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5月8日(1999年) 長続きしなかった光明

1999年5月8日のアウェー磐田戦、私はテレビ朝日の生中継で見た。この試合は、いろいろな事があった。

試合前日。記憶があいまいなのだが、「この磐田戦で浦和が敗れたら暴動を起こす」だったかの物騒な予告電話が磐田のオフィスか警察にかかってきた、という報道があった。浦和が敗れたが善戦したことで、あるいは予告が悪戯だったのか定かではないが、試合後には何も起きなかった(その予告の件が、その後どうなったかは見聞きした範囲では何もなかった)。

試合中も、主審の判定にだったと思うが、浦和サポからピッチに物が投げ込まれるシーンもあった。この時は広瀬がスタンド前まで止めに行ったのだが、確かイケイケの流れになりかけた後半の出来事だっただけに、その流れに水を差すような残念な行為であった。

そんな中、大幅にメンバーを変えた浦和が、特に後半素晴らしい戦いを見せた。0-2からの1点目は、敵陣深く入った小野が、右側を追い越した池田伸にノールックの、しかも右足外側でのパス。これを池田伸がシュートしたもの。2点目は右サイドからのクロスを、ファーに走りこんだ宮沢がダイレクトで右足で合わせゴール。3点目は、浦和の勢いに押されたのか、相手DF前田がヘッドをミスしたボールがそのまま磐田ゴールへ。絶頂期だった磐田が浮足立っていたようにも見えた。

だが、浦和の歓喜も長くは続かなかった。1点目の8分後に3点目のゴールで突き放し、浦和が同点に追いつくと、直後に決勝点となる4点目を決められてしまった。浦和の勢いに受けに回っても、要所要所で得点し、勝ち切ってしまう磐田の底力を見せつけられた格好になった。

それでも敗れたとはいえ、この日の浦和の戦いぶりには、不調が続く中に一筋の光明を見出させるものだった。だが、磐田戦の後半同様、見出した光明も長くは続かず、この試合限りとなってしまった。


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