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ボーイング大好きANA。 ボーイングしか使っていなかったJAL。 ボーイングと日本の航空会社の今後について考える。

こんにちは、皆さん。今日は、日本の航空会社とボーイングの関係について話したいと思います。ボーイングと言えば、世界最大の航空機メーカーですね。多くの国の航空会社がボーイング製の機体を使っていますが、特に日本の航空会社はボーイングに強い信頼を寄せています。

歴史

日本の航空会社とボーイングの関係は、長い歴史があります。
1953年にボーイングが日本に初めて拠点を構えてから、70年近くにわたって、民間航空機や防衛・宇宙分野で協力してきました。 日本の航空会社は、ボーイングの機材を多く導入しています。特にANAとJALは、ボーイングの主要な顧客であり、パートナーでもあります。

日本の航空会社とボーイングの歴史は、1950年代にさかのぼります。当時、日本は第二次世界大戦の敗戦から立ち直ろうとしており、航空産業も再建を目指していました。1952年には、日本航空が設立され、国内線や国際線の運航を開始しました。日本航空は、当初はアメリカ製のDC-4やDC-6などのレシプロ機を使用していましたが、1958年にはジェット旅客機の時代に突入しました。その年には、日本航空がボーイング707を導入し、東京からサンフランシスコまでの初めてのジェット旅客機便を運航しました。これは、日本とアメリカの間の航空交流を促進する画期的な出来事でした。

1960年代に入ると、日本の航空会社はさらに拡大しました。1961年には全日本空輸が設立され、1964年には東京オリンピックを契機に国際線を開始しました。全日本空輸もまた、ボーイング707やボーイング727などのジェット旅客機を導入しました。また、1962年には日本エアシステムが設立され、国内線や近距離国際線を運航しました。日本エアシステムもボーイング727やボーイング737などのジェット旅客機を使用しました。このように、日本の航空会社はボーイングと密接な関係を築いていきました。

1970年代には、日本の航空会社とボーイングの関係はさらに深まりました。この時期には、ボーイング747が登場しました。ボーイング747は、世界初のワイドボディジェット旅客機であり、大量輸送や長距離飛行が可能でした。1970年には、日本航空が世界で初めてボーイング747を導入しました。その後も全日本空輸や日本エアシステムなどが続きました。ボーイング747は、日本の航空会社にとって非常に重要な機体であり、多くの国際線や国内線で活躍しました。

1980年代から1990年代にかけては、日本の航空会社とボーイングの協力関係はさらに親密になります。

ANAは、ボーイング787ドリームライナーのローンチカスタマーとなり、世界で初めて同機を運航しました。また,B777の後継としてボーイングの次世代大型機となる,B777Xの発注も行っており,かつてはB777の2番目の発注会社となるなど,長年ボーイングとの関係構築に取り組んできました。

その一方で1990年代には小型機としてA320を導入,エアバスとの関係もボーイングほどではありませんが,最近ではANAはA380を導入しました。これは日本初のA380運航であり、特別塗装やサービスで話題になりました。

一方のJALはこれまで2013年までエアバスとの取引の経験がなく,合併した旧JASがもっていた,A300は運行したことがあっても,その程度でかつてはマクドネル・ダグラスとの関係が深い会社として,いまではボーイング機ばかりを持っている航空会社になっていました。

ところが,2013年にJALとエアバスはA350の35機とオプション15機をB777の後継として導入することを契約します。

2000年前半には,頼みの綱のANAがまさかのA320を退役させ,機材の統一を計画して,日本市場を失いかけたあのエアバスが日本の元ナショナルフラッグキャリアと契約を結べるとは,,,

これまでボーイングしか使ってこなかったあのJALがエアバスとの関係構築に動きました。

日本の航空機産業とボーイング

ボーイング民間航空機部門は、日本の航空産業と1969年から密接な関係にあります。また防衛宇宙分野においても、1960年代から日本の業界の発展に協力し、相互に実りある関係を築いています。 日本企業はその技術力と高い信頼性により、767型機以降、ボーイングの航空機の生産分担比率を上げています(下図)。

| 機種 | 日本企業製造割合 || --- | --- || 767 | 16% || 777 | 21% || 787 | 35% | 

数字は767型機で16%、777型機では21%に上っています。さらに、ボーイングと三菱重工、川崎重工、SUBARU(旧富士重工)の関係はとりわけ密接で、787ドリームライナーでは主翼をはじめとする機体の35%を3社が開発・製造しています。同型機ではまた、東レが主要構造部分の炭素繊維複合材料をボーイングと共同開発、ブリヂストンがタイヤを提供、ジャムコがラバトリーやギャレー、さらにフライトデッキのインテリアとドア、そしてバルクヘッドの生産を担当しています。

ボーイングと日本の航空業界の今後

これは、JALがボーイング社に対する信頼を失ったことの表れとも言えます。 では、日本の航空会社とボーイング社の関係は今後どうなるのでしょうか?私は、以下の三つの観点から考えてみました。

新型コロナウイルスの影響 ボーイング社の品質問題 日本の航空市場の変化 まず、新型コロナウイルスの影響です。

このパンデミックは、世界中の航空業界に甚大な打撃を与えました。需要が激減し、多くの航空会社が機材を減らしたり、発注をキャンセルしたりしました。日本の航空会社も例外ではありません。ANAは2020年10月に中期経営計画を発表し、保有する機材を35機削減することを明らかにしました。そのうち22機がボーイング製であり、特に777や747などの大型機が多く含まれています。JALも同様に、保有する機材を24機削減することを発表しました。そのうち18機がボーイング製であり、こちらも777などが対象です。これらの大型機は、国際線や長距離路線で活躍していた機種ですが、新型コロナウイルスの影響で需要が低下したために退役させられました。このように、日本の航空会社はボーイング製の大型機を減らす傾向にあります。

次に、ボーイング社の品質問題です。ボーイング社は近年、737 MAXや787ドリームライナーなどの主力機種で品質問題や安全性問題に直面しています。特に737 MAXは、2018年と2019年に起きた2件の墜落事故で346人の命を奪いました。この事故は、ボーイング社が開発や認証において不適切な判断や行動をしたことが原因であるとされています。この結果、737 MAXは世界中で飛行禁止となりました。2020年11月には一部の国で飛行再開が許可されましたが、それでも事故の飛行機という印象が残っていることは否めません。その後の航空試験は順調に進んでおり,ANAだけではなく,JALも発注をすることになりました。

それ以外にも,ボーイングにはトラブルがあり,たとえば,ボーイングが今現在最後に市場に送り出したB787。

ボーイング社から受領した787型機のロールスロイス製エンジンの不具合が見つかり、一部の機体を運航停止にしました。それ以外にも,バッテリー発火事故などB787のトラブルは多く,心配です。

これらの問題に対処するために、ANAとJALは、ボーイング社以外のメーカーからも航空機を購入することを検討しています。特に、欧州のエアバス社は、737 MAX型機のライバルであるA320neo型機や、787型機よりも燃費効率が高いとされるA350型機などを提供しており、日本の航空会社にとって魅力的な選択肢となっています。 日本の航空会社とボーイング社の関係は、今後も変化していくでしょう。

ボーイング社は、737 MAX型機や787型機の問題を解決し、品質と信頼性を回復することができるでしょうか。日本の航空会社は、ボーイング社とのパートナーシップを維持しつつ、エアバス社など他のメーカーとも協力することができるでしょうか。これらの問題は、日本の航空業界だけでなく、世界的な航空市場にも影響を与える可能性があります。私たちは、この動向に注目していきたいと思います。

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