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忘れていた理由②GIRL(TMと花ゆめ)

 多分「あの頃の気持ち」は、何を失っても自分の人生の一番最後まで残るもの、だと実感する年になったんですね。
 なので思い出せた時にせっせと。

今が幸せだと確かめながら恐る恐る思い出すと、他人に自分を蔑ろにされるという事に対し、「女子供・若輩だから仕方ない」と受け入れがちだった世代。
地元を離れ、色々な人と出会い学びは多かったけど、しんどい思いもありました。
そんな中、一番きつい時になぜか自然と口ずさんだTM NETWORKの歌でした。

女性としての自分を意識することを「いやらしい」と刷り込まれていたが故にきちんと意識できてなかった生まれつきの身体的個性が元で、多くのセクハラや犯罪にさらされ混乱。
「自分が悪い」からとうとう、「大事にされるべき他の子が辛い思いするより、ダメな自分がこういう悪意を引き受ける役目なのかな」と思う所まで来ていました。

そんな気持ちを抱えながらの、なかなか慣れない寒い土地で無表情になる。
そんな中遅くまで研究してからの生活費稼ぎに向かう自転車の上で、ふと
「Resistance」が自分の中に流れ、いつの間にか、途中で歩いてしまっては怖い思いをしていた急な坂を越えていました。それからはいつも歌いながら登りました。

犯罪真っ只中で諦めそうになった時も、そこは記憶を飛ばしているけど、なんか力づけられた気がするし、
その後の落ち込みに寄り添い、やっと素直に泣かせてくれたのは「GIRL」の記憶でした。

まさしくGIRLだった頃の自分が「好きな歌だなんて恥ずかしくて絶対秘密!」と思ってて、失礼な話、今でもまだ恥ずかしいのですが。

「いつかこんなに愛してもらえる日が来るかもしれない」という希望を、私の甘さを自制する心の壁さえ越えて届けてくれた歌だったと、今になって理解しています。

この「GIRL」はなぜか娘が生まれた時も思い出し、その時からずっと私にとってのGIRLは絶対的に娘です。
悪い所もあるけど、結局素敵で自由で可愛くて全て好き!と、一生恋い焦がれるような娘への気持ち。
それが今の私にとっての「GIRL」です。





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