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帯の前幅
こんにちはものぐさ和裁師です^^
季節は雨水を迎え、次の訪れとなる啓蟄を目前に春の陽気への気持ちの高揚が隠しきれないこの頃となってきましたが、ものぐさはと言えば週に一度は着物を着て何かしらの作業をしている日々を過ごしております。
着物を楽しむ足取りも段々と軽くなってきて、次に何を縫うか?もワクワクと考えているところです。
キャプション写真で着用している久米島紬も見てくださった方皆さんが素敵だと声を掛けてくれるので、ワクワクを後押ししてくれるのこの子のお陰というところもあります(*^_^*)
○キャプションの帯
というわけで今日はこちらの帯について書いていこうかと思います。
この鹿さんの帯は 《8寸帯》と言い、別名 かがり帯・8寸名古屋とも呼びます。
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◯一般的な8寸と9寸の違い
帯には様々な種類がありますが、8寸帯は9寸名古屋帯と同様でお太鼓を一重にして結びます。簡単に一般的な違いはと言いますと
:9寸帯→お太鼓は約8寸の幅に仕上げ、そこから手先に向かってが前幅になるので8寸の半分の約4寸に縫い上げて仕立てる帯。
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:8寸帯→そもそも生地自体が出来上がりの帯幅に仕上がっている為、縫い目が目立たぬ様に必要な部分のみを小さくかがって仕上げる帯。
(かがって仕立てるので “かがり帯” とも呼ぶ)最低限必要な部分のみをかがるので、前幅は8寸の開いた状態が通常の仕立てです。
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この様に、9寸名古屋と8寸名古屋の見た目の大きな違いは、前幅が開いてあるかどうかという事になります。
※但し少数派として9寸名古屋でも開き仕立てがありますし、8寸名古屋でも全てかがって前幅を閉じてしまう仕立てもあるので、本当に違いを確かめるとなると、縫い方で判断するのがベストです。
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私が着用したこの8寸名古屋帯は前幅が調整できる様に縫い閉じられていないタイプの帯でした。(アンティークで購入)
通常なら真半分で締めて問題ないのですが、私の様な背も高くない、特別丸いわけでもない、中肉中背のThe⭐︎普通顔容姿で↑↑絵画の様な太い帯幅にしたらどう見えるだろう?と興味があったので思い切って前幅を太く締めてみることにしました^^
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◯通常の前幅
名古屋帯の普通前幅は約15㎝(約4寸)です。
背の高い方では約16㎝(約4寸2分)となります。
ですので写真の17cm(約4寸5分)は私の体系からはあまり選択されない太さの幅になります。
着付けてみるまでワクワクしておりました♩
◯前幅17㎝で着付けてみました
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こちらがその着用写真となりますがどうでしょうか?
身長155㎝で17㎝の前幅。個人的には断然有り!の感触でした。
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(上手く表現できておらず申し訳ないです)
お茶席という事もあり、帯揚げは殆ど見えない量しか出しておりません故に帯が太くても気にならないのだろうといったところ。
黒の帯揚げなので写真では全く見えませんが、チラ見えはしているのですσ(^_^;)
帯揚げを太く出した際にはどの様な見え加減になるか?それはまた別日にチャレンジして追加で写真をアップできたらと思います。
一口に帯幅を広くすると言っても、帯を締める位置や、合わせる帯や小物によっても大きく雰囲気が変わってくるので、着画を想像ながら帯幅を変えるのもお洒落の幅が広がって、より着物を楽しめるのではないかな?と考えています。
やってみなけりゃ分からない!ってワクワクしますよね♩♩
それには勿論着物文化と歴史を尊重し、その場所や雰囲気を壊さない配慮の上で存分に…
◯帯幅を変えた際の畳み方
一番ネックになるのはどうやって幅を固定するか?ものぐさ自身は不器用人間なので、着用する直前に幅を折って固定するのはいささか恐怖を感じるところ。
なので、着用前日に目標の帯幅になる様に手で軽く折りを付けて畳んでおく様にします。(この辺り皆さんはどうしてるのかしら??)
後に通常幅に戻したり、違う幅で楽しみたいので完全に折りがついてしまわない様注意が必要です。
①まずは太鼓は外して、手先に向かう部分を希望の幅に優しく折る。(アイロンは使わない)
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手先は真半分にかがられているので、その部分は徐々に斜めになる様に。
②太鼓が下側になる様に右手に置く
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帯幅はズラしたまま三角に折ります。
③そのまま上に手側を折り上げる(下でも可)
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④三角の部分をペコっと、裏太鼓側に倒す
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⑤手側を帯幅に沿ってまた倒す。
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⑥そのまま右の太鼓のほうに向かって、手側を揃えて畳む。
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![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/98597397/picture_pc_55bbf66a7d5251c607cc02ef99829c57.png?width=1200)
帯を畳む際のサイズは、たとう紙や箪笥の都合に合わせて決めてください。
↑写真は短めサイズで、タレ先を1尺(38㎝)折って収納しています。
※着用した際に見える部分に折り目が付かないように注意。
⑦完成!
太鼓が下側になっているので上下ひっくり返しましょう
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この様に畳んでおけば、着用の際には面倒な手間なく結べることでしょう。
着用が済みましたら、折りたたんだ部分は平に戻してからシワや汚れ等を取り除いてからお仕舞いくださいね♩
以前岡山のちんがらやさんのインスタライブにて半幅帯の幅についての解説をお聞きして、最近では長さも幅も豊富に存在するという話を伺いました。半幅帯なだけに既に出来上がってあるので、長さを後から調節する事は出来ても帯幅を調節する事は困難なので、気に入った帯幅を自分でチョイスするとなると、仕立て屋に相談するか、開き仕立ての8寸帯を買い求めるかの2択になると思います。
前の幅であればお腹に巻く二周目で、ズラして巻いたりと、太く見せるやり方もあるので、ご自分の好みに合わせて調節できたら良いですね^^
https://instagram.com/takuma.murakami.chingaraya.04?igshid=YmMyMTA2M2Y=
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ちんがらやさんのインスタグラムはこちらからお訪ねくださいませ↑↑↑
今回締めてみたサイズはまだまだ挑戦的な考えからきた寸法なので、また機会があれば挑戦を繰り返して、現実に見てくださる方々からの辛辣な意見が頂戴できたらと考えております。この度は何度かこの幅で帯を結んでお出かけしたところよく似合っていると有難くお褒めの言葉をいただき、ものぐさなりに安心はしていますが、変わった意見をいただく努力もしなければと感じています。反省です_φ(・_・。
以上、ものぐさ和裁師でした🪡
ものぐさ和裁師は着物と和裁の振興に貢献したいと考えています。美しい着物を未来に残していくためにサポートをどうぞよろしくお願いいたします。