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12月29日(2005年) 最後の休日

この年と翌年、その年最後の休日を天皇杯準決勝の日に合わせて取った。当時は元日も仕事で決勝戦への参戦が不可能だった為、「せめて準決勝は」という気持ちでスケジュールを組んでいた。

この日、旧国立に入場すると、さっそく高円宮杯U-15選手権決勝が行われ、浦和ジュニアユースが登場した。相手のF東京U-15深川がウオーミングアップに登場した時からブーイングが起き、トップチームの試合さながらの雰囲気になった。F東京U-15深川の選手にとっては、生まれて初めて味わうだろうアウェーの洗礼(中立地開催だったが)で気の毒な気持ちもしたが、浦和ジュニアユースのために私もブーイングの輪に加わった。

試合は浦和ジュニアユースの強さに目を見張った。ワンタッチでパスが面白いように繋がる。スタンドでは「何で、あんなにパスが繋がるんだ」と浦和サポが至る所で驚きの声を上げていた。たまにF東京U-15深川の選手がボールをキープし敵陣に入ろうものなら、物凄いブーイングが起きた。浦和ジュニアユースが快勝。カップを持ってゴール裏スタンド前に「凱旋する」選手たちの嬉しそうな笑顔が印象的だった。

気持ちよく臨んだ天皇杯準決勝。後半終了間際に追いつかれ、またしても大宮の食い下がりに辟易したのも束の間。延長に入って5分で山田暢久が勝ち越しゴール。暢久がスタンド間際まで走り込んで「どうだ!」というポーズを見せたのが、今でも頭から離れない。勢いを得た浦和は、7分後にも追加点。延長前半のうちに大宮を意気消沈させた。対戦の度にオレンジ色のユニの抵抗に苦い思いをしていた分、この延長前半の浦和の戦いぶりには、胸のすく思いだった。

終わってみれば4-2。延長戦だけを見れば「快勝」の試合だった。私は決勝進出を喜びながら、元日に控える仕事に割り切れない思いも抱いていた。やはり1年最後の休日となった翌年の準決勝でも同じ思いをすることになる。
売上が「さっぱり」だった元日営業は後に中止となり、更に2017年に私が会社を去った途端に正月3が日すべてが休日となった。実に見事な「皮肉」ぶりである。

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