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「これでいいのか?日本の税務署!」③


「これでいいのか?日本の税務署!」③

前回は、白河地方税務署に出向いた際に何があったのかを述べたところで終わったが、その後Aさんは税理士に事情を話して納得のいく申告をやり直せないかと相談している。

税理士は農場経理帳簿や証憑書類に基づいて調査し、正確な納税額を算出したところ、4年分の合計額で比較して、白河地方税務署が作成した申告書の3分の1を下回ることが判明した。

税理士は〇〇農場税務代理人税理士として白河地方税務署に異議(更正請求)申し立てを行ったが、それに対する回答は「更正の請求に対してその更正をすべき理由がない」という通知書であった。

税理士の所見
・白河地方税務署担当調査官自らが作成した申告書であるのに、納税者が作成・提出したかのごとく署名・押印させている。

・納税者に理解してもらうための十分な努力を怠り、心理的な圧力を与える環境により納税者に逃げ場のない追い詰められた心情を抱かせている。

そもそも録音など通常の申告事務において考えられない。

・申告書に署名・押印するのは法人の代表者であり、代理が行う場合はその同意を得てから実施されるべきであるが、同意を得る暇さえ与えられていない。
以上により、白河税務署の担当調査官3名が行った事務処理は大いに問題があると考える。

さらに、担当税理士として私が提出した更正請求について白河地方税務署法人課税統括調査官高橋正樹様の訪問を受け、更正の請求を取り下げてほしいとの要請があった。しかし、税務署側に問題はないというその口ぶりに私はきっぱりとこれを拒否をした。

その後に届いたのが「更正の請求に対してその更正をすべき理由がない旨の通知書」である。

この事実と税務署の体質を人々が知ったなら、税務署への信頼は大きく失墜するのではないか。納税者に取った態度は、質問検査権の乱用、憲法に定める基本的人権の侵害にあたるパワハラ行為ではないかと考える。

最後に、私が調査を依頼した弁護士による所見は次のとおりである。

弁護士の所見

1 白河税務署では、Aさんの農場の数事業年度にわたる法人税と消費税の未申告案件を抱え、早期処理に腐心していた模様で、調査により収集した資料を基に同農場側から提出があって然るべきと思料される申告書を税務署側において自ら作成した上で、同農場経理担当者に印鑑を持参させて捺印させることにより一件落着を図る手筈を整え、Aさんの出頭を待ち構えていた様子が伺える。

そして実際にこれらの申告書に、Aをして代表者の印鑑を押捺させ、これら申告書の提出があったとする事務処理を行い、受領印を押して収受していることは事実である。

2 Aは「担当官の説明が不明瞭で聞き取れず、税関係の知識も十分でないため書類の内容や説明が理解できなかった。この申告書が正しいから捺印するようにと迫られ、やむなく押印した。」と申し立てており、内容を十分に理解して納得の上、自発的に押印したものではない。

3 そもそも納税者によって自主的に作成・提出されるべき納税申告書を収税側税務署において勝手に作成・用意して納税者を待ち構え、これに捺印を求めるという事務処理は、尋常ではない。

これが仮にAさんの農場のため親切心から出た行為であったとしても、また税計算が税務署側において正しいと信ずるものであったとしても、税理士が指摘する通り、職務逸脱、越権・不適正な所為であると云わざるを得ない。

申告書に記載された税額計算の基礎たる課税標準額等は、もとよりAの全く承知していない数字であって、同女において捺印はしているものの、申告書記載税額の納税を自認するとか、納付を承認するという認識や意思をもって捺印されたものとはいえない。換言すれば、Aには申告書に記載されている納税債務負担の認識や意志が全くなかったということである。

4 以上のとおり、白河税務署の手許にある本件申告書は、納税者の真意に基づき作成された真正な申告書とは認めがたい。

法律上は、無効というべきものであり、これに基づく税徴収は違法となろう。

以上

さらに、この件についての弁護士による提言は次のとおりである。

弁護士による提言

Aさんの農場では、平成28年7月期以降の消費税の未納状態が続いており、延滞税が発生する場合もある。

一方、税務署側にも不適正な事務処理により、長期徴税未済案件を抱えるに至った落ち度がある。

しかも、Aさんの農場側から異議(更正請求)申立却下処分に対する再調査請求が申し立てられている状況にある。

この際、双方が歩み寄り、協議により適正妥当な解決を図ることが望まれる。

以上

『憂国の翁』

 



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