かつてのビデオレンタル業はなぜ儲かったのか

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廃墟と化したブロックバスター、場所は不明。約20年間、ブロックバスター(Blockbuster LLC アメリカで創業したビデオレンタルチェーン。日本にもあった。後Geoに売却)は金曜日の夜になると世界中の家族連れが訪れる場所だった。最盛期には約9,000店舗を展開し、その勢いはとどまるところを知らないように思われた。しかし、2010年までにブロックバスターは倒産した。では、何がこのビデオレンタル大手の没落につながったのだろうか?

1997年、後にネットフリックスを創業することになるリード・ヘイスティングスは、極めて重要な瞬間を経験した。彼は『アポロ13』を返却するために映画店を訪れ、40ドルという高額な延滞料を叩きつけられたのだ。この悔しい出来事が、ネットフリックスのアイデアの一部となった。ネットフリックスがまだ黎明期だった2000年までに、ヘイスティングスはブロックバスターのジョン・アンティコCEOに提携を持ちかけた。コンセプトは単純だった:ネットフリックスがオンラインでブロックバスターのブランドを管理し、ブロックバスターが実店舗でネットフリックスを宣伝するというものだった。しかし、この提案は役員室で笑いに包まれた。

それから10年後、ブロックバスターは姿を消し、ネットフリックスは2000億ドルを超える巨大企業に成長していた。アンティコの決断を疑いたくもなるが、状況は見た目以上に複雑だった。アンティコは非常に有能な経営者であり、在任中にブロックバスターの収益を倍増させた。ヘイスティングスが来日した当時、ブロックバスターは数千の小売店舗、数百万の顧客、多額のマーケティング予算、効率的な運営を誇り、業界の覇権を握っていた。対照的に、ネットフリックスはマイナーな存在だった。

しかし、ブロックバスターのビジネスモデルの決定的な弱点が水面下に潜んでいた。ブロックバスターは世界中の店舗で延滞料金から多額の利益を得ていたが、この慣行が同社のアキレス腱となる。一方、ネットフリックスは店舗を必要とせず、コストを削減し、より幅広い品揃えを提供できる。顧客はレンタルの代わりに加入し、延滞料や返品を気にすることなく、好きなだけビデオを楽しむことができる。アンティコとブロックバスターがこのことに気づいたときには、彼らの運命を覆すには遅すぎた。

(返却を忘れて延滞金を払うのは私だけでなかった)