イヌイットのスノーゴーグル(遮光器)

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何千年もの間、北極圏のイヌイットやユピックの人々は、セイウチの象牙やカリブーの角、流木などで作られた伝統的なスノーゴーグルを使ってきた。

狭いスリットは眼精疲労を軽減し、雪による失明を防ぐのに役立っていた。現代のスノーゴーグルと違って、曇ることもない。しかし、視界の範囲は限られているため、着用者は周辺視野を失い、雪の中で足を踏み入れる場所に注意しなければならなかった。

現代のスノーゴーグルの最初の原型が発明されたのは、フレンチアルプスで水晶を採取していたヨーロッパ人による1888年のことだった。スコットランドの登山家ハロルド・レーバーンは、このゴーグルを使用しないと、雪による失明の恐ろしさを警告した。
「...日焼けと同様、霧は直射日光を遮っても紫外線を止めるものではなく、紫外線の化学作用は障害を起こす。何らかの原因で予防措置がとられなかった場合、軽症であれ重症であれ、雪盲(せつもう)になる可能性がある。」

雪盲: 雪面から反射された太陽の紫外線が目に入っておこる障害で、雪眼炎、雪目(ゆきめ)などともよばれる。 太陽光線のなかで紫外線は、人間の目に光としては感覚されないが、強い化学作用をもつ。 晴天の雪原で反射された紫外線を目に受けると、6~8時間の潜伏期を経て激しい痛みがおこり、まぶしくて涙が出る。

レーバーンはさらに、雪盲を「非常につらい苦しみ」と表現している。数日間は暗い部屋に閉じこもっていなければならない。永久的な失明には至らないようだ。痛みがひどいときは、コカインの希釈液を数滴垂らすと痛みが和らぐことがある」。

(青森県つがる市(旧木造町亀ヶ岡)から発掘された遺跡「遮光器土偶」の名前の由来)
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