アイ・スウェア・ロマンチスト


駅でよく見かける路上ミュージシャン、その人が歌う曲は荒っぽいようでどこか冷たかった。荒々しく揺れる船の中で向こう側に月を見たような。まあロマンを感じた。バイト終わり私が振り返ってマスターに歌の感想を尋ねると「うるさいだけ」と返された。
いつから私は星が綺麗と言うのも友人に謝辞を述べるのも恥ずかしいと思うようになったのだろう。自分の気持ちを伝えた時にそれを受け取って貰えないことを恐れ出したのはいつからだろうか。もし受け入れられないことがあっても良い。誰かにとってのがらくたが私にとって宝石であっても良い。時間経過や環境の変化に影響されてなお、美しいものを美しいと言い続けるのがロマンチストの使命である。

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