【ショート】罪対罰
私は旅の道すがら
何人かの「魔女の器」と出会った
私は聖杯と魔女の力を探し求めていた
時代の変革には
どうしてもそれらが必要だったからだ
しかし、魔女の器たちは
彼女らによる啓蒙の途上で
彼女らの招いた尊大さから
彼女ら自身が得た智慧と叡智
つまり彼女らの魔法によって
彼女らの身を滅ぼしつつあった
本来、彼女らの護衛を務める騎士として
また彼女らの増長を杭止める楔として
その役割を果たすために
我々男は存在していたはずだった
しかし、いつしか魔女そのものを恐れ
魔法に裁かれることを恐れた男達は
その力を封じるために
魔女狩りという愚行と大罪を犯した
魔女らは命を守る為にベールを被らざるをえず
男達はベールから選別される運命を辿る
魔法はかくして秘匿され
罪と罰が争うようになる
過ちの歴史の系譜
終止符
救済
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