ー深夜徘徊ー


タバコも吸わなくなったから、
病んだ時の楽しみひとつ減っちゃったじゃん。
私の唯一になっちゃった楽しみ。
ー深夜徘徊ー
信号もつかなくなったこの時間に。
悪いことしてるみたいな背徳感が好き。
引っ張られるように歩く。
速度は進んでるのか自分でもわからなくなるほどゆっくりに。
冷たく強い風が吹く。
明日も朝から仕事なのに。
ゆっくりと遠くへ。
ゆっくりと蘇ってくる。
まだ旅の途中。
目的地がないからいい。
今だけはどこへでもどこまででも行ける。
本当はもう逝ってしまいたい。
今なら背後から刺してもいいよ。
引き寄せられる夜の黒い波。
煙突から出るかっこいい黒い煙。
あの子のタバコみたいね。
なぜ私は泣いているの?
なぜ私はこんなに醜いの?
生きていて良かったって思えたらなあ。
神様に見捨てられた。
ずっと前から明日なんてなかった。
ずっと今日の繰り返しのような世界🌏
だから私は夜を貪って、
夜を削られないように、
奪われないように、
今日の私が消えないように、
明日の私が凍えないように。
もう随分歩いてきた。
頑張った先には1本の松の木があった。
とてもとても太くて心強くて優しかった。
私はそこにその松に寄りかかって泣いた。
いつになったら幸せが分かるのか。
分からないから泣いていた。
死にたいから泣いていた。
真面目に生きているはず。
何とかできてるはず。
はずなのに…
はずなのに…
辛くて孤独で抱えきれなくて、
いい子の皮を庇いきれなくて、
だから死にたい。


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