痩せると決めたら痩せるのだ

私の本職はコラムニストなのだが、北海道に行って友達を救急車に乗せたり、街中で走る救急車を見るたびに倒れた友達のことを思い出したり、倒れた時に安心なように飲み会の前に先立って救急車を予約したりと、救急車ざんまいな毎日を送っていたらコラムのことなどすっかり忘れてしまった。
そんな中、ふとネット上である文章を見つけ、その文才に大いに感動し、感動しすぎて救急車を呼んでいると、その作者が自分自身であることが発覚し、この才能を119プッシュのみに腐らせてはならないと強く決心、そのままmacbook air の前に向かっているのである。

ここからが本題であるが、私は幾分か太ってしまった。もともと私はかなりの痩せ型で、大学1年時までは本当に骨の塊のような人間であった。あまりの細さに、マツキヨの前で立っていると私をビニール傘と間違えた人間が私をレジへ連れていき、500円で購入したという過去がある。私のどこにバーコードがついていたのかは甚だ疑問だし、500円で売られるのは強い憤りを感じたし、この話は真っ赤な嘘なのであるが、とにかく私は細かった。「地球は青く、俺は細かった」というガリガリガガーリンこと私の名言は今でも世界史Bの教科書に細々としたポップ体で残っている。

しかし、大学2年、あの悪しきコロナウイルスのせいで外出が一切できなくなり家での引きこもりを強いられた私は自宅での暴飲暴食に明け暮れた。Ubereatsや出前館を駆使し、私の家を先頭にした原付とチャリの渋滞25キロほどを引き起こしたり、国土交通省に反省の手紙を書いて出さずに食べたりしていたところ体重が80キロ手前になっていた。80キロなんぞ一般道で出していたら道路交通法違反で逮捕されてしまうし、私みたいな元ガリガリが80キロに到達したら「あんまそんな一気に太ったら周りもびっくりしちゃうし体にも悪いからやめといた方がいいですよ法」に抵触し逮捕されてしまう。こんな法律は現存するか微妙なラインだが東大生である私がいうには間違いない。私が法であり私がローマ法王である。
まあ「君は180センチくらいあるからそれくらいの体重どうってことないよ」などという優しい人が時たまいるが、それは優しさではなく私を醜い豚の姿に留めておくスーパーデンジャラス悪魔なのである。そんなの言い換えてみれば「君はちんちんが大きいから別にボッキする必要ないよ」などと言っているようなもんである。私はこのような下ネタに大変疎く、ピュアさを売りに日米で大活躍しているので適切な比喩ができたかは怪しい。そこは目をつぶっていただきたい。そもそも私はちんちんが小さいため天地を揺るがすほどの大ボッキをする必要がある。さらに私は人よりちんちんが小さいためその分痩せていないとおかしいのだが何故か80キロ目前である。この前温泉施設スパジアムジャポンに行った際に北関東のハイパーデカチンヤンキーマフィアを目の当たりにしたが、彼らはハイパーデカチンヤンキーマフィアであるのにも関わらず、体重計に乗って60キロちょいだった!などと言ってはしゃいでいた。目視でちんちんが40キロくらいはあるはずなので彼らの臓器はおそらくチタンなどの軽い素材でできているはずだ。

話がちんちんの方向にずれてしまったので本題に戻る。とにかくダイエットをしなくてはならないというわけである。今までロングブレスダイエットやバナナダイエット、水ダイエットや、草ダイエット、炎ダイエット、鋼ダイエット、ドラゴンダイエット、エスパーダイエットなど訳のわからないダイエットがテレビ(その多くは中居正広の金曜日のスマイルたちへ)で紹介されてきたが、今までのガリガリの私は、そんなもの俺には必要ねえと受け流し全く実践せず、気づいたらSMAPも解散していた。しかし今の私は着実に体重が増加しており、花屋の店先に並んだいろんなダイエット法を片っ端から実践しなくてはならない。ロングブレスダイエットでも睡眠時無呼吸ダイエットでも世界に一つだけのダイエットでもとにかくなんでもだ。
だが、私にはひとつ欠点があり、監督がいないと長続きしないということである。事実、この文章を書く前にも何度か筋トレをしたり、ウォーキングをしたりしているがてんで効果がない。それはもっとも、筋トレの後喉が乾いてドクターペッパーというアメリカのデブの子供の代名詞である飲み物をがぶ飲みしたり、ウォーキングに行くと腹が減り近くの日高屋でラ・餃・チャ・酒・肉・チャ・餃・チャ・酒・ラ・酒・池・肉・林セットを頼んだりしているからである。毎日私のダイエットの進捗を見て「YOU、痩せちゃいなよ」と叱咤激励してくれるトレーナー喜多川が欲しいのだ。別に喜多川じゃなくてもいいのだがトレーナーは欲しい。とにかく私が太って辛いのは私だけではなく、もともとガリガリだったやつが太っていき、飯と酒と栄枯盛衰の恐ろしさを思い知らされる読者の皆様もである訳だから、是非ともトレーナーに立候補していただきたい。私もうかうか太っているわけにはいかない。痩せてかっこいい姿で同窓会などに参加したいのだから。我らが素晴らしき母校であるラ・餃チャ学園の。

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