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【放課後ランプ】ランプの精はじめました #毎週ショートショートnote

「最近変なバイト始めたんよ」

放課後の帰り道。制服のスカートをはためかせレミは言う。

「怪しいバイトじゃないよね?」
「うーん、妖しくはあるかも。バイトってランプの精なん」

ーーランプの精。

「遊園地のキャスト?」
「いやホンモノやで〜」

笑いながら告げられる言葉は歌うように軽やかで、でも冗談と呼ぶにはまっすぐだった。

「言うてバイトやし、ホンショクのヒト程すごいお願い叶えるんは無理。席替えで好きな人の隣にして〜とかそのくらい」
「結構すごくない?」

さっきから疑問文ばかりだ。それにあの精霊は、誰かがランプを擦らない限りランプの中から出られないのでは無かったか。

「あ〜、なんか働き方改革? コンプラ的にあかんし就業時間以外はフリーになったんやって」
「ホワイトじゃん」

そういう問題なの?

「委員長もなんかお願いがあったら私を頼ってな。友達価格で割り引いとくで」

彼女の猫のような瞳が私を映す。人を頼るのが苦手な堅物が、じっとこちらをうかがっている。

「……考えとく」
「まいどありぃ」



こちら参加させていただきました。(本文430文字)

自分にしては今回文字数多めですが、不思議ちゃん✕生真面目さんコンビ大好き侍故に……


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