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0163.それでいい…

シリコン素材でクルクル巻けてコンパクトに収納できて安価なデジタルピアノ「ロールアップピアノ」。このロールアップピアノでベートーヴェンの「エリーゼのために」を弾いてみている。楽譜は「ヤマハぷりんと楽譜」で iPad Air にダウンロードして使っている。

ピアノ教室に通い始めたのだが、たった 2回で俺には合わないと思い通うのをやめた。それでも、ピアノは弾きたいのでロールアップピアノで練習しようと思って、「エリーゼのために」を弾いている。

でも、変なのである。稚拙ながらも右手左手と両手で楽譜の音符を追ってキーを打つのだが、ロールアップピアノに入っているデモ曲の「エリーゼのために」のように、全くならない。下手は承知だが、全然違う。

最初の 7音ミレ♯ミレ♯ミシレドラは良いのだが、そのあとが違う。どんなことをしても、デモ曲のようにならない。明らかに違う。なので、ぷりんと楽譜の「エリーゼのために」の楽譜を、ピアノ教室でもらった教材の「エリーゼのために」の楽譜と比べてみた。

 うわっ ((( ̄□ ̄))) 違----う!!

指番号は違うものの、右手の出だしの 7音【ミレ♯ミレ♯ミシレドラ】とそれに続く【ドミラシ ミソ♯シド】は同じだ。しかし、左手が全然違う。この 7小節で、「ぷりんと楽譜」は【ラ ミ ラ ラ】の 4音だけなのに、ピアノ教室の楽譜では【ラドミ ミソ♯シ ラドミ ラドミ】と 12音もある。

このピアノ教室の教材の楽譜と、ロールアップピアノのデモ曲が同じかどうかはわからない。しかし、同じ曲でも、楽譜はひとつじゃないと、やっと気づけた。こういうのを “アレンジ” の違いというのだろうな。
 え ((( ̄_ ̄))) バカまる出しですね?

ならば、ピアノ教室の楽譜の「エリーゼのために」でロールアップピアノを弾いてみて、ロールアップピアノに入っているデモ曲の「エリーゼのために」と同じようになるか試してみよう。左手の【ラドミ ミソ♯シ ラドミ ラドミ】を含めてチャレンジしてみた。

まるで話にならなかった。

俺は、脳出血の後遺症で左側に片麻痺へんまひがある。パソコンのタイピングはできる。でも、右手は普通に動くが左手が遅く自由ではないので、左右の連携が取れない。だから、パソコン教室に籍があり、そこでタイピングコンテストなどもあったが、参加はしなかった。

ピアノを弾きたいと思ったきっかけは、NHKBS の「駅ピアノ 空港ピアノ 街角ピアノ」の鑑賞である。ピアノは自分の人生だと語る人。60歳から始めたという人。障害があるけれど自分で弾ける範囲で弾いて楽しんでいる人。それに感化されて弾こうと考えた。時間かけてでもいいからとりあえず始めてみようと思った。

ピアノは、たぶん右手だけでも弾ける。でも、左手が加わったほうが、多彩な音が出せる。そこがピアノの良いところだ。でも、「エリーゼのために」の左手の【ラドミ ミソ♯シ ラドミ ラドミ】で、一発でへこたれた。「あー、やっぱ俺の左手、ダメだ」と思った。

そう、ダメなことはハッキリしている。俺は、10年前にそうなってしまったのだから。いま、ガッカリしても始まらない。できるかできないかということではない、弾くことを続けるか続けないかである。続けるということができるならば、なにかしらの結果は生まれるはずである。望む結果か望まない結果か、それはいまわからない。

パソコンを始めたのは脳出血発症の後である。手指のリハビリの意味もあり始めた。そして、パソコンは楽しかったから続けられている。ピアノも楽しければ続けられるだろう。それでいいんじゃないか。

柳 秀三

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