ずっと、イケてる方になりたかった。その1

ずっとなりたかった。そっち側に。イケてる方に。憧れていた。

中学校で環境が変わって、話せなくなった。ほんとに話せない人ばかり。女子なんてなおさら。教室の隅っこ。元気な中心人物たち。みんなかっこいい。おしゃれなアイテム。あんなバッグや財布、服なんてどこで買うの?そんなお金どこにあるの?

つまらない。

高校になるとさらに格差が広がる。みんなどんどん垢抜けていく。「あいつとあの子が付き合ってる」という言葉が少しずつ増えていく。そんなことには無縁なおれ。どうやったらあんなにかっこよくなれるの?

そんなおれだけど、どの学年クラスになってもいつも好きな子ができる。気づかないようにその子を見つめる。それしかできない。

あのときなんか、あの子すごい好きだったけど、遠くから見るだけ。何もできない。席も遠い。近くの男子が話してる。羨ましい。

もうめちゃめちゃ可愛いかった。あるとき、学祭で彼氏を連れてきてた。バイト先の先輩らしい。バイトなんておれはしたことがない。違う世界。まったく手が届かない。

光の当たる場所が無い。輝く場所はどこに??

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