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エンゼルス・大谷翔平選手と仲良しな同僚のホセ・スアレス選手、ルイス・レンヒフォ選手などの出身地である「ベネズエラ」が興味深い。

野球大国ベネズエラ

2022年のMLBシーズンも佳境を迎えています。(去年書いています)
残念ながら大谷翔平選手所属のロサンゼルス・エンゼルスはポストシーズン進出を逃したので、一足早くオフに入りました。

よくありがちですが、私も大谷選手目的に去年からメジャーリーグを見始めた新参者です。
去年に引き続き今年も大活躍だった大谷選手。大谷選手の実力は言うまでもなく、同僚選手たちとの仲睦まじい姿が魅力でもありますよね!

大谷選手と仲の良い選手はたくさんいます。

その中でも今回は個性豊かな選手たちである
ホセ・スアレス選手
ルイス・レンヒフォ選手
ホセ・キハダ選手

そしてシーズン終盤にすい星のごとく現れ、来季への期待の星となりそうなリバン・ソト選手

彼らの出身国である【ベネズエラ】を、経済を中心に見ていきたいと思います。

いつも応援している選手たちの出身国がどのような国なのか気になりませんか?
少しでも知ることが出来れば、さらに選手を身近に感じられて応援にも身が入るに違いありません!

エンゼルスが好きな方も、野球にまったく興味がない方も、日本から遠く離れた国ベネズエラがどんな国なのか一緒に見ていきましょう!


https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/venezuela/index.html


MLBを見始めると中南米の選手が数多く活躍しているのが分かります。
ベネズエラも例外ではなく、ベネズエラでは野球が国民的スポーツとなっているようです。

1895年に野球が始り、1945年にプロリーグが創設されました。
シーズンは毎年10月から1月ということなので、今はシーズン真っただ中です。
ベネズエラでの野球の歴史は長いようですね。たくさんの偉大な選手がベネズエラから誕生しました。


基本情報

ここで、ベネズエラの基本的な情報を確認しておきましょう。

https://flagcolor.jp/venezuela/
出典:FlagColor


・国名 ベネズエラ・ボリバル共和国
・国土 面積約91万平方キロメートル(日本の2.4倍)
    南米大陸の北端に位置している
    国土の40%が自然保護区域
・元首 大統領:ニコラス・マドゥロ・モロス
・人口 2851万6000人(2019、国連統計)
・首都 カラカス
・言語 スペイン語
・宗教 カトリック96%
・通貨 ボリバル・ソベラノ

ベネゼエラの産業といえばなんと言っても石油産業です。

1913年に油田が発見されるまでは、コーヒーとカカオを主とした大規模農業の国でした。




ところが、1926年に石油が最大の輸出品となり、経済は石油に大きく依存するようになります。

現在でもベネズエラは世界最大の原油確認埋蔵量があるとされ、
その量は2,983億5,300万バレルにのぼります。
石油生産と石油輸出では、ともに世界第9位となっています。

資源の乏しい日本からすると、こんなに石油・原油資源が豊富なのはとても羨ましいですよね。
さぞかし経済成長するだろう・・・・
と思いますがはたしてどうでしょうか。



石油によって経済繁栄をした一方で、石油のみに依存する経済体制が出来上がりました。

なんと石油部門がGDPの1割強、総輸出の約90%を占めていますし、国家予算の歳入のほぼ半分を占めています。

まさに石油で成り立っている国といっても過言ではありません。


そして結論から言うと、ベネズエラはなかなか厳しい状態が長年続いています。
ハイパーインフレーションが起きたり、通貨の切り下げを行ったり。
失業率は2018年で35%にものぼり、身代金目的の誘拐事件や麻薬関連犯罪が発生しています。
殺人、強盗などの件数も高い水準です。

わたし自身、ベネズエラのことはほとんど知りませんでした。
「そういえばお金でかごを作ってた国があったなぁ。あっ、それがベネズエラか!」
と、再確認したのですが、それくらいの知識しかなかったです。
 (お金の価値が文字通り紙屑になり、お札で商品を作って売った方が
  ましだった)

ですので、今回初めて知ることがとても多かったです。
正直、日本で暮らしていると想像しがたい状況です。


今の日本の現状では、ハイパーインフレーションは起きようがない
わたしは考えています。
一方、ベネズエラではなぜハイパーインフレーションが実際に起きたのか。そしてなぜ経済が発展せず、不安定なままなのか。

ズバリ!!国の政策が大きく関わっている事がよく分かりました。

ベネズエラは21世紀の社会主義を掲げて、政府が国民の経済活動を制限しています。
21世紀の社会主義って日本人の感覚からするとなかなか強烈な感じがしないでしょうか。

たしかに自由市場、自由貿易など、完全に経済を自然にまかすことは危険だとおもいます。やはり国がある程度マクロな視点で政策を行うことは必要だと思います。
しかし、その肝心の国の政策を間違えると、国がここまでめちゃくちゃになり国民の生活が脅かされるということが、ベネズエラからよく分かりました。
政治と経済がいかに密接な関係かということが分かります。
そういう面ではとても興味深い国といえます。

では、どのようにベネズエラが泥沼ともいえる状況に陥ったのか経緯を見ていきましょう。

ベネズエラの歩み

ほんとうにめちゃくちゃザっとベネズエラの経緯を確認すると次のような感じです。

1959年にベタンクール大統領が就任。石油収入を背景に民主化が進みま    
 す。
 「ベネズエラ民主化の父」と呼ばれ、二大政党制の基礎が築かれました。    
 しかし、同時に革命左翼運動のゲリラ活動が活発になります。
1964年3月、ベタンクール大統領が退陣。初めて任期を全うした大統領に
 なりました。それ以降は短期政権が続くことになります。

1970年代に入り、経済危機と政治の腐敗が進みます。

・1976年には石油国有化をして、ベネズエラ国営石油公社(PDVSA)を設立
 します。
・オイルショックによる原油高で経済が潤います。
 そして大規模な公共投資を実施しますが、石油依存経営は徐々に破綻に
 向かいます。

・1980年代は、相変わらず豊富な原油や天然資源に支ええられ、莫大な外貨
 収入がありながらも貧富の差が拡大します。
・88年には消費者物価指数が40%を超え、貧困層が増加しました。

・1990年代に入ると、ガソリンの価格があがり続け、政府の経済政策は混迷
 を続けます。

・このような中、チャベス大佐が軍事クーデターを企てます。
 結果的には、1998年に大統領選挙に出馬し、貧困層の救済を掲げて当選し 
 ます。そして1999年に第53代大統領に就任しました。
・このチャベス政権は「21世紀の社会主義」を掲げ、抜本的な政治改革を
 行いました。

(このチャベス大統領の誕生はベネズエラにとって良くも悪くも大きな転機になりました。)

・2013年3月、チャベス大統領(58才)が死去したことが発表されました。
・その後マドゥロ氏(当時、副大統領)が同年4月の大統領選挙を経て、大
 統領に就任します。
2022年現在、マドゥロ政権が続いています。


ほんとうにザっと歴史を振り返ってみましたが、とにかく石油の影響が強いです。

なんといっても、21世紀に入ってからのチャベス政権とマドゥロ政権が
今のベネズエラを作ったといっても良いとおもいますので、さらにもう少し詳しく見ていきたいと思います。


チャベス政権

では、まずチャベス政権についてみていきましょう。

2000年以降、原油価格の上昇によって、ベネズエラ国営石油公社(PDVSA)の利益を財源として大規模な財政出動を行いました。
やはりカギになるのは石油ですね。

PDVSAは国有企業にも関わらず、1990年代の後半までは経営や石油の専門家によって運営されていたので、政府からは独立性がありました。

そのような中でチャベス政権は、PDVSAに貧困層への貢献度の拡大を求めたので、PDVSAの経営陣と対立することになります。
2002年にはクーデターが起きて一時的にチャベス大統領は権力を失ったり、
大規模なストライキによって石油生産が完全に止まることもありました。

最終的には反チャベス派を一掃して、PDVSAを完全に支配下におきます。
PDVSAの幹部や、国際石油資本の経営者など一部の人が受けていた恩恵を、社会開発事業に使い貧困層の生活を向上させました。
さらに貧困層への無料診療制度、農地改革などを行い、支持を高めていきました。
為替管理や統制価格の導入を行い、まさに21世紀の社会主義を推し進めました。

2002年には混乱もありGDP成長率がマイナスになりましたが、2004年には18.3%という高い経済成長率も達成しています。
それまで長期に渡って伸び悩んでいたGDPは、チャベス大統領在任中の1999年から2012年にかけて、年率3.4%の安定的な経済成長を遂げました。

出典:IMF


出典:IMF
(単位10億ドル)


上層部の腐敗や汚職、政治の私物化の抜本的改革を進め、貧困層を救おうとした立派な大統領だったと思います。
しかし、志は素晴らしいと思いますが、改革のやり方は少しまずかったかもしれません。

独裁体制を強めて、反米主義や反自由主義、反グローバリズム、そして民族主義を進めました。

そのこと自体をわたしは悪いとは思いません。

自由主義やグローバリズムは貧富の差を広げますし、経済を立てなおすために保護貿易をするのも良いと思います。反米主義についても、アメリカは他国にたいして理不尽で不平等を押し付けるところがありますので、反米主義になる国があるのも理解できます。

やはり一番の問題は経済が石油に大きく依存している構造です。
PDVSAの腐敗を正し、利益を国民が享受できるようになったのは良かったのですが、それまで石油の専門家が運営をしていたのを、素人が管理するようになったためにうまく運営できなくなってしまったのです。

なんせ素人ですので管理や再投資がうまくできず、施設の老朽化が進んだり、優れた技術者の流出につながってしまいました。
結果的に生産量が減ってしまいます

チャベス政権の前までに、すでに石油依存型社会が出来上がっており、都市部への人口集中や他の産業の衰退が進んでいました。

そんな中で石油事業までこけると大変ですよね。他の産業で補填することも出来ません。

チャベス政権はPDVSAで得た利益をバラマキのように貧困層に使っていましたが、他の産業が育つように投資するべきだったかもしれません。
しかしながら、日々の暮らしが厳しい貧困層にとっては、ありがたい政策だったと思います。

問題は、ベネズエラが基本的にインフレで苦しんでいたという事です。
十分な供給がないまま、需要を増やしてしまうとさらにインフレが進むことになり、政治のかじ取りは一気に難易度があがります。


そもそも、発展途上国と先進国の違いが何かといえば、国内で様々な財やサービスを生み出して供給することが出来るかどうか、ということだと思います。

仮に天然資源がたくさんあって、お金をたくさん稼いだとしても、国内で食品や日用品、電気や道路といったインフラサービスが存在していない限り、買いたくても買えません。
お金がいくらあってもないものは買えないのです。

仕方がないので他国から財やサービスを輸入することになりますが、それは世界情勢や政治的な影響を受けやすく、安定した社会をつくることが難しくなります。

結果的にハイパーインフレーションを引き起こす事へとつながってしまうのです。
まさに供給が需要に対して大きく足りない状態です。

とはいえチャベス政権も何もしなかったわけではありません。
経済発展にとって大切な鉄道網再建を優先的に行いましたし(19世紀に建設されたままの鉄道だった)、「国内生産分野の発展」を目指すために輸入依存度の高い農業や食品加工業、自動車産業の国内生産を進めています。
が、なかなか上手くいかないのが実状のようでした。

チャベス政権は石油事業のほかにも、21世紀の社会主義を実現させるために、2007年には通信、電力、食料品会社の国有化にはじまり、2008年に製鉄、建設、金融を、2010年には農業や住宅関連などを、2011年には金鉱山開発部門まで国有化や改革を進めました。
2002年から2012年までに1000件以上の民間企業が国有化されたようですが、補償金の支払いがされなかったケースが多いなど問題もありました。

そして政府の保護、介入により非効率な体質を生み、国際的な競争力が低下していきました。

このように言うと、企業の国有化は悪だ!!と捉えられてしまいそうですが、本当にたいせつな事業や産業は国有化されてもいいと思います。
国有化されないまでも、電気や水道、鉄道や農業など一定の品質を保つための補助金を出すのもいいと思います。

やはりそこはバランス感覚が大切ですし、国によって事情は異なりますから、国有化企業は絶対悪だ、というように0か100かで言えないところが難しいところです。


マドゥロ政権

チャベス政権だけでも、他国との思惑のなかで起きる出来事を含め、興味深い出来事がたくさんなのですが、そろそろ現政権のマドゥロ政権に話題を移していきたいと思います。

前政権の21世紀の社会主義を引き継いだマドゥロ政権は、すでに悪化していた経済も引き継ぐことになります。
治安の悪化や巨額の財政赤字、高インフレ、外貨不足・・・
問題の山積みです!!

ここから怒涛の展開なので一気にいきます。覚悟してくださいっ

2013年にチャベス大統領死去により、マドゥロ政権が誕生します。

経済が悪化している所へ、さらに間が悪いことに2014年後半から原油価格が下落します。

https://ecodb.net/commodity/crude_wti.html
出典:世界経済のネタ帳



マドゥロ大統領はチャベス前大統領ほどのカリスマ性がなく政治的混乱もあり、2014年には実質GDP成長率はマイナス4.0%となります。(前年度は1.3%のプラス成長)
これ以降マイナス成長が続くことになります。



原油、石油製品の輸出原油価格の低下により外貨獲得が落ち込んでしまいます。

出典:中央銀行
(単位100万ドル)


外貨不足のなか対外債務支払いを最優先するために、民間の輸入決済用外貨の供給が制限されて輸入が減少。(←おそらく、固定為替制度を維持するために輸入のための両替を減らしたかったのだと思います。)

(ちなみにベネズエラでは外貨の獲得が死活問題なので、輸出で得た外貨の20%は中央銀行に売却する義務があります。)

国内の企業や産業で国民の需要が満たせない中で輸入が落ち込むと、モノが不足するのでさらに高インフレへとなっていきます。

生活必需品まで不足するので、治安も悪化していきました。

歳入のほとんどを原油の輸出収入にたよっていたため、石油関連の税収が落ち込むと、財政が悪化。公共事業の削減や、補助金カットなど緊縮財政を始めます。

ベネズエラは2003年から固定為替相場をとっており、対外債務も膨らんでいました。
(貿易赤字をはじめとする経常収支が赤字だと、固定為替相場を維持するために自国通貨を買い戻す外貨が必要となり、外貨建て国債を発行しなければいけません。ちなみに、日本は必要がないので外貨建て国債は発行していません。)

そして2017年にとうとう対外債務の支払停止し、デフォルトを起こします!
国際金融市場からの資金調達は不可能となりました。

デフォルトを起こしたかとおもえば、次は2018年からハイパーインフレが発生です!


出典:中央銀行


2018年8月に政府は通貨単位を10万分の1に切り 下げるデミノを行いました。
(2021年10月には100万分に1に切り下げるデノミを実施しています。)

さらに財政赤字によって、電気、ガス、水道などの基礎的サービスが悪化します。
2019年以降、メンテナンス不足のためだと思われる大規模停電が発生し、国民の経済活動にますます支障をきたすことになります。
そうして国民の国外脱出が加速しました・・・っ。


ふうっ、なんだか書いているだけで疲れるような、ものスゴイ展開なのですが、さらに経済に追い打ちをかけることがあります。

歳入のほとんどを原油の輸出収入で賄っているので、原油の価格低下は大大大問題なのですが、

なんと!

そこに追い打ちをかけたのがアメリカを中心とした経済制裁です。



カリスマ性が乏しい&経済の悪化により、政権初期の頃からマドゥロ政権に対する反政府運動がおきていました。

この反政府運動への弾圧を理由として、オバマ政権は政府関係者のビザ発給停止や、米国内の資産凍結などの経済制裁を行いました。
さらに2019年トランプ政権では、ベネズエラの命ともいえるPDVSAの米国企業との取引を禁止し、PDVSAの米国内資産凍結。事実上の石油禁輸措置となりました。

(アメリカさんえぐい・・・)
(もろに内政干渉やんけ・・・)

またベネズエラの原油は重さのある重質原油なので、精製するためにナフサなどの希釈材をアメリカから輸入していましたが、それも制裁によって困難になりました。
2019年、アメリカとベネズエラはお互いの大使館を閉鎖するまでに関係は悪化していました。

現在、バイデン政権はベネズエラへの経済制裁の一部を緩和する方針を示しています。直ちに石油禁輸措置が大幅に緩和されるわけではありませんが、2022年6月に米国国務省がイタリアやスペインの石油会社に対し、ベネズエラ産の原油を欧州向けに輸出することを許可したということです。

(第三国まで制裁を強要していたアメリカさん・・・何者やねん)

ロシア、ウクライナ危機によって、ベネズエラの資源を巡る状況も変わっているのでしょう。
文字通り、世界の構造を変えてしまいそうなほどの影響力がある今回の危機だと思います。



デフォルトからのハイパーインフレーションと、どん底を経験したベネズエラ経済。
2019年には脅威のGDP成長率-35%、さらに2020年も新型コロナの影響によって-30%を記録しました。

出典:IMF


厳しい状況のベネズエラですが、2021年にはノルウェーの仲介によって政権側と反政府側の政治交渉がはじまりました。
そしてなし崩し的ではありますが、変動相場制への移行や、外貨管理制度の廃止などが進み、民間セクターの動きが活発になっています。
まだ割高ではありますが、街中で大半のものは手に入るようになっているという事です。
また、通信や石油などの国営企業の株式の一部を売却して、その資金で国内への投資をすることも発表されました。
まだまだ問題は山積みですが、2022年もプラス成長が見込まれています。
経済制裁がなくならなくても経済成長していくという見通しらしいので、明るい兆しがみえているといってもよさそうです。

ただ、そのあゆみはゆっくりとしたものになりそうで、対外債務の返済や、大きく縮小してしまった経済規模を回復するのはまだまだ時間がかかりそうです。

なんせ2012年のピーク時から比べて、いまだにGDPは7分の1ですからね。
GDPが7分の1ということは、単純に考えれば国民の所得が7分の1になるということです。
あなたの所得が7分の1になるということです~~!!
ほんと恐ろしや~ですよ。


まとめ

厳しい経済状況や高い犯罪率がありながらも、国民には助け合いの精神が根付いており、それを実践することによって乗り越えた部分も多いとの事です。

たしかに、エンゼルスで活躍するベネズエラ出身の選手たちはとても陽気な選手が多いですし、困難があっても助け合って明るく乗り越える力が強そうです!
(ぜひ低迷中のエンゼルスをみんなで強くしていって欲しいですっ)

また、国民の4割が外国からの仕送りに依存していた面もあるそうです。
大リーグで活躍するベネズエラの選手たちは、そういった意味でも祖国を助けているのかもしれません。

ただ、ここで大切なことは需要と供給のバランスを考えることです。
お金だけあっても、モノが無いことには買えませんからね。
供給力は大切です。

特にベネズエラに関しては様々な産業に対して、全体的に供給力の強化が必須といえます。
国内の供給力が乏しいためにハイパーインフレーションが起きたと言っても良いですから。


しかし、これをそのまま日本に当てはめてはいけません。
なぜなら日本は需要が足りないデフレ状態だからです。

多くの人が、魅力的な商品を生み出せない日本の企業に問題があると思うでしょうが、そもそも需要がないと企業の生産活動が制限されます。

それはそうでしょう。いくらモノやサービスを生産したとしても、消費してくれる人がいなければ意味がありません。
供給力の維持というのは、需要があって初めて成り立つのです。
この【需要面】を多くの人は見落としている気がします。


国民全体の所得のパイが増えないなかで良い製品を生み出して売上を増やしても、他の企業の利益を奪っているに過ぎず、日本全体の経済成長に直結しているわけではないのです。

一企業の利益が増えることは、ミクロ的には良い事でしょう。
しかしもっと大きく、マクロ的に日本経済を見たときに、無駄だと思えることにも消費できるような経済構造にすることこそ、供給力の維持が保たれて経済成長にも繋がるのだと思います。

今の日本は【無駄】を許しません。みなさん切り詰めて本当に必要な事にしかお金を使わない、もしくは使えないのではないのでしょうか。

しかし実際のところ、平時の【無駄】をどの程度許容できるかによって国力が決まるのです。

・・・・・・・・



あら、失礼しました、この記事は日本ではなくベネズエラの記事でしたね!


ベネズエラは石油産業で外貨を稼ぐことと同時に、国内の様々な産業の供給力を高める政策を取るべきです。
例えば食料や日用品の供給力強化、電気や通信、道路や鉄道などのインフラを整備するのが良いのではないでしょうか。
供給力が安定するまでは、21世紀の社会主義の名の元で様々な産業を育成するのも一つの手だと思います。


そして、多国籍の選手たちが協力して切磋琢磨しているメジャーリーグのように、
経済面でも国同士が助け合うところは助け合って一緒に発展していければいいのにな。

な~んて言ってみたりして(笑)

現実は・・・・

厳しいです。


日本もうかうかしていては生き残れません。

これからも他国の状況を見て勉強しながら、日本はどうするべきか考えていければな~と感じました。


今回はここまでです。


今から2023年の開幕が待ちきれませんね。
ベネズエラの選手たちの活躍が楽しみで仕方ありません!




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