ガラスの王冠

私の目の前でガラスの王冠は砕けた。砕けた王冠の破片は私の足の裏をしたたかに傷つけてゴミ箱に捨てられた。まーそれなりに血が出たし、破片を肉から取り除くのはとても痛かった。しばらくは傷を庇わなくちゃいけなかったけど今はぜんぜん普通に歩ける。

ガラスの王冠はとても美しかったし周りの人たちもそれはそれはとても大事にしていたのに、上手くかぶれずに頭からソレを落っことしちゃった王様は実はオバカサンだったんじゃないの??と思う。王様、超偉そうだったんだけど。


王様の前で裸足だった私は、お后様でもお姫様でも侍女でも奴隷でも関係がなかったのです。そんな出来事も、今は誰にでも笑いながら話して聞かせて差し上げられるよ。(皮膚を貫いて肉に刺さったガラスの破片を上手に抜く遣り方を教えてあげられます)傷跡も、もうないしね。

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