第7回交流会レポート
■ 日時 :2024年4月20日(土)20:00~21:20
■ 参加者:16名
1.獣医の池田先生のヤギの健康管理講座④
今回のテーマは「主な寄生虫について」
ヤギには4つ胃があります。
その4番目の胃に寄生して、胃壁から血を吸う寄生虫が「捻転胃虫(ねんてんいちゅう)」という寄生虫。
この寄生虫は、赤い血と白いのがらせん状に見えるそう。
床屋さんにある、あのくるくる回る看板に似ているから、海外では「バーバーポールワーム」と言われています。
名前は可愛いけど、弱い個体は貧血で死んでしまうこともある
可愛くない寄生虫です。
これに寄生されると、胃の中で血を吸って卵を産み、糞とともに排せつされます。
卵は糞の中で羽化し、幼虫になり、水滴とともに草の間を移動して、ヤギに食べられるのを待ちます。
このように寄生中のいる草が、またヤギに食べられることで広がっていきます。
体力的に弱い個体・群れの順位が低い個体は寄生虫に要注意
ある程度は寄生虫とヤギは共生しているそう。
(寄生虫がヤギの身体の中で、適度にヤギから血をもらいながら共生しているその絶妙なバランスがすごい!!)
本来であれば、ヤギは広い野を自由に移動して草木を食べられるので、濃厚に寄生することはない。
でも、
・免疫や造血機能が弱い個体
・体力が落ちている個体
は、バランスが崩れ寄生虫の吸血力に負けてしまう。
また、
・群れの中で順位が低い個体
も要注意。
順位が低い個体は、干し草などの餌をもらった時に、最初に強い個体が食べて、その後踏み荒らされた餌を食べることが多い。
そこで、糞にまみれた餌を食べる確率が高くなり、寄生虫の卵が身体に入ることになってしまう。
なるほど、順位が低い個体は、餌にたどり着けないだけでなく、寄生虫に対する危険性も高くなるのですね。
対策
1.健康で強い体作りが重要。
多少血を吸われようが、しっかりと造血できるぐらい、血をしっかり作れるぐらい、ちゃんと食べれて、健康的で元気であることですね。
2.とにかく寄生虫を身体にいれない
・繋ぎ飼いをしている人は、糞が接するかもしれない地際までヤギが食べるようにならないように、場所を移動させる。
・餌が糞にまみれないように清潔に保つこと。
3.早期発見のため貧血に注意
貧血を起こしていないか「あっかんべー」の感じで、目の下めくって、粘膜を定期的にチェック!
白くなっていたら貧血を疑う。
そのためにも普段の色を知っておくことが重要。
2週間に1回くらいがおすすめ。
貧血の症状は元気や食欲がなくなる、体重が減ってしまうなど。
またむくみが出てくる。
ヤギの場合、むくみがでるのが下あごがタルタルとしてくれる。
可愛らしい顔になっているときも要注意
なんか可愛らしい顔しているなっと思っていると、下あごがむくんでいることがあるので要注意。
耐性寄生虫、現れる
以前は寄生虫対策として定期的に駆虫していたが、薬に耐性のある寄生虫が現れだしている。
そのため、定期的な塗布をやめて、異常のある個体のみ駆虫薬を使用するようにしているところもある。
寄生虫抑制効果のある食べ物
寄生虫抑制するのに、「タンニン」が良いと言われているので、樹木の枝葉を与えるのがおすすめ。
また、メドハギが寄生虫に抑制効果があると書かれている。
(メドハギが河川敷などに生えている雑草です)
2.ヤギ飼育の情報交流会
みなさんのヤギ事情あれこれ
お困りごとを共有することで、少し課題解決のヒントが見つかることも。
今回でたご意見を少し紹介します。
〇Hさん 栃木
以前飼っていたヤギが下痢をするようになり、糞の中から寄生虫が出てきた経験を共有してくれました。
池田先生から、発見が早かったので、早く獣医さんによる処置がさでき、駆虫薬で寄生虫が排出された可能性が高いですねと。
〇Nさん
全国やぎネットワークから初参加いただきました。
イベルメックを塗布する時の方法についてアドバイスをいただきました。
薬剤を背中にさっとかけるだけでは経皮吸収されていないので、お尻から毛の流れに逆らうように毛が逆立てて、少しづつ頭のほうに向かって、下から上に滴下することがポイント。
〇Hさん 河内長野市
ヤギ飼育して一年。
最近同じ場所ばかり掻いていて、ピンクの地肌が見えてきたと相談あり。
池田先生から、外部寄生虫や疥癬、細菌性皮膚炎やカビなどいろいろな原因があるので、診てもらったほうがよいかもと。
〇Mさん 香川県
雄ヤギが、Mさんに甘えて遊びで絡んでくるのだけれども、男性と同じ体格の立派なオスヤギなので下手するとこちらがケガをする事態になりそう。
〇Aさん 島根県
出雲農林高校で雄ヤギに芸を仕込んでいる先生がいる。
その情報が役に立つのではという提案をもらいました。
〇Kさん 福島県
近くに大きな牧場があり、そこを利用していずれはヤギを飼いたい。福島県では放射線量の関係で、放牧ができない。
大きな草原があるけど、今は草刈りだけをしている。
いずれは、放射線料もちゃんと確認しながら、放牧などに利用できたらと思っている。
〇Kさん 島根県
町のコミュニティセンターの敷地でヤギ除草を実施。
地域の活性化と、近隣へのヤギ除草普及に向けたサポートをされています。
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