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5月3日(1995年) 完璧なクロス、まぐれのゴール?

1995年5月3日のV川崎(現:東京V)戦は、その年のイヤービデオにも収録されている印象深い試合だった。特に水内のクロスから岡野が飛び込んで決めた同点弾は、この試合のハイライトともいうべき、胸のすくようなシーンだった。

左サイド深く出されたパスに、ゴールラインぎりぎりで水内が追いつくと、ダイレクトでクロス。野球の外野フライのような軌道を描いた山なりのクロス。しかし、いったんボールを止めてからではなく、無理な体制からダイレクトでクロスを蹴った水内の判断が良かった。相手DFが戻り切れず、GKも飛び出せない位置に飛んだクロスに、岡野が猛然と飛び込む。ショートバウンドに岡野が伸ばした右足がぴったりと合い、鋭い軌道のシュートとなってゴールネットを揺らした。

イヤービデオでこの試合を取り上げたアナウンサーの上野晃氏が、「後で水内が言っていたんですよ。僕のクロスは完璧です。岡野のゴールは完全まぐれです」という話を紹介していたが、その水内の言葉の真偽はともかく、この同点ゴールのシーンは何回見ても痛快そのものだった。

試合はPK戦で当時絶頂のV川崎に勝利したのだが、V川崎を倒したことと同時に、水内、岡野コンビで奪った同点ゴールのシーンが強烈な印象を残した、浦和サポにとっては至福の試合の一つと言える、1995年5月3日の記憶である。

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