VSE GSEの魅力を紹介!~展望車ロマンスカーが減っている理由とは?~

50000形VSE 70000形GSE

ロマンスカーは、小田急電鉄が運行する特急列車で、その中でも展望車を備えたVSE(50000形)とGSE(70000形)は特に人気がありました。この記事では、これらの展望車の特徴と魅力についてご紹介します。


VSE(50000形)


VSEは「Vault Super Express」の略で、2005年にデビューしました。特徴的なデザインと特別な座席配置が魅力です。

  • 展望席: VSEの展望席は、運転席が2階に設置されているため、前面の景色を楽しむことができます。大きな窓から広がるパノラマビューは、まるで運転しているかのような感覚を味わえます。

  • サルーン席:  サルーン席は、4人用の準個室タイプの座席です。1編成にわずか3室しかないため、非常に希少で特別感があります。

  • 向かい合わせの座席: サルーン席は向かい合わせの座席配置となっており、中央には大きなテーブルが設置されています。家族や友人と一緒に食事を楽しんだり、会話を楽しんだりするのに最適です。

  • プライバシー空間: 個室単位での販売となっており、他の乗客からの視線を気にせずにリラックスできます。特に乳幼児連れの旅行には、周囲に気を使わずに過ごせるためおすすめです。

  • コンセント: 一般席,展望席にはコンセントがありませんが、サルーン席にはテーブル下にコンセントが2つ設置されており、電子機器の充電にも便利です。

VSEの引退

2005年3月に箱根観光専用特急として就役した
特急ロマンスカー・VSE(50000形)。

新宿と箱根を結ぶ「ロマンスカー」のサービスを一層上質なものとし、「箱根の旅」の魅力をさらに高めるために投入されたVSE(50000形)は、約17年にわたり、2編成で延べ600万キロ超を走行し、この間、約2,000万人の乗客を乗せたようです。

VSE(50000形)は、2022年3月11日に通常ダイヤでの定期運行を終了し、その後もイベント列車などで運用されていたものの、2023年12月10日をもって完全引退しました。
そのため、現在展望車ロマンスカーとして運用されているのは、GSE2編成のみとなっています。

GSE(70000形)

GSEは「Graceful Super Express」の略で、2018年に登場しました。最新の技術とデザインが融合した車両です。

  • 展望席: GSEの展望席は、前面に大型の1枚ガラスを使用しており、ダイナミックな眺望を楽しむことができます。また、荷棚を無くすことで、より開放的な空間を実現しています。

  • 側面窓: 車体側面には高さ1mの連続窓が採用されており、車内からの眺望がさらに広がります。

  • コンセント: GSEの全座席にはコンセントが完備されており、スマートフォンやノートパソコンの充電が可能です。

なぜ展望車ロマンスカーが減っているのか?

車両の劣化とメンテナンスの困難さ

展望車を備えたVSE(50000形)は、独特の構造を持つため、メンテナンスが非常に難しいです。特に、アルミ製のダブルスキン構造や車体傾斜装置など、特殊な部品が使われていたがために、修理や部品の交換が困難となっています。これにより、VSEは他の車両よりも早く引退することになり、その際に、新型コロナウイルスの影響で観光需要が減少していたこともあり、特急列車の運行本数も、「はこね号,スーパーはこね号」を中心に減便することとなりました。
特急列車の運行本数が見直されたことも伴い、VSEが引退するとき、
新型特急列車の導入が見送られたことで、展望車を備える特急はGSE2編成のみとなりました。

通勤型ロマンスカーが増えているから

特急ロマンスカーの主力車両は、現在は通勤型タイプである、
EXE,EXEα(30000形)が主力となっています。
それについてはどのような理由が考えられるのでしょうか?


通勤需要の増加

都市部への通勤需要が増加しているため、通勤型ロマンスカーの需要も高まっています。特に、東京都心へのアクセスが便利な小田急線沿線では、通勤時間帯の混雑を緩和するために通勤型ロマンスカーが導入されています。

競争力の強化

小田急電鉄は、ほかの鉄道会社とも競争関係にあります。ロマンスカーが関係するところでは、相鉄線、東急線、東海道線などが挙げられます。
小田急電鉄は、通勤型ロマンスカーを導入することにより、快適性、速達性ともに向上し、競争力を強化しています。

観光需要の変化

新型コロナウイルスの影響で観光需要が減少し、観光型ロマンスカーの運行本数が減少している一方、通勤型ロマンスカーは、朝時間帯を中心に増発されることとなりました。
そのため、通勤需要に対応するために、観光型ロマンスカーよりも、通勤型ロマンスカーが増加していると考えられます。

新型展望車特急は作られるのか?

需要の変化

観光需要の回復や増加が見込まれる場合、新型展望車特急の導入が検討される可能性があります。特に、箱根を中心にインバウンド需要が回復傾向となります。そのため、観光型タイプとなるロマンスカーの導入が後押しされる要因となるかもしれません。

経済的要因

新型車両の開発には高いコストが伴いますが、経済状況が安定している場合や、鉄道会社の収益が向上している場合には、新型展望車特急の導入が現実味を帯びることがあります。特に、観光需要が高まっている地域を持っている小田急電鉄では、投資のリターンが大いに期待できるため、展望車特急の導入が検討されるでしょう。

これらの要因が重なり、新型展望車特急ロマンスカーが作られる可能性は
十分にあります。今後の動向に注目していきたいですね。


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