈すると、「解釈している自分」に気がつける気がしてとても面白いです。


【本日訪れた展覧会】

現在開催中の展示で私が今日訪れたのは

CoBrA and Chaissac(2021年 9月19日まで開催)

フランスのアウトサイダーアーティストであり素朴で無邪気な作風が特徴のガストン・シェイサック(Gaston Chaissac)と芸術運動、コブラ(CoBrA)の展示です。CoBrAはメンバーの活動の中心地であるコペンハーゲン(Copenhagen)、ブリュッセル(Brussels)、アムステルダム(Amsterdam)の頭文字をとって名付けられました。ざっくり日本語のウィキペディアがあるので気になれば見てみてください!

シェイサックとCoBrAのアーティストたちは実際に会ったことはなかったものの第二次世界大戦後の世界でヨーロッパで、それまでの写実主義や古典主義を捨て、自由で活気のあるアート・戦後の社会を目指すという点で共通していました。いわゆる「原始美術」からもインスピレーションを得ており、私はJan Roëdeの洞窟壁画に鼓舞された作品 Compositie met dieren (Composition with Animals, 1952)が好きでした。当時は最初に洞窟壁画が発見された頃で、みんな感動して関連した作品も多かったそうです。

Bas van Beek (2021年 10月24日まで開催)

デザイン大国のオランダではDroog を筆頭にコンテプチュアルでユニークなオランダデザインの価値が世界的に認められてきました。中でもヘラ・ヨンゲリウスKLMやUNのラウンジのデザインで有名です。そんなオランダで既存のデザインを模倣し、新たな意味や可能性を探求するのがBas van Beekです。彼の革新的で挑発的な態度が作品からも感じられます。また、地下一階の採光のいい展示室に飾られた作品は光を反射して輝きを放っていました。今週は天気がいいのでとても美しかったです。

【ハーグ市立美術館をもっと楽しむために】

この美術館の素晴らしい点は膨大な数のコレクションだけではありません

・ケータイのアプリを入れると音声ガイド無料で聴ける!*ガイドは英語とオランダ語のみ対応していますが、電話のように作品の番号をアプリに入力して耳に当てると音声ガイドが始まります!

この機能はコロナ禍でも作品を家で楽しめるようにと新しく追加されたそうですが、美術館が再び開館した現在はこれをもって作品を鑑賞しながらガイドを聞くことができます

現在、音声ガイドツアーが適応されているのは以下の2種類の展示です。

Discover the modern
Mondrian & De Stijl

ぜひ、美術館を訪れる前にインストールしてみてください!日本在住の方もこのガイドアプリでおうちからハーグ市立美術館の主要展示が楽しめますよ!

所要時間

2時間〜2時間30分

かなり大規模な博物館ですので、全部まわるには正直、4時間あっても足りません。私の場合、2時間で体力と集中力に限界が来るので、私基準で2時間〜2時間30分としました。

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