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POEM

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#人生

【短編小説】背を押すのは

「あなたはあなたよ。  どんな自分もあなたの中の一部なの」 温かいはずの言葉がうまく胸に馴染まない。褒められるたび、別の誰かが褒められているような気がしていた。 僕は、昔のまま、何も変われていないのではないか。 「あなたは良い子ね」  家族は言ってくれた。 「優しくて、真面目な人だね」 友達は言ってくれた。 でも、本当の僕はそんな人間じゃないんだよ。 笑う裏で、嘲笑っている。 どうにか変わりたくて、 過去の自分を消したくて、 必死に藻搔いて足掻いた結果なんだ。 『

lost article

何でいなくなっちゃったんだろう。 どうして涙が止まらないんだろう。 頭が、胸が、心が、痛みで壊れそう。 沢山、数えきれない感情が。 抑えきれない想いが。 頬を伝って。 輪郭をなぞって。 零れ落ちていく。 いくら手のひらで掬っても、掬っても、救われない。 たまらなく、哀しくて、辛くて、寂しくて。 濁流みたいに、嵐みたいに、滅茶苦茶に乱れていく。 何も届かない、言葉一つすら伝える宛がない。 降りしきる雨は、まるで心を映すよう。 傘なんて投げ捨ててしまいたい。