『霧雨の降る森、ふりーむ! 版公開停止』フリーゲームの有料化についておもうこと。


                   いかないでくれよお!


先日、ネットの記事に気になる見出しを見つけた。

『霧雨の降る森、ふりーむ! 公開停止へ』


フリーゲームを遊ばない人に簡潔に説明すると、霧雨の降る森とは2013年にパソコン用のフリーゲームとしてリリースされた探索ホラーアドベンチャーゲームである。
ちなみに、ふりーむとは、フリーゲーム最大手の配信サイトである。

暗く、物悲しいストーリーに霧雨が降り続ける舞台の世界観や可愛らしいイラストが魅力の人気ゲームである。

その人気から様々な媒体への移植やリメイクが行われている。

件の記事を見てまずおもったのが、

「そうか、もう10年も経つのか」

というものだった。
歳も取るはずである。

どんなジャンルでも10年もすればサポートが難しくなる。
作者の事情は分からないが、妥当な話だ。

お金を払っている商品でもないから、そも作者に本来サポートの義務などない。

それを、フリーゲームの作者は善意のもとに行っているに過ぎない。

だから、今までありがとうございました!
という感謝の念しかない。

ただ、同時に、一抹の寂しさのようなものも感じてしまう自分がいた。

この作者の『殺戮の天使』などはアニメ化もしてフリーゲームの人気から商業へ展開した代表的な例だとおもわれる。

多くの人が作品に触れる機会が生まれる。
それは、一ファンとしてとても喜ばしい。

記事によれば作者はフリー(旧版)のサポートが難しくリメイク版を押していきたい意向があると公式サイトで述べているとのこと。

初めての作品とのことで、もちろん思い入れもあるだろうが、実情を鑑みた結果なのだろう。

それでも、僕にとってもオリジナル版には思い出がある。
今から見るとリメイク版より遊びにくかったり、見劣りする面もあるのは否めない。
そんなところも含めての思い出補正なのかもしれないが。

個人的に有償化に伴うフリー版の消失には、フリーゲームという文化で生まれた作品が消えていくような悲しさを感じてしまう。

もちろん、本質の魅力は変わらないし原点の想いは息づいているとはおもっている。

それでも、『生まれた場所』という背景込みでの作品としての性質がフリーゲームというものにはあると個人的には考えている

まあ、おっさんのノスタルジーに過ぎないのかもしれないが。


2024年7月26日(金)が公開停止日とのこと。
この作品に漏れずフリーゲームはいつまでもあるわけではない。
この記事を見て興味を持った人は、今のうちにダウンロードして遊んでみてはいかがだろうか。(注.たしかR15指定だった)
物語や世界観を重視するなら間違いなくオススメできる名作フリーホラーゲームだ。

昨今は(あるまソフトさんとか例外はあるが)新作フリーホラゲの減少に伴い良質な作品は貴重になってきている。すちーむにいきやがってよおこのやろうが
ぜひ古典に触れて、霧雨の降る世界で耳を澄ませてみてほしい。
恐怖だけにとどまらない余韻を与えてくれるはずだ。


※2024.6.30
初稿。

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