ウール用の毛が自然に抜けない羊 メリノ種の羊


これがシュレックだ。彼はニュージーランドの南島に住む、ごく普通のメリノ種の羊だった。飼い主のジョン・ペリアンによって発見されるまでの6年間、彼は自力で生きてきた。聖書に登場する生き物のようだった。

北米のビッグホーンシープのように自然に毛が抜ける羊もいるが、メリノ種の羊は決して毛が抜けない。メリノ種の羊の毛は、羊を完全に包み込むまで伸び続け、羊の視覚を損なうことさえある(いわゆる "ウールブラインド")。家畜化された羊は、何千年もの間、人間が羊の毛づくろいをすることによって進化してきた。羊の家畜化は紀元前11,000年の古代メソポタミアまでさかのぼる。

6年間ヒゲを剃らなかったシュレックの体には、大男用のスーツ20着分の羊毛があった。シュレックの羊毛の重さは60キロにもなった。シュレックのフリースは、全国放送のテレビ番組で剃られ、オークションにかけられ、子供たちの医療チャリティーに使われた。シュレックは首相にも会うことができ、それ以来、いくつかの絵本にも描かれている。残念なことに、シュレックは2011年に16歳でこの世を去った。