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ポエム「過去の行先」

私は毎日歳を取るし、あらゆる記憶はどんどん霞んでいく。

今日のかけがえない全てを感じとるには、昨日までの過去を無かったことにしなければならなかった。

中学校の片隅で折り鶴を一緒に折ったことも、夜の信号の音を纏った君も、他人には悟られないようにしなければならなかった。

私の頭の中に残っているかどうかも分からない過去たちの行先はどこなんだろう。

君の頭の中にも残っていれば、私と君のあいだに横たわっているのかな。

いつか過去が橋となって、未来へと繋がってほしい。

だから今は、この瞬間を抱きしめさせてくれ。

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