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こだわるアリカツ(蟻の飼育活動+α)  ⑥蟻の飼育ケースいろいろ

 筆者は10年来クロオオアリを飼育しておりますが、今までさまざまな飼育ケースを試してきました。それぞれの巣に利点と欠点があり、それを楽しむのもアリ飼育の醍醐味です。今回は、筆者が現在使っているものも含めて、いろいろな種類のアリ飼育ケースをご紹介したいと思います。

 筆者は現在、試験管を利用した巣を主に使用しています。先端に水を入れることで保湿がしやすいのと、拡張や試験管を取り外しての引越しが比較的容易なためです。ただし、試験管はガラスなので、稀に破損したりヒビが入ることもあるので、特にお子様やペットのいるご家庭では、置き場所などには十分気をつけなければなりません。

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 全てプラスチックやアクリルでできている巣は丈夫で、持ち運びもしやすく見やすいのが特徴です。最初の頃は見た目も良く、お部屋のインテリアとしても見栄えがします。しかし私の経験では次第に汚れが目立つようになることと、湿度が行き渡りにくいこと、アリがいっぱいになった時の引っ越しは結局、巣全体をほぼ解体しなければならないことがデメリットでした。

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同じプラスチックの巣でも、アリを上から見るタイプもあります。ただ、この巣は巣穴を保湿するための設備がなく、そのままの飼育ではうまく行きませんでしたが、背中の上からアリたちを眺めるのはなかなかいいものです。この巣の場合、保湿性のある巣と接続したところ、アリたちは自ら引っ越して行きました。

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 ヤドカリ用の砂を瓶に入れて、クロオオアリを飼ったこともあります。砂全体が湿るように水を入れるので、瓶は数キログラムというかなりの重さになってしまいました。残念ながら一部の通路を除き、アリは基本的に外から見えないように巣を作ってしまい、内部の様子を観察することもできませんでした。やはりクロオオアリを砂で飼う場合は奥行きのないケースで飼う方が見やすいです。

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筆者が昨年から使用している飼育ケースに、試験管の巣と同じシステムですが試験管部分がプラスチックの箱形になっているものがあります。細長い箱がいくつかの小部屋に区切られていて、それぞれの部屋に透明な窓が嵌め込んであり、外すことができるようになっています。まだ外しての作業をしたことはないのですが、アリの引っ越しや清掃に役立つかもしれません。ただし試験管の巣と比較すると通気性があるため、巣が乾きやすいようです。筆者は3日に一度くらい、先端から給水しています。

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最後にご紹介するのは、いわばデザイナーズハウスの巣です。中国のアリの巣販売サイトで受注生産のものとして販売されております。右下の活動エリアから餌を入れ、左下の円板部分がアリの巣、数が増えると斜め方向の通路を開放して2階部分もアリの巣として拡張できます。現在4年目ですが、やっと円盤部分全体にアリが行き渡り、今年後半に2階に達することができるかもしれません。従って、全ての空間をアリが使用するまで計5年くらいかかるということになります。

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ケースに複数のスポンジがはめ込んであり、給水して保湿します。本来は水を入れた試験管を逆さに立てて穴に差し込み、常時給水するシステムだったのですが、スポンジが縮んでしまい、うまく機能しなくなったので、今はスポイトで随時給水しています。

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円盤部分のアリの小部屋の天井は取り外しができるようになっていて、清掃やアリの引っ越し時には役に立ちそうです。
 現時点での問題としては、組み立ての説明書がなく大変苦労したこと、厚めのアクリルでできているので重さがあること、ネジの頭が底の部分に露出しているので床やテーブルを傷つける恐れがあること、数年でスポンジが収縮してしまうことが挙げられます。
 この巣のメリットはとにかく部屋の中で存在感があることです。部屋を訪れた人は誰でもこの巣に注目し、中に大量のアリがいることにびっくりします。

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