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サピックスは進学塾の中でも特殊な塾。せっかく入塾しても途中でやめてしまうことがないよう、入塾を決める前の心得を元SAPIX講師/室長がズバリ解説する 前編 第11弾! 

今回と次回の2回に渡りSAPIXのトリセツをお話します。
前編は、サピックスの特徴も含めてサピックスに入る前に是非確認してほしいことを話します。

御三家にしか興味がない/上位クラスしか眼中にない/入っても途中でやめる/いつやめようか常に悩む/まわりの生徒と授業のレベルの高さに驚く/驚くと言えば、テストと教材のレベルと宿題の量にも/考えさせる授業に困惑する/積極性、自主性を暗黙の了解の如く間接的に促す/手取り足取り教えない/受け身に慣れてる生徒はただ座ってるだけの授業/テストも教材も授業も上位向け/すべてが速い/クラスが上がるどころか下がる一方で自信を無くしてしまう/上位クラスになればなるほど絶望的にクラスアップは骨が折れる/何かと自信を失う/お山の大将であった自分に気づかされる/宿題が終わらない/毎週配られる教材が負担になる/その教材の中身はほぼ白紙状態/当然3分の1も理解できていない/日に日に積み上げられる白紙同然の教材をどうしたもんかと困惑する親/管理も親のサポートも大変/宿題や基礎問題、マル付け、やり直し等は親がフォローを!と平気で訴えるサピ講師陣/サピ生の親はかなりのサポートを強いられる/年間通して入塾してくる優秀な生徒たちは後を絶たないので上位クラス以外のやめていく子をそんなには引き留めない)

と、まあサピックスあるあるです。当たらずとも遠からずですかね。異論も反論も致しません。これだけ聞いたら、何やら大変そうな塾って感じですよね(笑)。実際、大変なんですけど。上位クラス以外の子はやめることをあまり引き留めないというのは、サピックスの肩を持つわけではないんですけど、やはりサピックスに合わない子は一定数いるわけで、現在の学力であったり、勉強に対する姿勢であったり、これまでの自学習の習慣などが欠けているとついていくのがかなり大変です。日々自信を失うだけの塾に通う意味はありません。お金ももったいないです。なので、その子のためと言えなくもないです。サピックスは自主性を重んじる塾なので、手取り足取りのフォローをしません。自ら学ぶ。つまり「自ら動く」です。なので、問題が難しくても、宿題が多くても、自力を促します(保護者へのサポートはお願いするんですけどね)。その姿勢が中学受験に限らず、高校受験、大学受験、就職試験、検定試験などに直面したときに役に立つと信じているからです。

ネガティブな話が続いたので、ポジティブな話も(笑)。
講師の一方的な授業ではなくて生徒に自主的に考えさせる授業はサピックスらしくてとてもいいと思いますね。自主性があるのとないのはどっちがいい?そりゃ、自主性があるのがいいに決まってます。でも自主性のある小学生がどれほどいるでしょう。大人も含めて受け身人間が多いのに。その受け身の姿勢を変えるように仕向けるところはサピの凄いところだと思います。サピ生とサピ講師が成せる技です。サピックスの合格実績は生徒が勉強に自主的に取り組む姿勢にあると僕は思っています。塾がそうなるように持って行く戦略がいいです。例えば授業ですべてを教えない。腹八分という言葉がありますが、授業八分ですね。全部を教えるとその授業に満足してしまい、自宅に帰ってから何もしなくなるからです。基本、勉強する場所は自宅です。自宅学習が身についている子は受験に強いです。なので、授業ではある程度の解説に止め、もう少し学びたい気持ちを家に持ち帰ってもらう。これがサピックスのやり方です。サピックスのことは様々なご意見がありますが、良くも悪くもこういう塾なのです。万人には受けない特殊な塾であることは間違いありません。それを承知の上で入るかどうかを判断してください。万能な塾など存在しません。何かが良ければ、何かが悪いのです。塾にも強みと弱みがあります。塾のカラーとはこういうことです。サピックスのカラーに合う子、適性ですね。適性が合えば是非サピックスへ入塾してください。でもまだ基礎基本(基礎問題ができない、自宅学習が定着してない、作業が遅い)が身についてないなと思うなら今はサピックスではないと思います。入塾テストは何度もあります。無理して入るより再チャレンジする方が得策です。あと、志望する学校がサピックスの合格のチラシやHPに載ってない場合もお勧めしません。

そんなサピックスでも、基礎基本が身についていて、ある程度学力も高くて、難関以上の学校を目指している子にとってはこれ以上ない環境で勉強ができます。初めて見る解けない挑戦的な問題。市販の問題集でも見たことない問題。もうわくわくしますよ。宿題なんて今まで短時間で仕上げていたのにやってもやっても終わらないサピの宿題。それでもわくわくする教材に授業、そしてライバルたち。こんな心躍る、心強い塾は他にないと言い切れます。適性さえ誤らなければ唯一無二の塾です。
これだけ褒めておけば問題ないか(笑)。いいえ、真実ですよ。もちろん。僕も授業をしてて、この子たちは幸せだなあと常に思ってたし、生徒たちもサピックスラブでしたから。
好奇心を満たしてくれる教材に授業、秀逸だと思います。サピックスの授業って難しくて面白くなさそう!そんな噂話というか実際よく耳にしました。それは大いに誤解です。すごく面白くて楽しいですよ。教材が難しいのと、普段からクラスの昇降を気にしてる生徒を和ませるために先生方が少し気を遣っているのかも。集中と爆発が交互にあって、何というかメリハリですね、あっという間に授業が終わりますから。基礎さえちゃんとしていれば、是非受けてもらいたい授業です。高次元で教わること、学ぶこと、解くこと、知ることのすばらしさを小学生から味わえるのはサピックスの良さだと思います。

サピックスの特徴を話してきましたが、ついでに言うと、サピックスは塾内ですべて解決する塾なのです。サピックスの教材だけで十分ですし、サピックス生だけが受けるテストだけで正確なデータが出ます。それは難関、最難関校を受験する子がサピックスに集まってるからです。サピックス生のライバルはサピックス生なんです。これ塾内でよく言ってます。このクラスから受験すれば、○○学校にほぼ合格!これは内部生にとってとてもわかりやすい。○○クラスに入れば○○学校に合格する可能性が8割以上ともなれば内部生のモチベーションは爆上がりでよりクラスを上げようと勉強に励むようになります。そして同じ最難関校を受けるライバルたちがお互いを鼓舞し、励まし合う。最難関校に毎年クレイジーな数を合格させている講師陣がまわりにいて支えてくれる、これほど力強いものはありません。この環境は宝物です。

最後に
サピの特徴を話し過ぎてこんな最後になってしまいました。すみません。
入塾テストに合格してから、入るかどうかの判断基準(材料)の話ですよね。
入塾テストに合格してすぐ入るのではなく、入るかどうか?お子さんとに少し話し合ってください。そしてその判断基準は、最初のクラスがどこなのか?です。真ん中より下なら次回再チャレンジした方がいいです。もちろん希望している学校がそのクラスのレベルに合致していれば話は別です。
入塾テストの点数や内容は判断基準には乏しいです。なぜなら、点数は総じて悪いし、内容も難しいので、できなかったからダメとも言えません。とにかく何もかもが特殊ですから。
なので、最初のクラスがカギです。そのクラスが真ん中より上で、希望している学校がそのあたりから合格しているかどうか。そのあたりは室長に聞いてみてください。あー、下のクラスからのスタートでも塾側はこう言います「入ってから、授業にも教材にも慣れれば成績も上がりますよ。少しレベルが高いかもしれませんが、頑張れば大丈夫です」と。
サピの入塾時の常套文句ですね。下から上に上がることの難しさは誰よりも室長をはじめ講師陣が一番わかっていること。もちろん例外はあります。確率の問題です。他のどんな塾より難しいと思います。身も蓋もありませんが、入る時の学力は大事で高けりゃ高いほどサピに合っています。
上のクラスが絶対いいとは言い切れないとこもありますが、相対的に上位クラスには力のある先生が担当しますし、生徒のレベルも高く、勉強する環境が整っています。環境が人を育てるようにクラスが生徒のレベルを向上させてくれます。

何度も言いますが、
サピックスに入ればどのクラスでもいいではなく、どのクラスからスタートできるのかですよ。
「キミは入っても大丈夫、キミは入らない方がいい」なんて言うわけありませんから、こればかりは自己判断になります。とは言え、合格したらたいてい入りますよね。それにクラスの基準もわからないでょうから。上なら大丈夫というわけでもないので。下はやめといた方がいいです。上でもそのクラスのレベルとその中でどのくらいの位置にいるのか、一番上のクラスに入ってもその中で一番下ならすぐ下に落ちかねないですから。いきなり落ちてショック、自信を無くしてもなので。
下位クラスはもちろん、中位くらいでも考えものです。上位でも先ほど言った通りです。下位~中位クラスで志望校がそのあたりのクラスから合格していれば別ですが。サピックスはクラスによって合格する学校がほぼ決まってますからそのあたりは聞けば答えてくれます。

いかがでしたか?
サピックスほど入塾テストで合格したからといって、すぐに入塾してはいけない塾はありません(笑)。
スタート時のクラスと適性をよくお考えの上、お子さんと家族でよく話し合って入るかどうかを決めてくださいね。初期費用、安くないんで!


ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。お疲れ様でした。

ということで、次回「正直アオイ塾(アオイnote)vol.12は、『SAPIXのトリセツ(後編)』」です。
 

では、次回も「正直アオイ塾(アオイnote)」をよろしくお願いします。
 
                                     
                                                                                                                                     アオイナオ
 

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