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世界がやってきた!

「世界一希少なこだわりの日本酒で、世界一になる!」と決め、口にし続けていた2022年8月22日のこと。

飛騰燈火のプレスリリースに掲載していた私のメールアドレスに、1本のメールが入った。

日本で撮影コーディネーターをしているという男性からで、イギリスの番組制作会社がリサーチをする中で、飛騰燈火の日本酒NFTを取材したいと考えているという内容のものだった。

本物には必ず本物だけに拓かれる道があり、世界のほうが必ず気づくはずだ、と信じていた私にとって、とても嬉しい連絡だった。

その後のやりとりで、取り組みについて、HPには書けなかった想いやこの酒が生まれるまでの背景などを伝えた。
制作会社は、BBCやNATIONAL GEOGRAFIC、Netflixなどの番組を制作しているFuture Studios。アメリカ最大級の仮想通貨取引所であるcoinbaseと共同制作となるとのことだった。

9月半ばにイギリスからクルーが来日し、新潟県山古志のNishikigoi NFTとともに、同県内に住み今回のお酒の原料米を作ってくださった戸邊秀治さんの田んぼでロケをし、パッケージの浮世絵や、私のインタビューも収録したいという話になった。
急なことだったけれど、戸邊さんにご相談すると、ちょうど稲刈りにあわせての撮影を承諾してくれた。

ところが…。

その後、撮影コーディネーターさんの変更や、コロナ禍で制限がかかっていた日本への旅行が解禁されたタイミングであったためクルーのビザがとれなくなったこと、制作会社の部署異動で担当が入れ替えとなり仕切り直しになったこと、海外にクルーが散っていて打ち合わせができず台本が間に合わないこと、などの理由で、何度も予定が変更になった。その度に、撮影内容を変更するしかないのではという話になり戸邊さんと相談、宿も取り直す。

一時は、日本の撮影部隊だけで撮る、という話にもなり、これだけ変更があると撮影自体がなくなってしまったらどうしよう・・・と不安になったけれど、二転三転の末になんとかイギリスのクルーが来日できることになり、ロケは10月31日と決まった。

前日10月30日、地元長野で娘とハロウィンのイベントを楽しんだ後、夕方に新潟へと出発した。
翌朝早めに宿を出て戸邊さんのところへ向かう私に、撮影コーディネーターさんから「ロケバス2台で向かっていますが、予定より遅れてしまいそう」との電話。
田んぼの日当たりがよいのは午前中早めの時間だけだったこともあり、また不安になりながら、戸邊さんのお宅でクルーを待った。

予定より1時間ほど遅れて、ロケバス1台目が、まず先に到着した。
日本人の、通訳の若い女の子が車から降りてきて遅れたことを詫びた後、残りのクルーの到着までしばらくかかると伝えてくれた。
彼女は、「私はメイです!」と無邪気な満面の笑みを浮かべながら言った。生まれてからのほとんどをアメリカで暮らしていたという彼女は、苗字を言わなかったけれど、もしかするとメイというのもニックネームか何かなのかもしれないけれど、少しも気にならなかった。

ロケバスをのぞき、クルーの二人に挨拶をした。私は英語が話せないので、自分で口にしたのははじめの「Nice to meet you!」だけ。あとはメイちゃんが英語で、私のことを紹介してくれた。(「Shiba-san」の部分しか聞き取れない始末)
乗っていたのは、長髪で色白な北欧系の若い男性と、巻き毛で褐色の肌をした中年の男性。すでに国際色豊かだ。

今の今まで不安だったけれど、「本当に、"世界"がやってきた!」と、信じられない気持ちと喜びで、胸がいっぱいになった。

※写真はご本人の許可を得て掲載しています。

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