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メインストーリー18 カームバルグ地方5 数奇なる運命

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ルミナスが言うには、凛華はグランに選ばれた特別な女性のことであり、ビーダの身に着けているペンダントもまたグランであるという。
各時代には一定数の凛華が存在し、その全ての者がグランを所持している。
ビーダにとっては、グランは親の形見といえるが、それを大事にしている理由の話になると、ビーダははぐらかしてしまう。


サーシャ
「任務とはなんだ?ルミナスを抹殺し、凛華と禁断の一族を生け捕りにすることか?」

サーシャ
「なぜそんなことをするんだ?」

ヘルバード
「ふっ お前達にそれを伝える義理などないわ。」

ヘルバード
「私は主の命に従い戦いに身を投じるのみ。戦いこそ私の全てなのだからな」

サーシャ
「‥相変わらずだな ヘルバード」

ビーダ
「おい!そこのヘルなんとか!なぜ私のこと知ってるんだ!教えろ!」

ヘルバード
「相変わらず口の減らないガキだな。世の中には知らなくていい真実というものもあるぞ。」

ヘルバード
「お前は受け入れるその勇気があるのか」

ビーダ
「わけわかんないこというな!つべこべ言わずに教えろ!」

ヘルバード
「ふっ いいだろう これも一興 暇つぶしに教えてやろう」

ヘルバード
「お前は紅猫族という少数民族の生き残りだ。紅猫族はお前と同じ耳と尾がある。」

ヘルバード
「他に類をみない民族で数は少ないながらも高い戦闘力をもっていた。」

ヘルバード
「それに目をつけた我が王がガルダ国傘下にはいることを提案したのだ。」

ヘルバード
「だが族長はどうしても首をたてにふらない。」

ヘルバード
「そうなってくると話は別だ。高い戦闘力はガルダにとって危険因子でしかないわけだ。」

ヘルバード
「そこで我々は紅猫族を根絶やしにすることにした。」

ビーダ
「!!!」

サーシャ
「非道なことを‥!」

ヘルバード
「族長とその妻は最後まで私達に抵抗していた。民を守るため。」


・・・


ヘルバード
「殺せ 殺せ 殺せーー!!」

族長
「おのれぇぇ!」

ヘルバード
「はっはっは。ガルダに逆らうものはこうなる運命なのだ!」

ヘルバード
「お前の同胞は全て地獄へ送ってやった。」

ヘルバード
「貴様とてもう魔力もほとんど残っていまい」

ヘルバード
「どうだ?お前だけでも私の部下になるか?それならば命だけは助けてやってもいいぞ」

族長
「バカをいうな!ここで命尽きようとも紅猫族の誇りにかけておれは闘う」

族長の妻
「あ‥あなた、このこだけは」

赤ん坊
「おぎゃー おぎゃー」

族長
「我らの最後の魔力でこの子を救うぞ。」

族長
「転送魔法でここから逃がすんだ」

族長の妻
「はい!」

族長の妻
「元気でね。あなただけはどうか生きて・・・。」

族長の妻
「愛してるわ。心の底から」

泣き叫ぶ赤子に族長の妻が自らのつけていたペンダントを渡す。

族長・族長の妻
「紅猫秘伝転送魔法 メルロレント!!!」

ビュン!!

ヘルバード
「くくくっ 茶番をどうもありがとう。」

ヘルバード
「これで思い残すことはないか」

族長
「我らの平和への意志は絶対に消えんぞ」

族長
「紅猫族の誇りはわが子に託した。」

族長
「我らの肉体が滅ぼうとも一族の魂は死なん!」

ヘルバード
「はっはっは。ご立派な辞世の句だ。」

ヘルバード
「良いことを考えたぞ。お前の命がつきたあと、お前の大剣を継いでやろう。」

ヘルバード
「そして私がお前の剣で殺戮をくりかえすのだ。平和主義者のお前にはこれ以上の冥途の土産はあるまい。」

族長
「この‥外道め!!!!」

ヘルバード
「くくく‥一瞬で楽にしてやる。あの世で達者でな」

ザシュ! ザシュ!


・・・


ビーダ
「‥まさか!??」

ヘルバード
「そのまさかだ。」

ヘルバード
「お前の両親を殺したのは、誰であろう、この私だ。」

ヘルバード
「お前は無様に死んでいったその二人の忘れ形見ということだ!」

ヘルバード
「そしてこの大剣はお前の父のもの、これで何万もの命をうばったぞ はっはっは!」

ビーダ
「ふざけるな!!!!」

ヘルバード
「さらばだ。お前の相手はまた今度してやる」

ビーダ
「もう、何がなんだか分からない・・・」

ビーダ
「ずっとずっと捨てられたことを恨んでた・・・自分は望まれない子だっておもってた‥」

ビーダ
「私捨てられたんじゃなかったんだ‥でも、もうあいつに殺されちゃってるなんて」

ビーダ
「こんなのって‥私‥私‥」

ルミナス
「ビーダ・・・」

ルミナスは何も言わず、ビーダをそっと抱きしめた。



ストーリー中でビーダの両親が行使した『メルロレント』という秘術は、
グランバトルで使用可能な竜術師としてのビーダのアビリティとしても実装されていました。


メルロレントによって転送された紅猫族はビーダの他にも存在し、後にイベントストーリーに登場するクーディアもその一人。

紅猫族は高い戦闘力と魔力を持つことから、ガルダ国に目をつけられましたが、後に登場するスカイラは、実際にその力をガルダ国に利用されていました。ビーダとヘルバードの両者が対面し、その因縁が直接描かれるのはメインストーリーのみですが、紅猫族に関わる話は初期のイベントストーリーなどでも度々描写されます。

族長の妻が娘のビーダにペンダント……即ち、『ヒートグラン』を託す場面があることから、ビーダの母親も凛華(あるいは凛華の素質を受け継いでいるもの)なのでは? という推測ができそうですね。
後のストーリーでは、サントゥール王家の血を引く女性は代々凛華である……という設定が描かれており、凛華には血縁関係で受け継がれるという特性がある模様です。
紅猫族自体が少数民族であるので、その中で凛華の素質を持つ者もごくわずかであると思われます。
王家や族長といった特別な立場に凛華の血筋が続いているとすると、かつての禁断の一族と凛華が世界を支配していた時代の頃の地位に起因するのかもしれません。

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