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7月27日(1994年) ウーベ・バイン

歴代の浦和の外国人選手で印象に残っている選手は、との問いにギド・ブッフバルトの名を挙げる方は多いだろう。実際、私もその一人である。だが、ギドと同時に浦和にやってきたバインの名を挙げる方は、ギドよりは少数であると思う。バインの活躍も特筆ものだったのだから、残念だ。

ギドが守備の強化に貢献したのなら、バインは攻撃の活性化に活躍した。バインから福田、岡野らへのパスは、受けた者が攻撃しやすくなるような見事なものだった。1995年の福田の得点王も、バインの存在なくしては為し得なかったと言って良いほどだった。バインー福田のホットライン、という言われ方もした。

バインのプレーぶりは見た感じ狙ってパスを出しているようには、あまり見えなかった。どちらかというと、いい加減に前線に蹴っている、と見えるシーンが多々記憶に残っている。ところが、パスの先には福田や岡野らがきっちり走り込んでいる。何度、驚かされたことか。当然、相手のマークはきつくなるから、お世辞にもフィジカル的に強そうには見えないバインが何度も倒れ、痛そうにしているシーンも見た。それでも、前線に正確なパスを供給し続けたのだから、「恐れ入りました」である。

1994年は、まだ浦和が弱かった時である。そんな中、ギド、バインの加入で(よくぞ獲得してくれたものだと、今でも思う)鹿島をアウェーでやっつけてくれた1994年7月27日は痛快な一日だった。当日は仕事だったが、結果を知り、帰宅して飲んだビールが美味かった。

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