将棋棋士戸辺誠七段とのご縁

15年ほど前、テレビを観ていたら「日本一高額の米はどこが違うのか？！」と、新潟県の戸邊米なるものが紹介されていた。

その時は、何か別の作業をしながら映像を観ていたこともあり、内容をしっかりと把握できなかったのだけれど、それからしばらくたってから「戸邊米って、戸辺誠さんのお父さんが作ってるんだよ！」と友人から聞いて驚いたのを覚えている。

私自身は全く将棋を指さないしルールもロクに知らないので恐縮ながら、それ以前から佐藤天彦九段(現在)や島井咲緒里女流など将棋棋士の親しい友人がいて、その繋がりの中で、戸辺誠七段(現在)やご家族にお会いしたことがあったのだった。

日本酒の企画を思いついた時、日本で最も質が高く希少な米を使いたいと考え、思い浮かんだのがこの戸邊米だった。
それ以外、考えられなかったと言ってもいい。

そもそも誠さんのお父さんがまだ同じように米作りを続けているのかどうかも不明だったけれど、もし作られているのであれば、突然どこの誰かもわからない私が連絡をしてみるより、息子である誠さんから、企画についてお話ししてもらえれば、せめて一度お会いして熱意を伝える機会くらいはいただけるのではないか？と考えた。

誠さんにも10年以上会っていなかったし、直接の連絡先は把握していなかったので、小野酒造店の小野社長さんとの顔合わせを終えた直後の2021年7月末、島井女流にLINEをして、自分の企画と誠さんに話をしたい旨を伝え、連絡先を教えてもらった。

誠さんにLINEで、少量生産で世界一希少な日本酒を作ろうと動いていていること、伝統的な日本のものづくり大切にしたいこと、ついてはどうしても戸邊米を使いたい思いがあり、お父様に取り次いでいただきたい旨を伝えた。

その後誠さんからは「とても素晴らしく、自分はぜひ協力をしたいと思うけれど、父はこだわりがつよいので、乗ってくれるかはわからない。一度茜さんと自分とで話をして、その内容を父に伝えてみようと思う」というお返事をいただいた。

戸邊米を使いたいと思った時点からインターネットで過去の記事を調べ、誠さんのお父さんが強い信念のもと、米作りだけでなく生活そのものから始まって、すべてにおいて徹底的にこだわっていることがうかがい知れたので、そのお返事は予想していたものの、やはりドキリとした。

とにかくまず、誠さんの都合の良い8月8日の夜に、私たち二人で話をすることが決まった。

※戸辺誠七段のYouTubeチャンネルはこちら↓
https://www.youtube.com/channel/UCiHAedeiqrrCeiLSZlaLv3A