小さな走馬灯

たまぁにね、誰かとすれ違ったときとか懐かしい匂いするでしょ?または住宅街を歩くとき、予定時刻を過ぎた日の夜とか。匂いは思い出の引き出しを開けてくる。しかも無理矢理。恋愛だったら香水とか、親子だったら煙草とか、塩素の匂いは水泳の授業の引き出しが空く。日常のセンチメンタルには匂いがかなり影響してると思う。思い出したくないようなことから、小さな頃のばあちゃんの化粧パフまで。過去に想いを馳せじんわり浸ってる時間はさほどなく匂いが消えるとすぐに現実に引き戻される。でも何かそれが心地良かったりする。
どうやら人は死ぬ前に走馬灯が流れるらしい。
生きてる内は拝めないと考えていたけど、フッと香って鼻を掠める匂いの正体は小さな走馬灯なのかも。

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