0009.雪が降ったあと
予報どおりに 2月5日に雪が降って積もった。当地では 1月13日にも降ったので、初雪ではない。1月13日の降雪は時間も短く、積もらなかった。
予報では一晩中降り続き翌朝まで降るとのことなので、6日の雪かきを覚悟した。しかし、以前よりもだいぶ気が楽である。自家用車の冬タイヤを廃止したから、雪が降ったら車を運転することをやめたから。だから、車を停めてある月極駐車場は放っておいてもいい、自宅の雪かきだけすればいい。なので、気が楽なのだ。
毎年、12月に夏タイヤから冬タイヤに交換して、翌年4月に冬タイヤから夏タイヤに交換していた。オートバックスで交換してもらい、外したタイヤは保管してもらう。年間の保管料と2回の交換工賃がかかる。自宅は狭く4本のタイヤを保管する場所はない。俺はタイヤ交換をできるが、月極駐車場の狭い枠内で作業するのは現実的ではない。ゆえに、スノータイヤの溝が無くなった 2021年冬から冬タイヤを廃止した。
いぜんは、通勤に車を使っていたから、雪が降っても運転せざるを得なかったが、いまはそこの部分から解放された。好きなときに自家用車を運転し、運転したくなければしなくていい。詳細は省くが、車の運転は必要な義務だったが、いまは自転車代わりになった。
6日朝、朝刊を取るために玄関を開けた。雪は玄関ポーチおよびポーチの3段の階段に数センチ積もっていて、まだ若干降っている。スマートフォンで SmartNews の天気を見ると雨に変わるようだ。雨が降るなら雪かきはしない。雨がやんだあとにどのくらい雪が残っているかによる。残っていれば翌朝凍るので、やはり雪かきは必要だ。
雪かきは、角地のわが家の北面道路と西面道路をやる。残雪が凍って、わが家の前で人が滑って転んでけがしたり、車が滑ってわが家の塀にゴツンと当たるのは嫌である。だから、雪が降れば雪かきはする。西面道路は日光に当たって溶けるが、北面道路は建物の陰になるので硬く凍ってしまいなかなか溶けない。数年前、プラステックの雪かきスコップでこの凍った雪に難儀したので、エッジに金具が付いている雪かきスコップを買った。なので、試したい気もする。
ともかく、朝、長靴を履き、玄関ポーチとその階段だけ雪かきスコップで雪をすくって塀の外に落とした。数メートル先の郵便受けから朝刊を取るだけなのだが、ポーチがタイル張りなので滑る。だから、滑って転ぶ前にポーチと階段の雪は除去した。門扉も開けて、アスファルト上の雪の轍(わだち)のところまで雪をすくって塀の下に積んだ。まだ凍っていないので楽である。そこまではやったが、冷えで腰が痛い。わずか10分ほどで腰が痛い。やめて家に入った。
午後、雨がやまない。雨がやんだら外に出て雪かきすべきところを確認しようとしたが、雨がやまない。降るんだったらどんどん降って雪を溶かしてほしい。見る限り、だいぶ溶けていて雪かきは必要ないかのように見える。しかし、朝、すくって積んだ雪は厚くなっていて、雨では溶けきらずに残るだろうと思った。
雨がやみ、夕方、長靴を履いて外に出てみた。見事に道路上の雪は無くなっている。残っているのは人々が雪かきをして積んだ雪だけだ。積んだ雪だけが残っている。「やんなきゃよかった雪かきの名残」がポツンポツンと各家庭の前にある。俺はわが家の塀の角に積んだ雪を雪かきスコップですくって、向かいの空き地に投げた。朝は軽かった雪が、いまは雨で湿って重い。こんなことなら、朝のときに空き地に投げればよかった。でも、そのときは冷え切っていたので、投げる動作ができないように思えた。金具付きの雪かきスコップの出番はなく、雪かきは終わった。
7日、ご近所ローソンに徒歩で買い物に行った帰り、駐車場のわが家の車を見舞った。雪はほぼなくなり、残っているのは北向きに停めてあり、かつ動かさなかった車のフロントガラスの下方に溜まっている雪だけだった。わが家の自家用車も北向きで動かさなかったので残っている。エンジンをかけデフロスターでフロントガラスを温めてから、スクレーパーで固まった雪を剥がした。俺は降雪があってもワイパーを立てないので、雪がワイパーにくっついている。雪を割りながら剥がしていった。ガラス内側の結露が消えるまでデフロスターを続けた。
降ってもいいけど、もう積もらないでね。
柳 秀三
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