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私が好きなヨーロッパの小さな街々~クラコフ~


クラコフ

隠れた中欧の古都 まずはヨーロッパ一の広場・中央市場広場へ


大きな大きな中央市場広場、真ん中に建つのは繊維
会館 Wikimedia commons
大きな大きな中央市場広場、真ん中に建つのは繊維会館

ヨーロッパの街には魅力的な広場がたくさんありますが、クラコフの中央市場広場は私にとってナンバーワンの広場です。

これまでに訪れた広場の中で印象深いところをあげますと、
建物一つ一つに見入ってしまうブラッセルのグランプラス、スペイン独特の周廊があるマドリードのマヨール広場、ダビデ像がルネサンスの都を思い起こさせるフィレンツェのシニョーリア広場、丸屋根のサン・マルコ大聖堂を一辺とし、海に開けたヴェネチアのサン・マルコ広場、そして中央にヤン・フス像と時代の異なる建造物が調和したプラハの旧市街広場と・・・。

どれも他にはない個性的な広場です。

そして、これらはかつて城壁の中(ヴェネチアを除く)にあって、
その中心を成した広場のため、概ねどこも同じようなサイズの広場ですが、クラコフの中央市場広場は断トツに大きく、スケールが違い、圧倒的でヨーロッパ最大の広場といわれます。

この広場ができたのが14世紀といいますから、当時からこんな巨大な広場であったはずですし、如何にクラコフという街が繁栄し、富の蓄積があったかを物語っていることにもなります。

今はポーランドの南部にあるひとつの地方都市ですが、本当はプラハやドレスデンやウィーンと匹敵する中欧の古都としてもっと輝いていいはずですが、地理的に行き難いこともあって、これまであまり注目されてきませんでした。


広場の花屋さん、クリスマスリースは安くて素敵
イトアップされた夜の広場を歩いてみては
観光馬車に乗るのも楽しい

私はこれまでクラコフに3度足を運びましたが、まだこの広場をすべて歩いてはいません。

ぐるっと一周するだけでも小一時間はかかるでしょうか。

そして真ん中には壮麗な繊維会館という建物もあります。

3度目に訪れた時、その繊維会館の地下を訪れました。

階段を降りると中世クラコフの町の基盤がよく残っており、
あるところはガラス張りになっていて石壁や梁の一部がそのまま保存され、3D動画を駆使して当時の町の様子を再現しており、視覚的にも中世クラコフの繁栄を知ることができます。

そしてこの広場の中で最も目立つ存在が聖マリア聖堂で、
壮大なゴシック様式の外観もさることながら、内部はピンクと青を基調とした鮮やかな装飾で描かれ、中央には見事な木彫りの祭壇とその背後にステンドグラスがあり、素朴な外観とは対照的に煌びやかな内部となっています。

そしてこの教会には面白い話があって、「聖マリア聖堂のラッパ吹き」という物語です。

昔、クラコフにタタール人が襲撃して来た時、そのことを街中に知らせるためにラッパ吹きが尖塔の上からラッパを吹いたという話で、
実は今でも毎時、それも24時間、当時のように人(現在は消防士だそうです)がラッパを吹いて時を知らせます。 

他にも説明したいものが山ほどありますが、まずは行ってみてください。


ゴシックの聖マリア教会
内部の装飾も美しく、見事な祭壇もある
丘の上にある王宮、手前は王宮の大聖堂

このクラコフはこの中央市場広場の他にも、沢山訪れるべきところがあります。

かつての城塞都市クラコフの城門と要塞そして城壁がよく残っています。

また、小高い丘には歴代の王の居城ヴァヴェル城と大聖堂
数少ないダ・ヴィンチの作品「白貂を抱く貴婦人」を蒐集するチャルトリキス美術館、かつてクラコフに住んだユダヤ人街カジミエッシュ地区
そして映画シンドラーのリストのロケ地・旧オスカー・シンドラー琺瑯工場などなど、数えきれません。

その厚みに圧倒されるのですが、実はクラコフは京都と姉妹都市でもあり、歴史の都でもあります。


王宮内部
かつてユダヤ人街であったカジミエッシュ地区
シンドラーの工場跡の看板、今は博物館となっている
左から王宮へ続く道
ダ・ヴィンの作品「白貂を抱く貴婦人」
Wikimedia commons出典
現在もよく残っているクラコフの城門と城壁

さらに郊外に目を向ければ、世界遺産第一号のヴィエリチカ岩塩坑(地下130mに広がる宮殿や礼拝堂など見ごたえたっぷり)、今は世界中から年間200万人以上が訪れる負の遺産を知るアウシュヴィッツ強制収容所もあり、最低でも4~5日の滞在は必要です。


ヴィエリチカ岩塩抗の美しい地下宮殿
アウシュヴィッツ強制収容所「働けば自由になる」とかかれた入口
ビルケナウ収容所、線路が印象的

鹿野眞澄

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